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» 2016年06月01日 05時00分 UPDATE

ITエンジニアの未来ラボ(8):de:code前日アンカンファレンスの主催者に聞く、技術コミュニティーの“ある変化”とは

アンカンファレンスイベント「Japan ComCamp meets de:code」が2016年5月23日に開催。イベント主催者に、最近のコミュニティー動向を聞いたので、当日の模様を交えてお伝えする。

[唐沢正和,ヒューマン・データ・ラボラトリ]

 2016年5月23日にさまざまなコミュニティーが集結するアンカンファレンスイベント「Japan ComCamp meets de:code」が開催された。前回記事の『「無知の知を自覚する場」、アンカンファレンスって何だ』に引き続き、イベント主催者に、最近のコミュニティー動向を聞いたので、当日の模様を交えてお伝えする。

Japan ComCamp meets de:code会場の様子

“変態的な技術活用”がウケる最近のコミュニティー/勉強会事情

 今回の「Japan ComCamp meets de:code」は、さまざまなコミュニティーから多くのエンジニアが運営者として参加していた。今回のイベントに参加したのは、「SQLTO」「POStudy」「HoloMagicians」「Hokuriku.NET」「Japan Azure Users Group(JAZUG)」「.NETラボ」「OpenIDファウンデーション・ジャパン」「わんくま」「日本C#ユーザー会」「IoT ALGYAN(あるじゃん)」「SCUGJ」の11コミュニティー。

 主催者であり、JAZUGに所属しているシグマコンサルティングの冨田順氏は、「スピーカーに立つエンジニアは、コミュニティーでも注目される存在であることが多い。例えば、SQL Serverを性能限界までぶん回してみたり、ちょっとおばかなガジェットを作ってみたりとか、誰もやらないような“変態的な技術活用”にチャレンジしている人は、コミュニティー内でもウケがいい。結果がどうあれ、賛否両論の意見が飛び交って、コミュニティーは確実に盛り上がる」と、最近のコミュニティー活動は既成概念にとらわれない動きが見られるという。

 「以前までのコミュニティーは、マイクロソフトの技術を使った専門エンジニアの集まりのようだったが、最近は雰囲気がガラッと変わってきた」というのは、主催者でSQLTOに所属するgloopsの大和屋貴仁氏。「私がMicrosoft MVPになって、年1回大きく開催しているコミュニティーイベント『ComCamp』の東京会場を主催した際、スピーカーには発表内容の半分をマイクロソフト以外の技術にしてもらった。マイクロソフトのエンジニアとOSSのエンジニアが垣根を越えて交流できる場として、“村社会”にならないように心掛けている」と、コミュニティー内でオープンな技術交流を促進していると話す。

左から、Japan Azure Users Groupの冨田順氏、SQLTOの大和屋貴仁氏、日本マイクロソフト デベロッパー&エバンジェリズム統括本部 マーケティング部 Senior Audience Evangelism Manager 熊本愛華氏

 この背景には、Linux、Java、PHPなどのWebアプリケーションプラットフォームと連携したMicrosoft Azureに代表されるように、マイクロソフトの技術とオープンソースソフトウェア(OSS)技術の融合が急速に進んでいることが挙げられる。こうしたマイクロソフト自体のオープンソースへの積極的な取り組みが、コミュニティー活動にも波及しているようだ。

 日本マイクロソフトの熊本愛華氏は、「『マイクロソフトの技術』『OSS技術』などといった枠を超え、異なる得意技術や異なる世代、異なる本業、異なる役割の人々が、コミュニティーというオンライン/オフラインの場においてコミュニケーションをとる。その過程で、お互いを深く知りご自身のこともあらためて知り、ご自身の新たな可能性を引き出すきっかけにしていただきたい。その可能性の広がりが日本の技術力向上につながると考えている」と、コミュニティーへの積極的な参加を呼び掛ける。

 日本マイクロソフトの砂金信一郎氏も、「コミュニティーに参加し、OSSのエンジニアたちと交流することは、自分自身の技術力を高め、将来的なキャリアアップにもつながるはず。コミュニティー活動を通じて、Microsoft MVPに選ばれるチャンスをつかんでほしい」と、日本のコミュニティーから多くのMicrosoft MVPが生まれることに期待を寄せていた。

30近いセッションが飛び入りで行われたアンカンファレンスの模様

 続いて、イベント当日の模様を簡単に紹介しよう。約300人が参加し、幅広いテーマで30近いセッションが行われていた。

当日イベント開始当初のセッション予定表。この後、全枠が埋まり、30近いセッションが行われた
畿央大学の西端律子教授による、Surface端末を配布した教育現場の話
ツチノコブログでおなじみのDMM.comの渡辺憲一氏も登壇。SONiCをやってみた失敗談を披露
de:code本番での講演に先立ち、ちょまど氏もBashとWindowsに関するセッションに参加
Xamarin、iOS、Android向けコントロールセット「Xuni(ズーニー)」の紹介
DMM.comのエンジニアによるロボットとSkypeを連携する話
顔認証のデモ
JAZUG札幌支部「きたあず」の紹介
HoloLensのユーザーグループ「HoloMagicians」の蜜葉優氏によるHoloLensアプリ開発のQ&Aセッション

“変態的な技術活用”を披露する「おばかIoT選手権」の開催がアナウンス

 なおアンカンファレンスの1セッションで、「おばかIoT選手権」の開催がアナウンスされた。

「おばかIoT選手権」について説明するIoT ALGYANの小暮敦彦氏(左)とJAZUGの橋本圭一氏(右)

 おばかIoT選手権は、@ITが2009年から不定期で開催している「おばかアプリ選手権」のIoT版だ。「おばかアプリ」とは、ムダにかっこよくて、かゆくないところにも手が届く、ばかばかしくて面白いアプリ。「おばかアプリ選手権」は、デザイナ×エンジニアのコラボレーションが創りあげる「おばかアプリ」の無駄にかっこいい度合いとばかばかしさ、チームワークを競うイベントだ。これまでどのようなおばかアプリが作られてきたかについては、「おばかアプリ図鑑」を参考にしてほしい。

 今回の開催に先立ち、おばかIoTアプリのお披露目は、2015年1月に「おばかIoTシンポジウム」として開催されている。JAZUGのコアメンバーであり、伝説のイベント「おばかアプリ選手権」の常連選手でもある、シグマコンサルティングの橋本圭一氏が発起人となり、司会も務めた。

 「おばかIoT選手権」が「おばかIoTシンポジウム」とは異なり、参加アプリを公募する。これにより、IoTの新たなカタチが世に出されることが期待されている。既にアプリの募集は開始されており、2016年7月10日まで受け付けている。その後、優秀なおばかアプリは7月23日に開催される決勝戦イベントで拾うされる予定だ。詳細は、下記を参照してほしい。


ベンダー企業とコミュニティーの関係性については、追ってインタビューを紹介

 このように、アンカンファレンスの模様や主催者のインタビューから最新のコミュニティー事情についてお伝えしたが、いかがだっただろうか。マイクロソフトの技術とOSSとの融合が急速に進んでいる昨今、その影響がコミュニティー活動にも波及しているというのは、なかなか興味深い。ベンダー企業とコミュニティーの関係性については、別途インタビュー記事を掲載予定なので、楽しみにしていてほしい。

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