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» 2016年06月22日 10時00分 UPDATE

物理層管理を軽視していませんか?:「ケーブルの配線品質」で速度が大きく変わる? 40G〜100GBASEの“データ爆発時代”に向けてIT/データセンター管理者に知ってほしいこと

クラウドやIoTなど、IT技術が高度化するにつれ、データ量が爆発的に増大している。そして、それらを支える物理ネットワークの重要性もますます増えている。それには、「規格通りの高品質な情報配線システムが構築」されて、初めて高度なサービスやアプリケーションを稼働させられることを忘れてはならない。そこで重要なのが、配線が適切かどうかを確認する「認証試験」である。なぜ認証試験がデータセンター管理者やネットワーク管理者にとっても、配線事業者にとっても重要なのか。そして、実際にどのような試験が求められているのか、詳しく解説しよう。

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“新しい時代”に合わせた、「正しいネットワーク」を作るには

 モバイルデバイスや仮想化技術、クラウドサービス、ビッグデータ、IoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)など、新しいテクノロジーの普及によって、企業ITの在り方が今、大きく変化している。ビジネスのITに対する依存度がより一層高まり、そして、日々膨大に生成されるデータを適切に扱い、それで得られた知見をさらにビジネスの躍進のために役立てる「データドリブン」を実践する企業こそが、「この先も生き残れる」とさえ言われている。ITは、何年も前から絶えず変化し続けているが、近年はその進化や変化の速度がより一層加速している。

 こうした大きな変化の影響を如実に受けるのは、やはりインフラ部分である。

 スマートフォンをはじめとするモバイルデバイスの普及によって、PCだけだった時代とは比較にならないほどインターネット通信を利用するユーザーが爆発的に増えた。さらに、近年の仮想化技術やクラウドサービスの普及は、データセンター内部のサーバ間通信もこれまでないほどに肥大化させている。また、今後普及が進むと考えられるIoT分野では、これまでインターネットに接続されていなかった家電や産業機器などのあらゆるデバイスもネットワークに接続され、インターネットを通じてデータが収集されるようになる。このことからも、トラフィック増加の加速度、そして通信の重要度は増す一方だ。

 こうした変化を柔軟に受け止めるために、ネットワークの上位層を有効に使う、ネットワーク仮想化技術、さらにはSDN(Software-Defined Networking)技術が広まりつつある。また、物理ネットワークの回線速度も、肥大化するトラフィックを遅延なく処理し、かつ高性能化するサーバのニーズに応えるため、10Gbpsから40Gbpsへ、さらには100Gbpsへと進化しつつある。

photo 日本のインターネットトラフィックの現状(出典:総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果(平成27年11月分)

 ここで重要なことは、こうしたあらゆるアプリケーションやサービス、ネットワーク管理技術は、「全て物理的なネットワーク回線の上に構築されている」ということである。物理ネットワークが適切に稼働して、すなわち、規格通りの性能を示してこそ、初めて有益な上位層の技術を適切に使えると言えるのだ。

 TFF フルーク・ネットワークス営業部でテクニカル・マーケティング・アドバイザーを務める天本英樹氏は、「適切な物理ネットワークを構築する義務を負っているのは、配線敷設工事事業者です。しかしながら同時に、“配線工事を発注するデータセンター事業者や企業のIT管理者”にも、適切にネットワークが構築されたことを確認する義務が生じるはずです」と述べる。

適切な「認証試験」を実施して、ネットワークの品質を確認する

 ところが、ネットワーク上位層にある先進技術に対し、多くのデータセンター事業者やユーザー企業において物理ネットワーク(物理層)への関心が乏しく、投資額の比率も低めだという。それにも関わらず、ネットワークトラブルが起こったら、一番に物理ネットワークが疑われる。

photo
photo OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルについて
photo TFF フルーク・ネットワークス営業部 テクニカル・マーケティング・アドバイザーの天本英樹氏

 実際、ネットワークトラブルの約5割が物理層で発生しているという調査結果がある。その疑いはある意味正しいのだが、ライフサイクル期間が最も長い割に、関心が薄く、結果として投資額も少ないという現状とのギャップが問題である。つまり、「物理層への意識が低い」から、トラブルの根源があることに気が付かないとも考えられるのではないだろうかと天本氏は提言する。

 「皆さん、物理ネットワークを甘く考えすぎていませんでしょうか。物理ネットワークは、床下や壁、天井の内部に敷設するので、他のレイヤーと比べると、組織やビジネスの変化に対する柔軟性や拡張性に乏しいという課題があります。しかし、だからこそ、将来の拡大や技術革新に向けた適切な設計・配線を行うことが、今後のネットワーク配線において、とても重要な要素と考えます。

 そのためには、配線規格を正しく理解し、有効に活用すること。そして、工事した配線が“正しく規格に適合しているかどうかを試験する”ことが極めて重要です」(天本氏)

 例えば、IEEE(米国電気電子学会)で策定が進められている通信規格に、「2.5GBASE-T」と「5GBASE-T」がある。この標準化は、2016年9月に完了する予定だ。これらは、実効速度で1Gbpsを超える無線LANアクセスポイント(IEEE 802.11ac)に対応できるよう、敷設済みのカテゴリー5eおよびカテゴリー6のLANケーブルを使った配線インフラを活用できるようにする技術として期待されている。

 ただし、注意すべきこともある。2.5G/5GBASE-Tにおいては、これまでのカテゴリー5eや6のネットワーク配線設備では規定されていなかった「エイリアンクロストーク測定」などを再試験しなければならない場合があるということである。エイリアンクロストークとは、複数本のケーブルを並行して敷設した場合に、隣接するケーブルから受けてしまうノイズのことだ。

 今後、10Gbps、40Gbps、100Gbpsへ──と、さらなる高速化を想定するLAN配線は、高速になる/クラスが上がるにつれて伝送保証帯域の値が高くなり、これまで以上にノイズの影響を受けやすくなる。高速になればなるほど、帯域が必要になればなるほど「LANケーブル配線の施工の影響を大きく受けてしまい、速度の低下を招く」可能性が高くなる。単に接続できることと、正しい性能が出せることは同じ意味ではないわけだ。

photo メタル配線システムの性能分類比較

 一般的なLAN配線工事は、適切に設計された施工マニュアルに従って敷設する。しかし、作業者のスキルやモラルによっては、自己流で行ってしまうケースもありうる。天本氏によれば、同一の材料で同じ指示の工事を行ったとしても、施工マニュアルにきちんと従っているかどうか、端的には工事の仕方・品質によって、実際の回線品質が大きく変わることも多いという。LAN配線設備は、それだけシビアな設備であることをあらためて思い出させる話だ。

 だから、物理ネットワークが規格/設計通りのパフォーマンスを発揮するかどうかは、施工後の「認証試験」を正しくパスしているかが非常に重要な意味を持つのである。

認証試験とレポートが「工事事業者の信用」を高める

 認証試験を実施し、それをレポートとしてまとめることによって、工事事業者は自社の業務の正当性を証明し、発注者/ユーザーは「施工の正しさを確認」することができる。また、将来的な配線システムのアップグレードやトラブルシューティングなどにおいても、試験レポートが役に立つ。

 認証試験で最も重要なことは、試験を適切に確実に実施しなければ意味がないということだ。試験は、「(1)配線システムのグレード(カテゴリーやクラス)に合わせた試験項目を選択すること」「(2)その試験に適したケーブルテスターを使用すること」の2点が必要である。そして工事事業者は、試験の結果として「試験成績書」「校正証明書」「トレーサビリティ・チャート」の3つの文書を発注者/ユーザーへ提供する。

photo (参考)工事事業者は、試験を正しく行ったことの証明として「試験成績書」「校正証明書」「トレーサビリティ・チャート」の3つの文書を発注者へ提出する

 試験成績書には、合否判定やケーブルの識別番号、校正日などが記載される。校正証明書は、測定器の確度が規定の範囲内にあること、つまり、テスターが適切であるかどうかを証明するものだ。国際規格であるISO 9001では、一定期間ごとに校正することを義務付けており、校正日が期限切れになっていないことに注意する。トレーサビリティ・チャートとは、測定器を校正するための校正器自体が校正されていることを証明するものだ。

 これら3種の書類がそろうことで、はじめて適切な試験が行われ、適切なネットワーク配線であることを証明できる。すなわち発注者/ユーザー側も、これらの書類の提出を工事事業者に求めること、そして、この書類を提供できる工事事業者を選定することが必要なのだ。

煩雑で高度な試験を強力にサポートする、最新鋭の測定器/テスター

 適切な認証試験を行い、適切なレポートを提供することは、敷設工事事業者にとって重要な業務の1つである。しかしながら、そのままでは大きな負担にもなる。

 前述したように、ネットワーク技術は高度化が進んだ結果、対応すべき技術やメディア、規格が煩雑となり、異なる対象へマルチに取り組むことが求められている。認証試験を行うには、さまざまな技術に精通し、適切な手法を選択できる技術力が必要となる。

 IT技術者の枯渇が問題視される現在においては、特にそうかもしれない。限られた要員で複数の案件を同時に、確実に処理し、ときにはトラブルシューティングを短期間で完了させながらユーザーの承認、信頼を得るには、試験作業のみを高速化するだけでは不足である。

 ここで、認証試験はどんなプロセスを経るかをおさらいしよう。試験の計画からセットアップ、テストの実施、トラブルシューティング、レポーティング、検収という全6ステップを踏む必要があり、それぞれに満たさなければならない要件がある。

      (1)計画:効率的な作業計画つくり

      (2)セットアップ:間違いのないテスターの設定

      (3)テスト:最短時間での試験の実施

      (4)トラブルシューティング:迅速・容易な障害判断

      (5)レポート:膨大な試験レポートの迅速な作成

      (6)システムの検収:理解しやすい要約レポートの提出


 「従来のネットワークテスターは、このうち“テスト”のみを支援するものでした。しかし、実際の現場では、テストそのものというよりは、計画、セットアップ、レポートに大きな時間がかかるのです。不慣れな作業者がセットアップをミスしてしまい、手戻り/やり直しとなって工数の大きなロスが発生したケースも多々あったことでしょう。

 そこで私たちは、一連のネットワーク認証試験を“プロジェクト”として捉え、業務プロセスの遂行を強力に支援するソリューションとして、新しい認証試験システム『Versiv』を開発しました」(天本氏)

 Versivでは、天本氏が述べているように、一連の認証試験プロセスをプロジェクトとして管理する「ProjX (プロジェックス)管理システム」が搭載されている。メタル配線テスターの「DSX-5000」では、本体に100のプロジェクトを登録することができる。

photo メタル配線テスターの「DSX-5000」

 試験作業者は、熟練の技術者やマネージャーがあらかじめ登録したプロジェクトを呼び出して試験を実施すればよい。つまり、高いレベルで、作業者の作業スキルと試験行程の均一化を図れるのが大きなポイントだ。作業仕様書を目視で確認しながら試験を手動でセットアップしていた従来の方式と比べて、早く、ミスも大幅に軽減されるはずだ。さらに試験(テスト)作業自体も、従来製品では約22秒(カテゴリー6Aの試験の場合)かかっていたものが、DSX-5000では10秒と大幅に短くなっている。膨大な試験作業が求められる現場の現状において、認証試験のプロジェクトを適切に、短時間で終えることのできるVersivは、強力なサポートツールとして活躍するはずだ。

 またVersivは、「LinkWare Live」と呼ばれるクラウドサービスに対応している。LinkWare Liveによって、プロジェクトをリモート操作でセットアップでき、試験の進捗(しんちょく)も遠隔地で管理可能になる。特にデータセンター事業者やネットワークキャリアは、全国各地、世界各国に拠点を持つことが多いが、一貫した認証試験を実施することが困難だったと思われる。LinkWareとDSX-5000を通じてプロジェクトを管理することにより、いずれの拠点においても同一のネットワーク品質を提供できるようになる。

 「電気や水道などのインフラ工事には国家資格が必要とされます。なぜならば、人命にも関わる社会インフラだからです。一方で、通信配線の工事に国家資格は求められていません。しかし今や、通信ネットワークも私たちの生活に欠かせないインフラです。企業やビジネスの命に関わる重大なインフラと言えます。

 配線事業者にとって、規格に従った高品質な配線を行ったことを保証することが、今後、ユーザーの信頼を勝ち取るための強力な武器となります。この課題は、フルーク・ネットワークスのケーブルテスターを使うことで解決できます。

 そしてユーザーに、今後も真の良いサービスを提供していきたいならば、業者任せにせず、適切な工事と試験を行っていること、つまり、認証試験をパスしていることを確実に承認することが肝要です。ITビジネスの根幹となる物理ネットワーク、そしてネットワーク敷設を事業者任せにしてはなりません。その方法は簡単です。まず、“御社は、フルーク・ネットワークスのケーブルテスターを使っていますか? きちんと認証試験をパスしていることを保証できますか?”と聞いていただくことです」(天本氏)

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提供:株式会社TFF
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年7月24日

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