米HPE、Microsoft Azure上で機械学習APIを提供する「Haven OnDemand」発表60以上のAPI/サービスで開始

米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は2016年3月10日(米国時間)、機械学習/ディープ・ラーニングのAPIをサービスとして提供する「HPE Haven OnDemand」を正式提供開始したと発表した。同サービスは全面的にマイクロソフトのMicrosoft Azure上で、全世界的に提供される。また、フリーミアムモデルを採用している。

» 2016年03月11日 11時22分 公開
[三木 泉@IT]

 米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は2016年3月10日(米国時間)、機械学習/ディープ・ラーニングのAPIをサービスとして提供する「HPE Haven OnDemand」を正式提供開始したと発表した。同サービスは全面的にマイクロソフトのMicrosoft Azure上で、全世界的に提供される。また、フリーミアムモデルを採用している。

 Haven On Demandは2014年にベータ提供を開始、現在では1万2000人以上がユーザーとしての開発者のコミュニティに参加しているという。今回料金体系と、企業による利用に向けたSLAが整備され、正式提供に至ったという。

「API Units」とはAPIコール数、「Resource Units」とは検索の場合のインデックスなど、同サービスを消費する永続的なリソースの数だという。企業における利用では個別の料金プランを設定可能という

 HPEでは、正式提供の当初から、60以上という多数のAPI/サービスをそろえていることの価値を強調している。

Haven OnDemandバイスプレジデントのフェルナンド・ルッチーニ(Fernando Lucini)氏は関連ブログポストで、アプリケーション構築プロセスに焦点を当て、一貫性のある(多数の)API群を生み出すことに、力を注いできたと説明している。「単一のAPIではアプリケーションを作れない。人間に関する情報は、非常にニュアンスが豊富で、美しいくらいの文脈を持っているからだ。多数の異なるテクニックを重ね合わせることで、最大の価値が得られる」と述べている。

 提供されるAPIの例について、HPEでは下記のように説明している。

高度なテキスト分析(Advanced Text Analysis)

従来型のアプローチを超えたコンセプト抽出機能を用い、テキストから重要なコンセプトや項目、感情などを取得する。

フォーマット変換(Format Conversion)

情報の所在場所にかかわらず、これにアクセスし、一部データを抽出し、変換を行える機能を提供。標準的なファイル形式を豊富にサポートし、画像から文字認識でテキストを抽出する機能を備える。

検索機能(HPE Haven Search OnDemand enterprise-search-as-a-service)

オンプレミス、クラウド双方のデータを対象に、文脈を踏まえた検索が可能。

画像認識および顔検知(Image Recognition and Face Detection)

人にかかわる用途で、アプリケーションが画像における特徴を検知する。人の性別や、画像内のブランドロゴなどの情報を識別する。

ナレッジ・グラフ分析(Knowledge Graph Analysis)

人、場所、物の間の関係や振る舞いのパターンに関する洞察や予測を自動的に行う。ソーシャルメディアや関連データの分析に使われる。

予測とレコメンデーション(Predict and Recommend)

開発者がビジネスデータのパターンを見て、これに基づき、ビジネスパフォーマンスを最適化するため構造データを対象とした分析・予測・アラートに関する自動学習機能を構築できる。

音声認識(Speech Recognition)

ニューラルネットワークを活用して、ビデオあるいはオーディオから音声をテキストに変換する。50以上の言語に対応。

 Haven OnDemandは全面的にMicrosoft Azure上で提供される。それ以外の提供方法は現時点で存在しない。HPEは、これについて、「マイクロソフトとの2015年12月の戦略的な提携に基づくもの」と説明している。

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