Pivotalジャパン、「2016年は日本のデジタルトランスフォーメーション元年」Pivotal Labs東京を戦略的な活動に

Pivotalジャパンは2016年3月24日、2016年の同社における事業戦略を説明、このなかで「今年は日本のデジタルトランスフォーメーション元年」とし、同社が2015年12月に本格始動したPivotal Labs東京の活動を戦略的に活用して、一般企業のデジタルビジネスへの取り組み支援を進めていくと説明した。

» 2016年03月28日 10時31分 公開
[三木 泉@IT]

 Pivotalジャパンは2016年3月24日、2016年の同社における事業戦略を説明、このなかで「今年は日本のデジタルトランスフォーメーション元年」とし、同社が2015年12月に本格始動したPivotal Labs東京の活動を戦略的に活用して、一般企業のデジタルビジネスへの取り組み支援を進めていくと説明した。

 Pivotal Labsとは、同社のスタッフが顧客組織のソフトウェアエンジニアとともに、3〜5カ月の間、顧客のデジタルビジネスのためのソフトウェアを共同で開発することを通じ、OJT(On-the-Job Training)的なトレーニングを行うサービスおよび施設の名称。Pivotalは現在世界で17拠点のPivotal Labsを運営している。Pivotal Labs東京の活動が本格的に開始したのは2016年1月だが、ゆくゆくは世界最大のサンフランシスコ拠点と同等の規模にしたいという。

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 Pivotal Labs東京では、すでに4つのプロジェクトを受注している。Pivotal Labs東京最初のプロジェクトとなったのが、インテックの地域金融機関向けサービス「F3(エフキューブ)」の拡張。また、三菱東京UFJ銀行の「Fintechアクセラレータ」プログラムで、ICTパートナーとして、開発支援を行っている。コネクテッドカー関連では、三菱ふそうトラック・バスが、同サービスを利用しているという。

 PivotalジャパンはPivotal Labs東京の開設以前より、PaaS基盤製品(「Pivotal Cloud Foundry」)、統合データ分析基盤(「Pivotal Big Data Suite」)を展開してきた。

 Pivotal Cloud Foundryは、サブスクリプション形式のライセンスでオンプレミスに導入できるほか、パブリッククラウドにも導入できる。Amazon Web Services上で、「Pivotal Web Services」として提供されているほか、2015年にはMicrosoft Azure上でも利用できるようになった。

 事例としては、海外では蘭フィリップス、米オールステート生命保険などが知られている。国内企業では、例えばヤフージャパンが世界有数の規模で利用しているという。また、NTTデータは、グループ内のアジャイル開発ノウハウを集約した基盤を、Pivotal Cloud Foundryと統合して運用しているという。

大規模事例では、Pivotal Labsと組み合わせた統合ソリューションが採用されることも多いという

 また、日本ではSpringフレームワークの採用も進んでいるといい、新日鉄住金ソリューションズおよびNTTデータがそれぞれ社内の標準Javaフレームワークとして利用しているという。

 一方、統合データ分析基盤は「Pivotal Greenplum Database」や、Apache HAWQをベースとしたHadoopネイティブなSQLエンジンの「Pivotal HDB」などを統合的に提供している。2015年中に関連製品のオープンソース化が完了したという。日本国内では、同製品群を使って、富士フイルムが社内統合データ分析基盤を構築、富士通エフ・アイ・ピーがID-POSデータ分析クラウドサービス「FUJITSUリテールソリューションValueFront for Analytics」を提供、佐川急便の情報システム子会社から出発したSGシステムが、全社的な統合分析基盤を構築しているなどの例があるという。

 Pivotalジャパン カントリー・マネージャーの正井拓己氏は、日本でもIoT(Internet of Things)、運輸・小売業における先進的アプリなどに関する具体的な動きが広がりつつあり、今年が「日本のデジタルトランスフォーメーション元年」になると実感していると話した。

 正井氏は「いいタイミングでPivotal Labs東京を開設できた」とし、この活動をきっかけに、データ分析基盤およびPaaS基盤のソリューションを組み合わせて提案していくと語っている。特に重点分野と考えているのはフィンテックおよびコテクテッドカー。フィンテックではオールステート生命保険、コネクテッドカーでは米フォードモーターズ、独BMW、独メルセデス・ベンツなどの事例を生かして、スタートアップ企業も採用する先進的なソフトウェア開発ノウハウとともに、同社のソリューションを統合的に推進していくという。

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