大規模分散処理システムの短期導入と安定稼働を支援、参照情報をNECが提供開始データ分析基盤の構築ハードルを下げる

NECは、IoTやビッグデータ向けシステムの構築を目指す企業に向けた参照情報の提供を開始する。

» 2016年02月26日 18時17分 公開
[@IT]

 NECは2016年2月25日、IoTやビッグデータ向けシステムの構築を目指す企業に向けて参照情報(レファレンス情報)の提供を開始すると発表した。オープンソースソフトウェア(OSS)を活用した大規模分散処理システムの構築ノウハウを基に、システムを設計、構築、検証する際に参考となる、検証済み構成モデル例などをまとめた。これによりシステム構築作業を最大50%短縮し、短期導入と安定稼働を支援するという。

 大規模分散処理システムの構築ノウハウは、同社が2015年9月から取り組んでいる、ビッグデータの分散処理システムに関する米Hortonworksとの協業に基づく。この協業は、NECのインメモリ並列分散処理に向けたサーバ「Micro Modular Server DX1000」と、Hortonworksの分散処理ミドルウェア「Hortonworks Data Platform(HDP)」を組み合わせて販売するというものだ。

システム全体のイメージ(出典:NEC)

 今回提供を開始する参照情報には、上記サーバとHDPの組み合わせに加え、データキュレーションのデータ選別サービスや、Talendのデータ抽出・変換・ロード(ETL)ツール、タブロー ジャパンのデータ可視化ツールといった、ビッグデータ分析用のソフトウェアやサービスの動作検証結果もまとめられている。

レファレンスの提供範囲(出典:NEC)

 最近では、画像やテキストデータといった非構造化データを含むビッグデータ処理向け大規模分散処理システムを、OSSを利用して構築する方法が注目を集めている。こうした用途には、例えばApache Hadoopなどが利用されているものの、技術の適用には用途別に適切に構成を設計する必要があり、導入に時間がかかるといった課題があった。

 NECは、今回の参照情報を提供することでこうした用途での課題を解決し、Micro Modular Server DX1000とHDPの販売増につなげたい考えだ。さらに、Micro Modular Server DX1000の上位モデル「Scalable Modular Server DX2000」に、16コアの「インテル Xeon D-1571」を採用した新製品を投入し、より一層分散処理性能の向上を図としている。今後は同サーバにも、参照情報を提供する予定だという。

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