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» 2016年04月25日 14時45分 UPDATE

Tech TIPS:【まとめ】サポートが終了したWindows版QuickTimeを見つけてアンインストールする

Windows版QuickTimeに致命的な脆弱性が見つかるとともに、そのサポートが終了した。Windowsユーザーはどうすればよいのか? アンインストールによる影響も含めて、対処方法を説明する。

[島田広道,デジタルアドバンテージ]
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対象OS:Windows版QuickTime/QuickTime Pro



解説

 弊誌のFacebookページでお伝えしたように、2016年4月中旬、セキュリティ対策企業やメディアなどがWindows用のQuickTimeQuickTime for Windows)を速やかにアンインストールするよう勧める報道が相次いだ。

 その後、アップルはWindows版QuickTimeのサポートを終了することを同社Webサイトで表明した。

 これに対してWindowsのユーザーや管理者はどのように対処すればいいのか? QuickTimeのことをよく知らない読者も対象として解説する。

●QuickTimeとは?

 QuickTimeとは、Appleが開発・提供しているメディア技術の総称である。QuickTimeのプレーヤーは無償で配布されており、さまざまなフォーマットの音声や静止画、動画を再生できる(有償のPro版では編集も可能)。

Windows版QuickTimeプレーヤー Windows版QuickTimeプレーヤー

 またコーデックやソフトウェアライブラリも提供されていて、QuickTimeがサポートするフォーマットの再生・編集が他のアプリケーションでも実現できる。

 以下ではWindows版QuickTime(Pro版を含む)のことを単に「QuickTime」と記す。

●なぜアンインストールが推奨されているのか?

 QuickTimeのアンインストールが推奨されているのは、致命的な脆弱性が見つかり、しかも今後修正されことがないと決まったからだ。

 2016年4月14日、トレンドマイクロ所属のZero Day Initiative(ZDI)は、Windows版QuickTimeに致命的な脆弱性が存在することを報告した。細工された動画をQuickTimeで再生すると、攻撃者に仕込まれたプログラムが勝手に実行され、結果としてそのPCをリモートから勝手に操作されたりPCに保存されている個人情報を盗まれたりする可能性がある、とのことだ。

 これに対してAppleは前述の通り、Windows版QuickTimeのサポート終了を表明した。従って、今回の脆弱性は修正されず、新版が今後リリースされることもない。

 トレンドマイクロ(ZDI)だけではなく、脆弱性対策情報ポータルサイト「JVN」でもWindows版QuickTimeのアンインストールを推奨している。

 なお、この脆弱性はWindows版のQuickTimeにのみ存在し、Mac OS X版は対象外となっている。

●QuickTimeがインストールされている可能性があるPCは?

 QuickTimeは他のアプリケーションと一緒にインストールされることがあるため、自分でインストールした覚えがなくてもPCに組み込まれている場合がある。

 例えば以前のWindows版iTunesをインストールすると、同時にQuickTimeもインストールされていた(最新版ではインストールされない)。

 また動画編集やマルチメディアアプリケーションなどでも、動画の再生や作成、編集にQuickTimeを使っている場合がある。

●アンインストールすると困ることは?

 QuickTimeをアンインストールすると、当然ながらQuickTimeに依存している機能は使えなくなる。特にQuickTimeがサポートしているDNxHDやProResなどのフォーマットはプロ向けの動画編集シーンで利用されることが多く、これに依存しているアプリケーションは少なくない。

 脆弱性の対策をしつつ、その機能を維持するには、何らかの代替策が求められる。

■動画ファイルの再生は他のプレーヤーで代替する

 (編集や作成を伴わない)動画ファイルの再生にQuickTimeのプレーヤーを使っている場合は、インストール済みの別の動画プレーヤーで再生できないか試してみよう。*.movや*.3gp、*.3g2など、以前はQuickTimeでしか再生できないことが多かった動画も、最新のプレーヤーなら再生できることが多いからだ。

 無償で配布されている別の動画プレーヤーや、Windows Media Playerに組み込めるコーデックを探すのもよいだろう(ただし、出所の明らかでないダウンロードサイトからマルウェア付きのインストーラを入手しないように注意)。

■iTunesは最新版に更新する

 Windows版iTunesの場合、Ver. 10.5以降ではQuickTimeがなくても映像などを再生できるとのことだ。つまり最新版に更新すればよい(執筆時点ではVer. 12.3.3.17)。

■その他のアプリケーションはベンダーの対応を確認する

 何らかの形でアプリケーションがQuickTimeに依存している場合は、そのアプリケーションのベンダーに問い合わせて対処方法を確認すべきだ。例えばアドビシステムズは、自社のアプリケーション/サービスへの影響や代替策などについて公表している。

■ユーザー側でアンインストール以外にできること

 もし、ベンダーの対応が遅れたり、対応予定がなかったりする場合は、ユーザーに対処が迫られる。

 1つの策としては、該当アプリケーションをWindowsからMacに移行することが挙げられる。Mac版QuickTimeはサポートが継続していて、今回報告された脆弱性も存在せず、QuickTimeに依存するアプリケーションはMac版もあることが多いからだ。

 ただ、脆弱性とサポートの問題を根本的に解決できるとはいえ、費用や手間の点でMacへの移行は簡単ではない。

 もう1つは、インターネットやリムーバブルメディアなどから不正なプログラムが侵入しないよう、隔離した環境でQuickTimeをインストールしたPCを運用し続ける、という方法だ。

 だが、データの受け渡しなどで格段に不自由になる上、脆弱性におびえつつ運用せざるを得ないため、とても勧められたものではない。

 弊誌としては、Windows版QuickTimeはいずれのバージョンでも、アンインストールをお勧めする。本TIPSでは、QuickTimeがインストールされているPCの見つけ方と、そのアンインストールの方法を説明する。

操作方法

●QuickTimeがインストール済みか確認する(コントロールパネル編)

 (管理者ではなく)エンドユーザーが確認したり、対象のPCが数台と少なかったりする場合は、以下の方法で確認するとよいだろう。

 まず管理者アカウントでWindowsにログオン(サインイン)する。次にコントロールパネルの[プログラムと機能]を開いて、インストール済みソフトウェアの一覧に「QuickTime」あるいは「QuickTime 7」がないか確認する。

QuickTimeがインストール済みか、コントロールパネルで確認する(1/2) QuickTimeがインストール済みか、コントロールパネルで確認する(1/2)
これはWindows OSのコントロールパネル。あらかじめ管理者アカウントでログイン(サインイン)しておく。
  (1)下にスクロールして(2)のアイコンを見つける。
  (2)この[プログラムのアンインストール]をクリックする。
QuickTimeがインストール済みか、コントロールパネルで確認する(2/2) QuickTimeがインストール済みか、コントロールパネルで確認する(2/2)
  (1)「QuickTime」あるいは「QuickTime 7」というプログラムが見つかったら、QuickTimeがインストール済みであることを表している。

●QuickTimeをアンインストールする

 もし[プログラムと機能]でQuickTimeが見つかったら、それを右クリックして[アンインストール]または[アンインストールと変更]をクリックし、画面の指示に従って進めて、アンインストールを完了させる。

QuickTimeをWindowsからアンインストールする(1/2) QuickTimeをWindowsからアンインストールする(1/2)
これはコントロールパネルの[プログラムと機能]。
  (1)QuickTimeの項目を右クリックして、(2)を含むメニューを開く。
  (2)[アンインストール]をクリックする。確認のダイアログが表示されたら[はい]ボタンをクリックすると、アンインストールが始まる。ウィザードが表示された場合は、指示に従って進めること。
QuickTimeをWindowsからアンインストールする(2/2) QuickTimeをWindowsからアンインストールする(2/2)
アンインストールの途中でUAC(ユーザーアカウント制御)のダイアログが表示される。
  (3)「プログラム名」がQuickTimeであることを確認してから、[はい]ボタンをクリックすると、アンインストールが続行される。

 もしシステムの再起動を求めるメッセージが表示されたら、指示に従って再起動すること。

 元の[プログラムと機能]に戻ったら、[F5]キーを押してプログラム一覧を再度読み込む。QuickTimeの項目が消えていればアンインストールは完了だ。

●QuickTimeがインストール済みかリモートから確認する(管理者向け)

 もし複数のPCに対してQuickTimeがインストールされているかどうか確認しなければならない場合、いちいち各PCを直接操作するのは面倒だ。

 そこで、QuickTimeがインストール時に登録するレジストリキーをリモートから調査すれば、ネットワーク経由でバッチ処理できる。

項目 内容
32bit版Windows OSの場合
キー HKLM\SOFTWARE\Apple Computer, Inc.\QuickTime
64bit版Windows OSの場合
キー HKLM\SOFTWARE\Wow6432Node\Apple Computer, Inc.\QuickTime
QuickTimeがインストール時に登録するレジストリキー
このキー以下に、インストールしたファイルの情報などが記録される。アンインストールすると、このキーは削除される。

 上記のいずれかのレジストリキーが存在するなら、そのPCにはQuickTimeがインストールされていると判断できる(アンインストール失敗を含む)。

 このキーの有無を簡単に調査できるように、VBScriptによるプログラムを用意した。

 上記リンクからZIPファイルをダウンロードし、解凍すると現れるテキストファイルの拡張子を.vbsに変更する。それを管理者モードで開いたコマンドプロンプトで以下のように実行すると、指定したリモートコンピュータが調査され、該当するレジストリキーの有無が表示される。

cscript //Nologo checkqtw.vbs <コンピュータ名>



 複数のPCを一挙に調べるには、テキストファイル(ここではlist.txtとする)に1行ずつ対象のコンピュータ名を記し、コマンドプロンプトでforコマンドと上記のcheckqtw.vbsを組み合わせて実行すればよい。

C:\temp>type list.txt ……対象のコンピュータ名の一覧をテキストファイルに記しておく
clientpc01
clientpc02
testpc01

C:\temp>for /F "tokens=1*" %i in (list.txt) do @(cscript //Nologo checkqtw.vbs %i) ……list.txt中のコンピュータ名を指定しながら、前述のVBScriptのプログラムを繰り返し実行する
clientpc01: QuickTimeのレジストリキーは見つかりませんでした。
clientpc02: QuickTimeのレジストリキーは見つかりませんでした。
testpc01: QuickTimeのレジストリキーが見つかりました HKLM\SOFTWARE\Wow6432Node\Apple Computer, Inc.\QuickTime

C:\temp>



 「QuickTimeのレジストリキーが見つかりました〜」と表示されたら、前述の手順でそのPCのコントロールパネル*1からアンインストールを実行する。

*1 リモートからQuickTimeをアンインストールすることは、不可能ではない。ただ、そのコマンドラインに含まれるGUIDが、QuickTimeのインストールパッケージのバージョンなどによって変わるため、一意のコマンドラインを示すことができない。確実にアンインストールするには、コントロールパネルを手動で操作する前述の方法がよいだろう。


●うっかり再インストールしないように注意

 AppleのWebサイトでは、Windows版QuickTimeのダウンロードページが公開されており、インターネット検索で見つけることが可能だ。ただ、いきなりダウンロードができなくなるとユーザーが困ることもよくあるし、こうしたことは他のベンダーのサイトでもしばしば見かける。

 とはいえ管理者であれば、管理下のシステムに再インストールされないよう、ユーザーに注意喚起をした方が安全だろう。

■更新履歴

【2016/04/25】Appleが同社WebサイトでWindows版QuickTimeのサポート終了を表明し、さらにApple Software UpdateでのQuickTime配布を終了したことに合わせて、本文を更新しました。

【2016/04/21】初版公開。


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