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» 2016年03月31日 10時00分 UPDATE

コスト、セキュリティ、コンプライアンスを一度に失わないために:ベンダー、SIer、企業・組織――全ての組織に「ソフトウェア資産管理の知見」が不可欠な理由

およそ全てのビジネス、社会インフラをITが支えている以上、自社・自組織の業務基盤の信頼性、安全性、効率性は、ソフトウェア資産をいかに正しく管理できるかにかかっている。一般社団法人ソフトウェア資産管理評価認定協会(SAMAC)が認定する公認SAMコンサルタントの資格「CSC」は、こうした時代に何を約束してくれるのか。

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全国約100名が活躍する公認SAMコンサルタント「CSC」

 ソフトウェア資産管理(以下、SAM)に関するよく知られた資格の1つに、一般社団法人ソフトウェア資産管理評価認定協会(以下、SAMAC)の「CSC(Certified SAM Consultant:公認SAMコンサルタント)」がある。SAMACが認定する「SAMの構築や改善を指導・助言する能力を持つコンサルタント」であり、現在、ユーザー企業、SIer、ベンダーなどで約100名の資格取得者が活躍している。CSCは現在、さまざまな公共団体や企業が、SAMやIT資産管理の仕組みを構築・調達する際の入札資格としても取り上げられている。

 SAMは企業のガバナンスやコンプライアンス担保、セキュリティリスクの回避において重要であるだけでなく、ライセンスの重複など無駄なコストの抑止や、システム運用管理の効率化にも役立つ。その点、欧米企業ではSAM専門の担当者や専門部署を配置し“企業全体の取り組み”として推進している例が一般的だが、国内ではシステム部や総務などで他の業務との兼任であるケースがほとんどで、SAMの知識・ノウハウが十分に浸透しているとは言えない状況だ。

 だが昨今は、仮想化、クラウドの浸透により、システム構成が複雑化し、「物理環境と仮想環境」「オンプレミスとパプリッククラウド」など、ハイブリッド環境も浸透しつつある。こうした中、同一のソフトウェアでも、物理環境、仮想環境、クラウド環境、それぞれで異なるライセンス体系を持つものも多いなど、確実・正確なライセンス管理は、コンプライアンス担保、コスト最適化の上で一層不可欠なものになっている。「SAM を正しく理解し、その構築や改善の指導、および助言ができる能力をもったコンサルタントを養成」するCSCは、企業が確実にSAMに取り組む上で、また組織にIT資産管理の必要性を啓蒙、定着させる上で有効な資格として、今あらためて注目を集めているのだ。

 CSCとして認定されるには、約3日間のCSCトレーニング研修を受講し、「ライセンス理解度試験」と「CSC認定試験」に合格する必要がある。CSCは2011年6月にパイロット展開が始まり、同年8月に第1回目の研修・資格認定が行われた。今回は、その第1回でCSCに認定された2名と2014年の研修で認定された1名のコンサルタントにインタビュー。自治体、教育関連企業、ベンダー、それぞれの立場から、企業・組織におけるSAM推進の課題と解決に向けたヒントを探る。

SAM構築の実践的ノウハウを体得できる

ALT 石川県庁 総務部 行政経営課 主任主事の川崎紘氏

 「SAMに最も熱心に取り組んでいる地方自治体」の1つとして知られている石川県。石川県庁 総務部 行政経営課 主任主事の川崎紘氏は、県におけるSAM推進の経験を基に講演活動を行うなど、地方自治体におけるSAMの普及を後押しされた。川崎氏は、研修を受講した経緯について次のように話す。

 「2008年にソフトウェア利用状況を調査したところ、順守事項を定め周知するだけでは、ソフトウェアの適切な使用は担保できないということが分かりました。そこで、“適切な管理を継続するための仕組みの構築”を手探りで進めていたのですが、そんな折にSAMの構築に役立つCSCが開始されることを知って、受講することにしました」(川崎氏)

 教育専門企業のエディフィストラーニングのラーニングソリューション部の高橋桂子氏は、2011年当時、「教育コース」の開発を担当していた際に、「SAMコース」の開発と立ち上げを任されたことがCSC受講のきっかけになった。現在は、CSCで得た知見を生かし、SAM分野の教材開発やセミナー講師を務めている。

 「当時は『SAMの入門コースを開設してほしい』という顧客ニーズが非常に高まりつつありました。2011年といえば、仮想化、クラウドの利用が広がりを見せ始めた時期で、システムの在り方が大きく変わろうとしていたタイミング。SAMの正しい知識や具体的な運用方法が強く求められ始めていたと思います」(高橋氏)

 一方、荒巻智之氏はSoftwareONE Japan サービス事業本部ソフトウェア資産マネジメント部でシニア ソリューション コンサルタントを務めている。SoftwareONEは、ソフトウェアポートフォリオ管理(以下、SPM)製品やソフトウェアライセンスのコンサルティングを展開する企業。スイスに本拠を置き、世界82カ国で製品・サービスを展開している。

 「SAMを支援するSPM製品を扱う上では、正しいSAMの在り方をしっかりと認識しておく必要があります。SAMはツールを導入して終わりではなく、お客さまとの関係の中で、継続的に管理・改善し続けていくことが重要です。単に製品のみを提供するのではなく、確実に生かしてもらうためには、そうした付加価値とともに提供できるようにする必要がありました。そこで、まずは自分がSAMを正しく学ぶ必要があると考え、CSCの研修に臨んだのです」(荒巻氏)

「SAMの組織への定着」「SAMの実践的教育」「ユーザー企業との関係作り」――CSC取得、それぞれのメリット

 SAMユーザー、教育者、ベンダー、それぞれ立場と目的は異なれど、「SAM構築の実践的ノウハウを体系的に学びたい」というニーズは同じ。単なる座学ではなく、実際に使える知識・ノウハウを提供するのはまさしくCSCならではの特徴といえるものだ。では三人にはどのようなメリットがあったのだろうか?

 資格取得による具体的なメリットとして、川崎氏は「体系立ったSAMを組織内で展開し、定着させることができました」と話す。石川県では、2009年から情報セキュリティ委員会を中心としてSAM構築を図り始め、2010年11月に規定類の全面改正と再教育を実施。2011年3月からSAMシステムの稼働を開始した。SAMACの成熟度評価認証も、2011年と2012年に受診している。川崎氏はこうした経緯を振り返り、「ツール導入だけでは、SAMシステムは運用できません」と指摘する。

 「ツールはあくまでツールです。ツールと台帳システムを連携させるなどして、台帳更新や棚卸しといったSAMの一連の取り組みを継続的に行える仕組みを作ることが不可欠です。CSC研修で得た知見・ノウハウは、組織にこうしたSAMのフローを定着させる上で役に立ちました」(川崎氏)

 こうした経験を買われ、現在、財団法人地方自治情報センター(マイナンバーシステムなどを手掛ける地方公共団体情報システム機構の前身)で、SAM構築の講師を2年間務めたこともある。石川県における川崎氏の取り組みと、CSCとしての認定を受けたことがSAMの普及浸透につながった好例と言えるだろう。

 またCSCを取得することで、SAMのツールやコンサルティングを外部調達する場合にも、その提案の妥当性の評価が適切にできるようになり、無駄な調達や誤った選択を抑止することができるようになる。

ALT エディフィストラーニング ラーニングソリューション部の高橋桂子氏

 一方、高橋氏がメリットとして挙げるのは、「実践的なノウハウの獲得」。高橋氏自身には、エンジニアとしてのシステム開発や構築経験は多くないが、コースを実施する際には、ツールやシステムへの深い理解が欠かせない。その経験を積む上で、CSCの研修と、SAMACが主催する各種セミナーは大きく役に立っているという。

 「実務経験に代わる知識を、実践的な研修で得ることができました。研修で知り合うエンジニアやプロジェクト担当者から直接ヒアリングし、貴重な実務情報を仕入れることもできます。講師として『実際にこんな例がありました』と豊富な実例を基に教えることができるのは、やはり大きなメリットです」(高橋氏)

 CSC取得後は、上位資格の「公認SAMコンサルタントマスター(CSCM:Certified SAM Consultant Master)」や「公認SAMコンサルタントトレーナー(CSCT:Certified SAM Consultant Trainer)」などを取得することができる。高橋氏は、CSCMの「成熟度評価マスター」を取得し、さらにスキルを磨いているという。

公認SAMコンサルタントマスター(CSCM:Certified SAM Consultant Master):SAMACが開催する各種CSCM研修を修了したCSCに与えられる資格であり、CSCとしてさらに実践的な能力を持っていることを証明できる上位資格。CSCMには「成熟度評価マスター」「構築マスター」「運用改善マスター」の3段階があり、受講した研修に応じてCSC資格にマスター資格が追加される。

公認SAMコンサルタントトレーナー(CSCT:Certified SAM Consultant Trainer):CSCMの3つのマスター分野の研修を修了した運用改善マスター資格保有者には、CSC資格制度で最上位の資格となるCSCT(公認SAMコンサルタントトレーナー、Certified SAM Consultant Trainer)の受験資格が与えられる。CSCTは、CSC養成講座やCSCM研修などの独自開催を行うことできる。


 荒巻氏がメリットとして挙げるのは「資格取得の効果」。SAMACが認定したCSCという肩書き自体が、顧客対応やコンサルティングで役に立っているという。

ALT SoftwareONE Japan サービス事業本部ソフトウェア資産マネジメント部 シニア ソリューション コンサルタント 荒巻智之氏

 「CSC認定を持っていることで、ユーザー企業の担当者に真剣に話を聞いていただくことが増えました。ベンダーとして、単に製品を提案するだけでは聞く耳を持っていただけないことも少なくありません。質問に対して正しい知識で応対できること、その知識が正しいと客観的に保証されていることにより、より深い提案ができるようになったと思います。ただ裏を返せば、それだけ信頼、期待されているということですから、お客さまのニーズにどう対応できるか、プレッシャーも高まりましたね」(荒巻氏)

 実際、CSC取得後は「製品の導入後に、現場で一緒に汗をかきながらシステム改善を手伝うケースも増えた」という。荒巻氏は「資格を取るだけではなく、その後、しっかりと現場業務に生かせるよう努力することが最も大切です」と力説する。

SAMのポイントは「経営層の認識」と「いかに継続するか」

 一方、SAMにありがちな課題として、3人が口をそろえるのは「運用の継続」だ。川崎氏は「いったんSAMを導入しても維持していかないと意味がありません。しかし各部門担当者の異動や退職など、“組織として一定のレベル”を維持し続けるのは大変なことです。マネジメントシステムとして、継続的に教育、棚卸し、監査等を実施していくことが大切です」と指摘する。その点、CSC取得者が組織に存在することは大きな意味を持つと言えるだろう。

 高橋氏は「弊社では入門コースを提供していますが、企業が予算を投じてSAMの教育を外部に依頼することの難しさもあると思います。マネジメントシステムとして確立するためには、経営層に対するSAMのさらなる啓蒙をはじめ、私たちが取り組むべきことは多いと感じています」と話す。この点について、荒巻氏も「実際、経営層としては、収益に直接的につながらない案件の場合、投資判断を下せないことが多い」と指摘。セキュリティや監査で何か問題があったときにまとめて対処するといった風潮もあるので、「そこを地道に変えていければと考えています」と語る。

 とはいえ、インシデントが起こってからの対応では、取り返しのつかない事態になりかねない。把握していないハードウェアやソフトウェアがあれば、ウイルス対策ソフトやパッチ当ての適用漏れが起こるなど、いつ情報が漏えいしたり、ウイルスに侵入されたりしてもおかしくない。ライセンス違反についても、発覚すれば億単位の莫大な賠償金、違約金が発生することが多い。SAMに取り組まないことは、自社のビジネス基盤を崩壊させかねないリスクを常に抱えていることと同義なのだ。

ALT 「SAMは知識の更新と、組織における継続が大切。CSCの研修ではそうした取り組みを啓蒙・リードする上で欠かせない知見が手に入る」

 川崎氏は、「まず自社にどんなハードウェア、ソフトウェアがあるのか、きちんと把握することが全ての始まりです。そのためには正しい知識が必要です」とアドバイス。

 高橋氏、荒巻氏は、「システムが年々複雑化していく中で、ITエンジニアの教育、特にライセンスの知識は、より一層重要になっていきます。今後もIT部門に向けたSAM普及の取り組みを積極的に進めていきたいと思います」(高橋氏)、「新しいテクノロジによって企業のシステム環境はどんどん進化していきます。われわれベンダーにとっては、進化の中でも確実かつ継続的にSAMを行えるよう支援できるか否かが一層重要になると考えています」(荒巻氏)と、CSCとしての今後の抱負を語る。

 事実、社会インフラやビジネスのほとんどをITが支えている以上、ソフトウェアを管理することは営利組織、非営利組織を問わず、自社・自組織の事業基盤の安全性、信頼性、効率性を担保することに他ならない。SAMに対する認識は高まりつつあるとはいえ、さらなる啓蒙・教育が求められているのは間違いないと言えるだろう。

 ただ、これまでSAMに取り組むためには、自ら情報収集するなど一定のハードルがあった。しかしCSCでは体系的にSAMの要点を体得し、実践に生かすことができる。ソフトウェア資産の調達・管理に携わっている人、開発・運用エンジニア、部門長、経営層など、ソフトウェアに何らかの形で関わっていれば、今回の三者のように、立場は違えどSAMの重要性は共通だ。CSCを受講することで、それぞれの立場で自身の職務に何らかの発見や気付きが得られるのではないだろうか。

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提供:一般社団法人 ソフトウェア資産管理評価認定協会
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年4月30日

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