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» 2016年03月31日 10時00分 UPDATE

仮想化、クラウドで「ライセンスの重複・違反」が続出?:コスト最適化、コンプライアンス担保に不可欠な、ソフトウェアライセンスの知識を1日で習得するには

仮想化、クラウドの浸透によりシステムが複雑化している今、「ソフトウェアライセンスの重複によるコスト増大」「意図しないライセンス違反」などの問題が相次いでいる。これを受けて、SAMAC(一般社団法人 ソフトウェア資産管理評価認定協会)は、ライセンス管理の知識・ノウハウを短時間で身につけられる研修・資格制度「SAMACライセンスマネージャー(CLM: Certified License Manager)」を展開し好評を博しているという。その中身とメリットとは?

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 SAMAC(一般社団法人 ソフトウェア資産管理評価認定協会)は2014年11月から、「SAMACライセンスマネージャー(CLM: Certified License Manager)」と呼ぶ、ソフトウェアライセンスの基礎知識を習得する研修、および資格制度を開始している。以来2年ほどで、すでに90名以上(2016年3月現在)の資格取得者を輩出し、それぞれの所属企業・組織において、ライセンスを確実に管理することによるコスト最適化や、コンプライアンスの担保などに役立てているという。

 では、近年のソフトウェアライセンスに対する意識の高まりにはどのような背景があるのか。SAMAC理事の相田雄二氏と、二人のCLM資格取得者に話を聞いた。

ハイブリッド環境下で、ますます重要になるソフトウェアライセンス管理

 ソフトウェア資産管理の普及促進に取り組むSAMACでは、中心事業の一つとして、「企業や公共団体において、ソフトウェア資産管理が、どの程度、導入・実施されているか」を客観的に評価する「SAM成熟度評価」を実施している。この取り組みなどを通じて、日本企業を俯瞰してみると、ライセンス管理の知識、ノウハウを持つ人材の不足などにより、必要以上にライセンス費用が掛かっていたり、逆に気付かないうちにソフトウェアを不正に利用していたりする例が多いという。

 SAMACで理事を務めるライセンシング ソリューションズの相田雄二氏は、近年、ソフトウェア資産管理の重要性が一層増している背景を次のように話す。

ALT SAMAC 理事 相田雄二氏

 「一言で言えば、仮想化、クラウドが普及し、ライセンス体系が複雑化していることが挙げられます。以前はインストールするサーバごとにライセンスを購入するスタイルが中心でしたが、サーバ仮想化によって仮想化技術やその他さまざまな仮想化に関する条件での課金体系も出てきました。またクラウド環境では、同じソフトウェアでもオンプレミスとは異なるライセンス体系が適用され、それまで使っていたオンプレミスのライセンスをそのままクラウドに持ち込めない場合もあれば、ライセンスや契約によっては持ち込める場合もあります。無駄なコストを抑制したり、コンプライアンスを確実に担保したりする上で、以前に増して気を配る必要性が出てきたのです」(相田氏)

 例えばオンプレミスとクラウドで異なるライセンスが採用されていた場合、クラウド上に移行することで、5〜10倍のライセンス数が必要になるケースもあるという。

 「ソフトウェアのクラウド移行は、技術的には容易に行えるようになりましたが、ライセンスにまで気が回らず、意図せず不正利用してしまうケースもあります。逆に、必要のないライセンスを無駄に購入していたといった問題も。ライセンス知識がない場合や、管理を確実に行わない場合、そのままコストやコンプライアンスの問題として直接的に跳ね返ってくるのです」

 実際、「物理環境と仮想環境」「オンプレミスとパブリッククラウド」といったハイブリッド環境の浸透が進むに伴い、ユーザー企業やSIerから「ソフトウェアライセンスが分かりにくい」という声が、SAMACに数多く寄せられるようになったという。CLMはこうした声に応える形でスタートした。

 「CLMはソフトウェアライセンスに特化した研修と資格制度です。ライセンスの基礎知識から、主要ベンダーライセンスの基礎、ライセンス契約と調達の考え方、ライセンス管理についての研修など、調達から廃棄まで、ライフサイクル全体にわたるライセンス設計・管理を学ぶことができます。現在は非常に基礎的な知識を獲得、理解するための研修になっておりますが、日々変化・変更されるライセンス情報の基礎部分を確実に押さえておくことによって、企業や公共団体のライセンス調達担当者、管理担当者、販売店やSIerの方にとっても非常に有効な理解や知見が得られると思います」(相田氏)

ユーザー企業の担当者に聞くCLM受講のきっかけ

 ではCLMの資格取得者は、どのような経緯で受講し、どのようなメリットがあったのだろうか。

ALT スクウェア・エニックス 総務部 KSK チームリーダー 平岡智幸氏

 スクウェア・エニックス 総務部 KSK チームリーダーを務める平岡智幸氏は、CLMがスタートしたことを上司から聞き、研修に参加したという。平岡氏が所属する総務部 KSKは購買や資材管理を一元的に管理する部門。社内で利用するソフトウェア資産の調達・管理も一括して行っており、ソフトウェアライセンスに掛かるコストの削減や、適切な利用を促す役割を担っている。

 「スクウェア・エニックスは、ゲームソフトウェアの開発・販売という事業のため、ソフトウェアライセンス管理についても、しっかりと取り組む文化や体制があります。ソフトウェアの不正インストールができない仕組みを作っている他、社内研修などでもライセンスに対する意識を高く持つよう啓蒙するなど、従来から会社として力を入れてきました。しかし、国内ではソフトウェアライセンスに関する資格制度がありませんでした。その点、CLMは知識やノウハウを体系的に学んだ上で、知見があることを客観的に証明してもらうことができます。いわば、自社での取り組みをより確かなものにできると考えたのです」(平岡氏)

ALT きもと 管理本部 iCT統括グループ 宮脇由香里氏

 一方、ポリエステルフィルムの表面加工技術と画像処理技術の事業を中心に展開する、株式会社きもと 管理本部 iCT統括グループの宮脇由香里氏は、ソフトウェア管理に対する危機意識を持ち、自主的に研修に参加した。

 参加当時は会社全体のシステムを管理する部署に所属しており、そこでソフトウェアの購入やライセンス管理を担当していた。経営層からはソフトウェアライセンスを正しく管理するよう求められてはいたが、自身も含め、ライセンス管理の知識・ノウハウが社内に十分にあるとは言い難かったという。

 「以前は社内で使用しているソフトウェアの資産管理は各部署が個別に行っていたため、一元的に把握することが難しく、社内環境の把握に時間がかかるといった状況でした。そこで自分なりに勉強し、社外の研修などにも参加していたのですが、そんな中でCLMを知り、受講に至りました」(宮脇氏)

研修によって得られるコスト最適化のメリット

 CLMの研修と資格取得は、1日で完了する。事前課題が提供され、研修日までに予習をしておき、研修の最後に理解度試験を実施。テストに合格すると資格を取得でき、2年間有効となる。研修では、「ライセンスの基礎知識」「主要ベンダーライセンスの基礎」「ライセンス契約や調達の考え方」などをワークショップ形式で講義。具体的には、4〜5名でチームを作り、6チームほどを設定。出された課題についてチームメンバーで議論し、回答を発表する。

 「欧米企業では、ソフトウェアの調達・管理、ライセンスの専門家がいるのが一般的です。ライセンスの専門家が調達段階からベンダーの意見が正しいか否かをチェックし、ライフサイクル全体を自社にとって適切かつ正しく回せるようにします。このことを踏まえた実践的な課題としており、ソフトウェアを使う側として“知識武装”できるようにすることが目的です」(相田氏)

 一般に、国内企業の場合、ソフトウェアライセンスの把握をベンダーやSIerに任せてしまう傾向が強い。宮脇氏の場合も「社内システム基盤の仮想化」など、規模の大きいシステム刷新の際は業者に任せるケースが多く、詳細を確認することが難しかったという。

 「しかしCLMの研修を受けたおかげで、そうした場合もライセンスをしっかりと把握できるようになりました。ベンダーごとにライセンス体系が異なるため、注意すべき点が異なることも実感を持って理解できるようになりました。自分1人で全て対応できるわけではありませんが、いざとなれば『自分で調べられるレベル』にあることは、とても重要だと感じています」(宮脇氏)

 ライセンスの知識があり、業務でも使っていた平岡氏は、研修の成果をこう話す。

 「自分の知識を資格として証明できたことで自信につながりました。以前は『適切な管理が必要』という意識で取り組んでいましたが、今はもう一歩踏み込んで、『無駄な購入を減らすことで、もう少しコストダウンできるのではないか』と、より戦略的に知識を生かす意識を持っています。ベンダーと個別契約する際も、自社にとって合理的な調達ができるよう、対等の視点で交渉できるようになったと感じています」(平岡氏)

 ベンダー各社のライセンス体系を知ることで、ベンダー各社の考え方の違いも分かるようになる。相田氏によると、「ユーザー側がライセンス体系を正確に把握していないと、ソフトウェアの購入時に、できるだけリスクを避けることを重視するあまり、ライセンスを余分に確保してしまうなど、コストが膨らむことが多くなる」という。知見を持ったCLMが交渉に当たることで、ライフサイクルを通じたコスト最適化を実現できるというわけだ。

ユーザーとベンダーが同じ土俵で議論できるように

 ちなみに、CLMの合格率は90%弱。今後も年間3〜4回のペースで実施していくという。平岡氏は、CLMの受講・取得について次のようにアドバイスする。

 「1日の研修で資格を取得できるため、参加しやすい半面、事前課題に対する予習を確実に行うなど、しっかり身に付けようという意識を持たないと、“一夜漬け”になりかねない側面もあります。また、ライセンスの仕組みや体系は日々変わっているので、資格取得後も、自分の知識を定期的に確認・更新し続けることが必要だと考えています」(平岡氏)

 SAMACもこの点は認識しており、今後はCLM合格者限定の「CLMミーティング」や「Web上での情報提供」などを計画しているという。一方、宮脇氏は、「資格取得後、自社内でどうSAMを進めていくかも課題」と指摘する。

 「部署を異動して、ソフトウェアライセンス管理の担当者が変わったときなどに、知識をどう伝えていくかが課題だと感じています。私も異動に伴い引き継ぎをしましたが、後任の担当者は研修を受けているわけではないので限界があります。“会社として担当者を育てる仕組み作り”に取り組むことが大事だと思います」(宮脇氏)

ALT 「ライセンス管理担当として、他社の方と意見交換できるのは貴重だし心強い。CLMの資格取得後も継続的な知識の更新が大切」と語り合う三者

 この点についても、「ソフトウェアの調達・管理担当に着任する人には必ず受講させる」など、CLMは利用しやすいのではないだろうか。相田氏は、「CLMは運用開始から1年半がたちましたが、今後も受講者の要望を聞き改善を続けていきます」と語る。

 「ベンダーごとに異なるライセンス体系や、その背景にある考え方を横断的に学習する上では、国内ではこのCLMが唯一の選択肢となります。特に、ビジネス展開に応じたスピーディかつ柔軟なシステム開発・運用が求められ、システムがますます複雑化している今、コスト、コンプライアンス、セキュリティリスクをしっかりと管理する上では、“ライセンスの専門家として、しっかりと管理できること、ベンダーと台頭な立場で正しく交渉できること”が不可欠と言えます。ぜひCLMを第一歩として、ソフトウェアライセンスの正しい知識を学び、自社の取り組みに役立ててほしいと思います」

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提供:一般社団法人 ソフトウェア資産管理評価認定協会
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年4月30日

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