米マイクロソフト、オープンソースのネットワークソフトウェア「SONiC」を発表Open Compute Summit 2016

米マイクロソフトは2016年3月9日(米国時間)、Open Compute Project(OCP)のOpen Compute Summit 2016で、米アリスタネットワークス、米ブロードコム、米デル、米メラノックスとともに開発したオープンソースのネットワークソフトウェア、「SONiC(Software for Open Networking in the Cloud)」を、OCPに提案したと発表した。

» 2016年03月10日 09時45分 公開
[三木 泉ITmedia]

 米マイクロソフトは2016年3月9日(米国時間)、Open Compute Project(OCP)のOpen Compute Summit 2016で、米アリスタネットワークス、米ブロードコム、米デル、米メラノックスとともに開発したオープンソースのネットワークソフトウェア、「SONiC(Software for Open Networking in the Cloud)」を、OCPに提案したと発表した。

 事実上、Cumulus NetworksなどのネットワークOSと並ぶ選択肢となるが、マイクロソフトがサポートを提供するつもりはないようだ。

 SONiC自体を「ネットワークOS」と呼ぶことはできない。ベースとなるLinux上で動作するネットワーク機能ソフトウェア群だからだ。ベースとしては、既にOCPで提供されているOpen Network Linux(ONL)を用いることになるようだ。ONLはDebian Linuxをベースに開発されたもの。この上で、開発者がパケット転送コードを書くことで、ネットワークOSを開発するためのプラットフォームとなることを目的としている。

 SONiCは、ONLとの組み合わせにより、フル機能のレイヤ2/レイヤ3スイッチとしての機能を備えたオープンソースのネットワークOSとなる。同ソフトウェアはまた、マイクロソフトが2015年のOpen Compute Summitを機に提案したスイッチ抽象化インタフェースSAI(Switch Abstraction Interface)を活用。これにより、SAIに対応したスイッチASICを搭載するベアメタルスイッチは、理屈として全てSONiCで動かせることになる。

SONiCの構成

 また、ONLはネットワークOSの選択的な導入を可能にするOCP仕様のONIE(Open Network Install Environment)にも対応しているため、このベアメタルスイッチ用ブートローダーでSONiCを選択すれば、即座にSONiC搭載スイッチを利用できることになる。

 マイクロソフトはブログポストで、SONiCとSAIにより、今後のスイッチASICの進歩を十分に生かしながら、これらにまたがって同一のソフトウェアを稼働でき、これを通じて均質で高度なSDN(Software Defined Networking)的ソフトウェア制御を実現できるとしている。

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