.NET開発者がよく使うサイト、本当に使えるサイト【2016年度版】特集:.NET開発者のためのオンラインリソースガイド(2/2 ページ)

» 2016年04月22日 05時00分 公開
[かわさきしんじInsider.NET編集部]
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2. サンプルコードや実装技術情報が充実しているサイト

 例えば、ある機能の実装方法やクラスの使い方が分からないとき、そのサンプルコードがすぐに手に入れば、実際に動作する完成したコードから実装方法を学ぶことができる。ここでは、そのようなサンプルコードや実装技術情報が充実しているサイト、加えてオープンソースで開発が進められているプロジェクトのリポジトリとなっているサイトを幾つか紹介しよう。

Codezine/HTML5 Experts.jp

HTML5 Experts.jp HTML5 Experts.jp

 CodeZineは、翔泳社が運営するサイトで、ソースコードを含む実装寄りの技術情報を主に提供しており、実際に何かを開発する際に参考にできる情報が多い。基本スタイルは読者から投稿された記事を順次公開するシステムになっている。優れた.NET開発ノウハウを持っている読者諸氏は、日本の.NET開発を盛り上げるためにも、ぜひ投稿してみてはいかがだろうか。

 最近では.NET技術者であっても、HTML5やJavaScript/ECMAScriptなどのWeb標準技術に関する知識は必須のものとなっている。先進的なWeb標準技術に関する情報を広く提供しているのがHTML5 Experts.jpだ。


マイクロソフトによるオープンソースなプロジェクトのリポジトリ

.NET Foundation .NET Foundation

 .NET Frameworkの世界でも、今ではオープンソース的なアプローチでのプロジェクト開発が盛んに行われている。.NET Foundationのサイトでは、Roslyn/ASP.NETなど、.NET Foundationの管理下にあるオープンなプロジェクトが紹介されている。.NET Foundationに含まれる各プロジェクトの多くは現在ではGitHub上でホストされるようになってきている。


プログラミングTIPSを提供するサイト

.NET TIPS .NET TIPS

 ちょっとした開発テクニックをコンパクトに記事化した“TIPS”は、実際の開発でヒントとなったり、そのまま流用できたりすることが多い。日本ではこのようなTIPSコンテンツを提供するサイトが非常に多いが、それはやはりTIPS情報の1つ1つが非常にコンパクトなので、個人的にも情報公開しやすいからだろう。

 TIPS情報には、現実的にはGoogleなどの検索エンジンから探して、たどり着くケースが多いだろうが、見つかりにくい場合はこれらのTIPSサイト内を探してみるとよいだろう。


GitHub

GitHub GitHub

 GitHubはソフトウェアプロジェクトの円滑な共同開発を可能にする非常に有用なWebサービスだ。また、多数のオープンソースプロジェクトのリポジトリという側面も持っている。日ごろお世話になっている各種のオープンソースソフトウェアのリポジトリがGitHubになっていることもよくあるはずだ。そうしたソフトウェアに関して、インストール方法や概要を知りたいといったときに一次情報源となるのがGitHub上のリポジトリだ。ソースコードがあるので、詳細な動作を確認することも可能だし、バグがあれば、それを修正してそのソフトウェアに対して貢献することもできる。

 現在では、言語によらず、開発者が利用する多くのライブラリ/フレームワークがオープンソースソフトウェアとして(GitHubなどのリポジトリを介して)公開されている。最新技術を追いかけたい、オープンソースソフトウェアの開発に参加/貢献したいという方は、自分が使っている/自分が興味のあるプロダクトのリポジトリをチェックしてみよう。


3. 掲示板やブログなどのコミュニティサイト

 以上で紹介してきたサイトの多くは、メディアとして一方向の情報提供を行うものだ(最近ではSNS的要素を兼ね備えるサイトも増えてはいる)。しかし、技術的な質問をしたい場合や、よりインタラクティブに情報交換したい場合などは、掲示板(BBS)やブログ、情報共有サービスなどのオンラインコミュニティが役立つ。

Q&Aサイト

QA@IT QA@IT

 QA@ITは、本稿が掲載されているサイト「@IT」が運営する掲示板だ。以前に運営されていたInsider.NET会議室および.NET開発者中心(元VB研)会議室はQA@ITへと移行したが、過去の質疑応答は、「Insider .NET会議室」「.NET開発者中心(元VB研)会議室」「旧@IT会議室」などからアクセス可能だ。「ディレクトリ分類による検索」(=技術ごとにスレッドを分類している)も提供している。

 Stack Overflowは、.NETをはじめとする技術系のQ&Aサイト/質問サイトである。特に、プログラミング時に生じた問題や疑問などの質問が多い。日本語サイトも開設された(ただし、情報量が多いのはやはり英語サイトとなっている)。日々発生する細かな問題を解決したい場合には、参考にしたいサイトだ。

 teratailもQ&A系のサイトの1つであり、最近注目されているサイトだ。高い回答率と短い回答時間を誇っている。シンタックスハイライト/マークダウンによる記述など、プログラマーに親和性の高いツールを提供している。


Qiita

Qiita Qiita

 Qiitaはプログラミング関連の情報を共有するためのサービスだ。Qiitaには「ストック」機能があり、誰かが書いたTIPSが便利だと思ったらそれを「ストック」し、自分が書いたTIPSを誰かが便利だと思ったらそれが「ストック」される。ストック数が多ければ、その情報を便利(あるいは興味深い)と捉えた人が多いといえる。このストックという行為を中心に良質な記事や興味をそそられる話題が浮かび上がるような仕組みになっている。

 このサイトからはホットな話題が巻き起こることがよくある。プログラミングに対する理解を深めるならウォッチしておいてもよいだろう。Qiitaからのお知らせメールを受け取るように設定しておくと、ストック数が多かった投稿を定期的に知らせてくれるので、その一覧から面白そうな投稿を閲覧し、関連する投稿へと移動することで知識を広めてもよいし、「今注目の技術はこれかな」といった動向を把握するのにも使えるだろう。


マイクロソフトが提供するオンラインコミュニティ/ブログサイト

MSDNフォーラム MSDNフォーラム

 MSDNフォーラムは、Visual Studioを提供するマイクロソフトが公式にサポートする掲示板である。特に製品に密接に関連する質問は、この掲示板を利用するとよいだろう。

 MSDNブログでは、マイクロソフト社員によるブログの新着記事がまとめて表示される。ブログでしか公開されないような詳細な情報や、他では公開されていない最新情報も多いので、そのような情報をチェックしたい先進的な.NET開発者は、気になる社員のRSSフィードを購読するとよい。


マイクロソフトへの要望はここから

Visual Studio UserVoice Visual Studio UserVoice

 Microsoft Connectは、マイクロソフト製品に関するフィードバックを行うためのサイトで、.NET FrameworkやVisual Studio関連のバグの報告や新機能の提案もここで行える。

 もしマイクロソフトの開発製品(クラスライブラリも含む)でバグを見つけたら、ここで報告するとマイクロソフト社員が対応してくれ、次期バージョンでの対応や回避策などの応答が得られることがある。日本語で入力できるので、必ずしも英語が読み書きできる必要はない。また同じバグが報告されていないかここで検索すれば、そのバグの回避策などの情報を得られることがある。

 Visual Studio UserVoiceでは、Visual Studioユーザーからの声にVisual Studio Teamが直々に答えてくれる。ここからVisual Studioの将来が垣間見えることもあるので、興味のある方は注目しておこう。


ブログ形式のメディア

Publickey Publickey

 InfoQは、各種プロダクトや技術のテクニカルプレビュー版(=α版)、β版レベルでの最新技術情報や、ニュース、オピニオンなどが提供されている、アルファギーク(=α版などの早い段階で技術に興味を持ち、技術の方向性を考える先端的で飽きっぽい開発者)にはうってつけのサイトだ。

 RSSフィードも用意されているが、個人ごとにRSSフィードを提供する仕組みになっているようなので、購読した場合はサイトを訪れて確認してみてほしい。

 またPublickeyは、InfoQと同様なブログ形式のメディアで、最新技術の速報やはやり技術(セミナーレポートなど)に関するブログ記事が1日数本のペースで公開されている。クラウド開発や最新Web技術の動向をウォッチしたい開発者にはお勧めである。


学習サイト

schoo schoo

 プログラミングをオンラインで学習できるサイトも数多く存在する。その種類も多彩であり、ビデオベースのものもあれば、穴埋め方式のものもあるし、テキスト+実習方式のものもある。上記に示したもの以外にも多くのサイトがあるので、プログラミング初心者の方は、自分に合ったもの(学習方式、学習内容など)を見つけて活用してみてはいかがだろうか。


その他

はてなブックマーク はてなブックマーク

 新しい情報を入手するにはTwitterなどのSNSメディアも活用できる。例えば、@msdevjpは、日本の開発者向け情報に加えて、マイクロソフトの著名エバンジェリストのつぶやきをリツイートしてくれる。最初はこのアカウントをフォローしておき、そこから自分の興味に合った人たちを随時フォローしていくといった使い方があるだろう。

 はてなブックマークの人気エントリ(hotentry、通称「ホッテントリ」)は、ある時点で人気のブックマークを紹介してくれる。今どんな話題に注目が集まっているかを知りたいという方はチェックしておこう。もちろん、Twitterのアカウント(@hatebu)があるので、ものぐさな人は、フォローをしておけば、人気エントリがTLを賑わしてくれるようになるはずだ。

 Microsoft NewsとAll About Microsoftはその名の通り、マイクロソフトの動向に関するニュースを頻繁に更新してくれるサイトだ。英語サイトではあるが、ここ(や他のニュースサイト)で報じられたことがきっかけとなって、上記のはてなブックマークの人気エントリで取り上げられるニュースもあるので、最新情報を誰よりも早くキャッチしたいという方はチェックしておこう。

 最後のPOSTDは海外サイトの記事を読者のリクエストに応じて、翻訳して掲載してくれるサイトだ。仕事には直接結び付かないかもしれないが、プログラマーとしての知識を深めたければ、定期的にチェックするようにしよう。


RSSリーダーを活用しよう!

 サイトの多くは、新着記事の要約情報などを「RSS」(もしくは「Atom」)と呼ばれるXMLファイルで配信している。そこで「RSSリーダー(もしくはRSSアグリゲーター)」と呼ばれるRSS収集ツールを使えば、これらの情報(RSS)を定期的に収集して、Webサイトを開くことなく記事をまとめて読める。

 RSSリーダーとしては、さまざまなものが無償で入手可能であるが、現在ではFeedlyが一番のお勧めだ。

Feedly

Feedly Feedly

 FeedlyはWebアプリなので、どこから(どのPCから)でも同じデータにアクセスできるというメリットがある。Feedlyが秀逸なのは、キーボード操作(英語)で高速に読める点である。iPhoneなどのスマートフォンにも対応している。


 本稿で紹介したサイトの多くがRSSを配信しているので、日常的に読みたいサイトはそれをRSSリーダーに登録しておくと新着情報を効率的かつ網羅的にチェックできる。


 今回は技術情報が入手できるオンラインサイトを説明したが、もちろんここで紹介したものはほんのごく一部でしかない。しかしまずはこれらのサイトをチェックするとともに、必要な情報を的確に検索できるテクニックを磨いてさえおけば、大抵の場合で事は足りるだろう。現在では非常に多くの情報を簡単に見つけることができるが、その取捨選択に余計な時間を取られないようにしたいものである。

 また、.NET開発の書籍も多数出版されており、これらの書籍から情報収集することも考えられる。書籍のメリットはやはり携帯できるところにある。出勤や帰宅の電車の中などでゆっくりと情報収集したい場合などでは、このような書籍から情報収集するのもよいのではないだろうか。

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