「部長には3時に相談するとよいでしょう」──AIで社員の「幸福感」を高めて生産性を上げる技術、日立が開発能率を高めるアドバイスを自動配信

日立製作所は、従業員に装着したウェアラブルセンサーから取得した行動データを人工知能によって分析し、個人の「幸福感」を上げるアドバイスを自動配信する技術を開発したと発表した。

» 2016年06月28日 11時00分 公開
[@IT]

 日立製作所は2016年6月27日、名札型ウェアラブルセンサーで取得した人間の行動データを人工知能(AI)によって分析し、個々人に応じたアドバイスを自動配信する技術を開発したと発表した。

 今回発表された技術は、同社が2015年に開発した、組織の活性度や従業員の幸福感を数値化して分析する技術を生かしたもの。分析には、同社が開発した人工知能による分析システム「Hitachi AI Technology/H(以下、H)」を使う。Hは、行動データの分析結果を基に、従業員の幸福感を向上させるアドバイスを自動で作成・配信する。

ALTALT 名札型のウェアラブルセンサー(写真:左)、センサーを着用した様子(写真:右)

 アドバイスの内容は、「Aさんとの5分以下の短い会話を増やしましょう」や、「上司のBさんに会うには午前中がおすすめです」といった、職場の人間関係を円滑にするコミュニケーション方法や時間の使い方など多岐にわたる。

 Hからのアドバイスは、スマートフォンやタブレットで確認できる。また、データは利用者本人しか閲覧できないように、プライバシーに配慮した仕組みも搭載される。

スマートフォンに送信されるアドバイスの表示例

 同技術は、既に三菱東京UFJ銀行や日本航空などの13社で実証実験およびシステム導入が進められている。その結果、人や組織の幸福度が高いほど生産性が向上することが実証されたという。

 今後は、日立グループの営業部門約600人にも実証実験の対象を広げ、導入の効果や運用上の課題などを検証していく予定としている。

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