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» 2016年06月01日 10時00分 UPDATE

IoT実践、最大のハードルと成功の秘訣とは?:高精度なIoTを実現する「3つの条件」

IoTに取り組む企業が着実に増えるに伴い、システム環境整備が課題となり、プロジェクトを前に進められない問題も増えつつある。一体何がIoTの実践を阻んでいるのか? IoTプラットフォーム「SensorCorpus」の「エッジ・クラウド連携」機能を発表したインフォコーパスに話を聞いた。

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マルチベンダー環境でのIoTサービス実現の難しさ

 IoTトレンドが本格化する中、議論の焦点はIoTという概念の理解から、「どのような機能を、どう使い、どのような結果を得るか」といった実践論に移りつつある。だが実際に取り組みに着手すると、IoTを実践するまでに思い掛けない手間やコストが掛かり、プロジェクトをなかなか前に進められないケースも増えているようだ。

 こうした中、エンタープライズ業務向けIoTプラットフォーム「SensorCorpus」(センサーコーパス)を提供しているインフォコーパスも着実に導入企業を増やしている一社だが、日々のコンサルティングの中で、IoTを実践できない企業の悩みを聞く機会も増えたという。代表取締役社長 鈴木潤一氏は、企業が陥りがちな課題について次のように話す。

ALT インフォコーパス 代表取締役社長 鈴木潤一氏

 「IoTでは、さまざまな場所に存在する機器、システム、データを連携させる必要があります。従って、単にセンサーを設置するだけではなく、既存の機器やシステムと連携するための作り込みが発生します。しかし連携させるデバイスやシステムのバリエーションが多いために、どうしても作り込みの手間や時間、コストがかさみがちになってしまうのです」

 というのも、IoTを実践するためには、データの「収集」「蓄積」「可視化・通知」「制御」「分析」といった各種機能が必要となる。より具体的には「必要とされるデータを、必要なタイミングで取得する」「取得データをもれなく確実に格納して管理する」「利用者が理解できる形で可視化・通知する」「得られたデータをフィードバックし機器を制御する」「適切なアルゴリズムを用いて分析・評価する」といった機能だ。

 だが、デバイスやシステムがマルチベンダーであり、さまざまなAPIを使い分けるようになると、こうした各種機能の実装は複雑化し、自ずと手間やコストが掛かりがちになる。

ALT 図1 IoTシステムの全体像。このように、さまざまな場所に存在する機器、システム、データを連携させる必要がある

 そこで、IoTの環境を統合的に開発・管理するためのプラットフォーム、「IoTプラットフォーム」が不可欠になるのだという。

ALT インフォコーパス 取締役 CTO 佐治信之氏

 「IoTプラットフォームがないと、さまざまなシステムとソフトウェアを個別にイチから開発し、連携させる必要があります。また、IoTの対象領域は、製造をはじめ、交通・物流、農業・土木、ヘルスケア・医療など多様であり、各用途で求められるIoTサービスも異なりますが、IoTプラットフォームは必要に応じて開発したサービスを、統合的に実装・運用していくための基盤としても不可欠なものとなるのです」(取締役 CTO 佐治信之氏)

 これを受けて、「SensorCorpus」は、「IoT環境を統合的に開発・管理する」というIoTプラットフォームとしての機能を提供するとともに、IoTに必要な機能を担うソフトウェアをワンパッケージで提供し、サービスとして利用できるようにしている。具体的には、データ管理機能、ユーザー管理機能、センサー&ゲートウェイ管理機能、通知機能、分析機能、フィードバック制御などの機能、ダッシュボード機能、セキュリティ機能などを用意している。

ALT 図2 IoTプラットフォームがないと実践環境を効率的に構築することは難しい。SensorCorpusはIoTプラットフォームとして必要な機能をサービスとして提供することで、迅速なIoTのスタートを支援する

 「これにより、手間とコストを掛けることなく、あらゆるIoTサービスの開発・運用をすぐに開始することができます。簡単、安価、かつセキュアに実践に乗り出すことができるのです」(鈴木氏)

遠隔モニタリング、予防保全、施設設備管理などで活躍

 SensorCorpusはさまざまなシーンで使われており、遠隔モニタリング、工場の予防保全、施設設備管理など多彩な事例がある。その1つが、工場施設などの騒音を遠隔地からリアルタイムにモニタリングしているケースだ。

 ある騒音計メーカーは、SensorCorpusを使ってシステムを構築。各現場の騒音データをクラウド基盤上に一元的に集約し、ダッシュボードでリアルタイムに分析できるようにした。単に時系列データをグラフで表示するだけではなく、気象データや地図データなどのオープンデータを組み合わせて、異常を分かりやすく発見可能とした。これを「騒音モニタリング」というIoTサービスとして顧客に提供し、騒音計の開発・販売という従来ビジネスを拡大できたことがポイントだという。

 工場の予防保全の例としては、「自社工場の製造設備で用いられる消耗材の劣化を監視し、製造設備の故障を予防する」というケースがある。従来、消耗材の劣化は人が巡回して目で見て判断していたが、正確な劣化状況までは分からなった。そこでセンサーを設置し、複数種類のデータを収集。これをある分析アルゴリズムを使って合成指数に変換することで劣化状況を検知し、視覚的に把握可能とした。

ALT 図3 消耗材の劣化状況をセンサーデータから可視化し、誰でも、正確に状況を把握可能とした

 ポイントは、センサーの測定データそのものではそれが意味することを把握しにくいことを受けて、SensorCorpusの分析機能と可視化機能を使って専門知識がない人でも正確に把握できるようにしたこと。故障と劣化の予知を行えるようになったことで、メンテナンスコストの削減につながっているという。

 一方、施設設備管理の例としては、寒冷地の道路などで使われている「不凍液の散水制御システム」での適用を進めている。路面凍結を防止するために、道路に温度センサーを設置しデータを収集。凍結の恐れがある温度に達したら、それを検知して散水できるようにする。さらに、近接市に設置した別の温度センサーからもデータを収集し、「一定の気温になると、あらかじめ散水をする/散水をやめる」といった制御も可能とする。すなわち、道路のセンサーからの「フィードバック制御」と、近接市のセンサーからの「フィードフォワード制御」を行うことで、高精度な散水が可能になるわけだ。

ALT 図4 SensorCorpusを介してフィードバック制御、フィードフォワード制御を実行、高精度かつきめ細かな機器制御を実現する

フィードバック制御:機器に取り付けたセンサーから状態データを取得し、それを「望ましい基準量」と照合して、「現実の状態データ」と「あるべき状態データ」の差が小さくなるように機器を操作することを指す。例えば、機器の温度が上がったらそれを検出し、機器の温度を下げるよう調節する。

フィードフォワード制御:周辺環境の変化や他機器の状態変化などのデータ(このようなデータを外乱データという)を取得し、それらの影響を“あらかじめ”打ち消すような操作を加えることを指す。例えば、天候によって機器の温度が変化することが分かっている場合、天候変化の影響が出ないようにあらかじめ温度を調節する。


 このフィードバック制御とフィードフォワード制御を行うために、SensorCorpusとセンサー、散水機器間でMQTTプロトコルをやりとりするための「MQTTブローカー」をSensorCorpus内部に実装した。このMQTTブローカーに対して、外部から命令を投げるだけで簡単に制御できるようにしたことがポイントだという。MQTTブローカーを使った制御システムは、ゴルフ場での利用も可能だ。ゴルフ場内に設置した温度センサーとゴルフ場の近隣施設に設置した温度センサーを使って、スプリンクラーでの水やりを自動的に高精度で行えるようにしている。

国産IoTプラットフォームならではの3つの強み

 以上のように、SensorCorpusにはすでに多様な事例があるわけだが、鈴木氏は「こうした事例の背景には、SensorCorpusの手軽さ、利便性に加え、大きく3つの強みがあります」と指摘する。

 1つは「純国産」であること。前述のように、IoTは“より良いアクション”につなげて初めて意味を持つ。その点、製造業をはじめ各業種の事情やニーズに即した、きめ細かな取り組みが求められる。そのためには単にデバイスをつなぐだけではなく、日本固有の業務プロセスや商慣習などを考慮したきめ細かなシステム構築が求められる。

 その点、鈴木氏、佐治氏ともに、機械工学やロボット工学、ITシステム開発・運用のノウハウと、エンジニアとして工場設備のあらゆる技術開発に携わってきた経験を持つ。「日本特有の仕事の進め方やビジネスプロセスを知っているからこそ、ユーザーニーズに合ったきめ細かい対応も可能になる」(佐治氏)というわけだ。

 2つ目は、ハードウェアとソフトウェア、両方の知識、ノウハウを取り込んでいること。現実世界のアクションにつなげるIoTでは、組み込み系/機械系の知識と、一般的なシステム開発の知識、両方が必要になる。SensorCorpusはそうした知識・ノウハウを基に開発することで、安全性、信頼性の高いIoTプラットフォームに仕上げているという。

 「前述したフィードバック制御、フィードフォワード制御も、制御系の知識としては基礎的なものです。これらがそろわないと機器の適切な制御はできません。しかしIoTプラットフォーム製品の中には、フィードバック制御には対応していても、フィードフォワード制御のことは十分に考慮していないものもあります。IoTにおけるミスは、用途によってはシステム障害にとどまらず、人命にも関わってくるもの。センシティブな領域になればなるほど、しっかりとした作り込みが重要であり、そこに組み込みシステム開発の経験が生きてくるのです。特に制御系の理論をクラウドにしっかり載せていくという部分では、シリコンバレーの企業にも負けないという自負があります」(佐治氏)

 3つ目は、クラウドとエッジ(センサーなど現実世界との接点)の密接なインテグレーションだ。例えば、「エッジ側のデバイスはあくまでデータを収集するための機器であり、分析などは基盤となるクラウド側で行えばいい」と考えられがちだが、性能やセキュリティ面を考慮すると、各デバイスをクラウドに直結する実装が適切とはいえない場合も多い。また、デバイス側のソフトウェアをどう更新するか、機能追加をどう行うか、脆弱性に対するセキュリティパッチをどう迅速に適用するか、といったことも課題になる。

 これに対し、SensorCorpusでは、クラウド側の機能をエッジ側にも持たせてデータ処理や制御処理の機能を分担することで、効率的・安定的に動作させる設計を採用しているという。(プレスリリース:インフォコーパス、世界初の「エッジ・クラウド連携」をSensorCorpusに実装

 「必要なタイミングで組み込みのソフトウェアをアップデートしたり、デバイス側で制御してクラウドに適切なデータだけを送ったりできるように設計しています。クラウドとエッジが協調動作することで、確実・効率的にIoTサービスを運用できる他、将来的な環境変化にも対応できるようにしているのです」(佐治氏)

高度な知見・ノウハウを武器に、グローバル展開を目指す

ALT ハードとソフト、双方の豊富な知見・ノウハウを基に、IoTのあらゆる可能性を語り合う両氏。「制御系の理論をクラウドにしっかり載せていくという部分では、シリコンバレーの企業にも負けないという自負があります」(佐治氏)「分からないことがあればぜひお声掛けいただきたい。さまざまな企業・組織のIoTを柔軟に支援できると思います」(鈴木氏)

 IoTトレンドの本格化に伴い、同社への相談件数も大幅に増えている。前述のような各社のIoTプラットフォーム製品が持つ“違い”を理解した上で、SensorCorpusを指名買いする顧客も増えてきたという。

 鈴木氏は、「IoTはさまざまな技術が支え合って実現できるもの。全ての知識を学ぶことはできませんし、目的は知識を学ぶことではありません。われわれは顧客企業、それぞれの課題解決に必要なノウハウ、知識を提供することで、目的達成を支援したいと考えています。IoTに関して少しでも分からないことあれば、ぜひお声掛けいただきたい。どのようなご要望にも対応できるようにしています」と力説する。

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提供:株式会社インフォコーパス
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年6月30日

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