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» 2016年07月13日 10時00分 UPDATE

FinTechスタートアップの例:全ての企業が○○Techとなる今後のために知っておきたい、プロジェクト管理・開発・運用現場の課題

世界中で全ての企業がソフトウェア企業になるといわれている昨今。日本でも「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を足した造語である「FinTech」が流行し、さまざまな企業が新たな金融サービスを開発し新規参入を果たしている。また、金融以外の業種、例えば、教育、医療、物流、製造などでも国内で既に、このような動きが出てきている。このような中、顧客接点を増やすために差別化が重要となるスタートアップならではのプロジェクト管理の課題に加えて、それぞれの業種に特化した課題があるのはご存じだろうか。2015年4月に金融分野で新規参入をしたウェルスナビに聞いた。

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 マーク・アンドリーセン氏がウォールストリートジャーナル紙に寄せた手記”Why Software Is Eating The World“(ソフトウェアが世界を飲み込む理由)が話題になっているように、現在は世界中で全ての企業がソフトウェア企業になるといわれている。例えば、最近は日本でも「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を足した造語である「FinTech」が流行し、さまざまな企業が新たな金融サービスを開発し新規参入を果たしている。また、金融以外の業種、例えば、教育、医療、物流、製造などでも国内で既に、このような動きが出てきているのだ。

 このような中、顧客接点を増やすために差別化が重要となるスタートアップならではのプロジェクト管理の課題に加えて、それぞれの業種に特化した課題があるのはご存じだろうか。2015年4月に金融分野で新規参入をしたウェルスナビに聞いた。

世界標準の資産運用サービスを、誰もが安心して気軽に利用できるように

 ウェルスナビでは、FinTechのパイオニアとして、世界標準の資産運用サービスを、誰もが安心して気軽に利用できる、次世代金融インフラの構築を目指してビジネスを展開している。2016年1月18日からは、その中核事業となる世界水準の資産運用を、自動で最適にするサービス「WealthNavi」を招待制サービスとして提供開始。「WealthNavi」によって、世界の富裕層で標準的な投資手法である国際分散投資を、一般の投資家でも簡単に利用することが可能になるという。

WealthNavi

 WealthNaviのサービス立ち上げに当たり、そのシステム基盤として着目したのがクラウドだ。「スタートアップ企業にとっては、システム開発における初期投資コストが大きな課題になる。自社内にサーバなどのハードウェアを設置し、オンプレミス環境でシステム開発を行う場合、初期投資に多大なコストが必要になる。さらに、サービスをリリースした後も、ユーザーの要望に応じた仕様変更や修正、システム拡張など、柔軟な対応が難しくなる。これに対してクラウドであれば、自社でハードウェアを購入する必要がなく、初期投資を抑えることができる。また、トライアンドエラーも可能になるので、フットワーク良く新たなサービスの開発を進めることができる」と話すのは、ウェルスナビ エンジニアの保科智秀氏。

 一方で、従来の金融サービスでは、機密性の高い情報を取り扱うことから、システム基盤には堅牢性や耐障害性などが重視され、オンプレミスのレガシーな技術が使われてきたのが実情だ。この点、ウェルスナビでは、過去の資産にとらわれないスタートアップ企業の強みを生かして、積極的に最新のクラウドテクノロジーを活用したシステム基盤の構築に取り組んでいる。「例えば、AWS(Amazon Web Service)やGoogleドライブ、Slackなどさまざまなクラウドサービスを実際に活用し、メリット・デメリットや製品同士の相性などを判断して、試行錯誤しながら金融業向けのシステム基盤に最適化させることにチャレンジしている」(保科氏)という。

金融×スタートアップのトレードオフな課題を解決したJIRA Software

 こうした取り組みの中で、WealthNaviのサービス開発を支えるプロジェクト管理ツールとして、同社が採用したのがアトラシアンの「JIRA Software」である。JIRA Softwareは、ソフトウェア開発の計画から追跡、リリース、レポートまで、プロジェクト管理の一連の工程をカバーし、アジャイル型開発を支援する充実した管理機能を備えているのが特徴だ。

 「当社は、スタートアップ企業として、サービスリリース後も顧客のニーズに応え、迅速にサービスに反映させていくことを目指している。そのため、プロジェクト管理ツールについては、単にWBS(Work Breakdown Structure)を作成できるだけではなく、開発プロセスの進捗(しんちょく)状況を詳細に把握でき、短期間のアジャイル型開発サイクルをスムーズに回すことができる機能性が必要不可欠になる。また、これに加えて、金融業界におけるプロジェクト管理の課題として、当局が策定した基準を満たすことも求められる」と、ウェルスナビ エンジニアの杉野太紀氏は、FinTechサービス特有のプロジェクト管理ツールの条件について指摘する。

ウェルスナビ エンジニア 杉野太紀氏

 アジャイル型開発に対応し、短期間で迅速に開発サイクルを回すプロジェクト管理と、金融業界の厳しい基準を満たした厳格なプロジェクト管理は、トレードオフともいえる条件だ。開発スピードを速めようとすれば承認のプロセスを減らす必要があり、承認プロセスを増やしてガバナンスを強化すれば開発スピードは低下してしまう。「しかし、この相反する2つの条件を、バランス良く達成していくことがわれわれのミッションであり、そのためには、WBSをベースにした従来型のプロジェクト管理ツールではもはや限界だと感じた。そして、これらの課題を解決するベストプラクティスがJIRA Softwareであると判断した」と、杉野氏はJIRA Softwareを採用した背景を述べている。

 WealthNaviの開発プロジェクトにJIRA Softwareを導入したのは、2015年11月ごろから。当時は、ウェルスナビの社員数は5人程度だったが、現在では開発チームだけではなく運用チームまで含めて、社員数約30人の半数以上がJIRA Softwareを活用し、WealthNaviの開発プロジェクトに携わっているという。

 JIRA Softwareによる開発チームのサイクルについて、保科氏は、「まず、開発プロジェクト全体にマイルストーンを設け、そのマイルストーンに向けて、何を開発するのかを話し合い、開発要件を挙げる。ここで挙がった要件をチケット化して、JIRA Softwareに登録し、優先度を付けて開発を進めていく。このチケットには、ミーティングで話し合った内容をドキュメント化して添付したり、関連ファイルの保存先のリンクなどを張り付けたりしておく。これによって、JIRA Softwareの管理画面から、各チケットの進捗状況だけではなく、開発経緯や重要度など、あらゆる情報を開発チーム全体で共有できるようになった」としている。

 一方、運用チームの視点から杉野氏は、開発チームと運用チームが一体になって、厳格な開発サイクルを迅速に回せていることについて次のように付け加える。

 「JIRA Softwareでは、開発の途中で案件名が変わったり、要件に変更があったりしても、チケット番号でトレースできるのがポイントだ。完成品がリリースされ、本番環境での実装・運用段階に入ったときにも、開発チームから運用チームに、チケット番号さえ伝わっていれば、完成したアプリケーションの開発情報をシームレスに確認できる。もし、運用段階で問題が発生した場合には、その状況をチケットに記載して、開発チームに戻せば、迅速かつ的確に修正対応を行える。さらに、承認のプロセスもJIRA Softwareで行えるため、承認した証印をチケットに記録することで、金融業界の基準を満たすガバナンスを確保しながら、スピードを落とさず短期間での開発サイクルを回すことが可能になった」(杉野氏)

Git管理ツールBitbucketとの連携やグルーピング機能、機能拡張でさらなるサービス拡大を目指す

 また、同社では、「JIRA Software」と合わせて、Gitリポジトリ管理ツール「Bitbucket」も導入しており、両製品を連携して「WealthNavi」のプロジェクト管理に活用している。

 Bitbucketは、Gitリポジトリの作成/削除、ユーザー管理、アクセス権設定などを一元的に行うことができるツールだ。JIRA Softwareのチケット情報と連携することで、チケットに格納された完成品のソースコードの管理や、レビュー依頼(プルリクエスト)やレビュー内容の管理を容易に行える。

 杉野氏は、「JIRA Softwareの導入に伴い、同製品とシームレスに情報連携できるGitリポジトリ管理ツールのBitbucketを導入した。これは非常に便利で、Bitbucketのコミットメッセージに、JIRA Softwareの課題キーを追加することで、修正された課題や、「どのソースコード変更によって課題が修正されたのか」や、さらには承認の経過まで素早くトレースできるようになった。こうした作業は、従来は複数のプロダクトを跨いで管理したり、書類ベースで管理したりする必要があったため、大幅な業務軽減とコスト削減につながっている。また、Bitbucketと相性が良いGUIのGit管理ツール「SourceTree」がとても使いやすく、充実したソースコード管理機能を備えているのも大きな魅力だ」と、Bitbucketの導入メリットについて語っている。

ウェルスナビ エンジニア 保科智秀氏

 また、JIRA Softwareのグルーピング機能も活用。例えば業務要件Aを開発する際に、サブ要件として機能a、機能b、機能cが必要になる場合、これらをグルーピングして管理できる。従来のプロジェクト管理ツールでは、要件1つ1つにWBSを作る必要があり、管理がより複雑化してしまっていた。グルーピング機能を使うことで、関連性のある要件をまとめて、各要件の内容から進捗状況まで1つのサイクルの中で効率的にアジャイル開発を管理することが可能となるのである。

 なお、従来のプロジェクト管理ツールからのデータ移行には、JIRA Softwareで標準提供されているCSVによる課題インポート機能を利用し、問題なくスムーズに完了できたという。「従来のプロジェクト管理ツールで利用していたWBSの課題情報をコピー&ペーストして規定のCSVファイルを作り、JIRA Softwareにインポートするだけでチケットを作ることができる。単純なデータ移行にかかった時間は5分程度だった」(保科氏)。

 「WealthNaviのサービスは、まだスタートしたばかりで、サービスの一般公開後には、当社の組織も、開発体制も大規模化する可能性がある。そうした場合でも、JIRA Softwareは、拡張性に優れているので、プラグインを利用することで要件に合わせて機能拡張することができる。今後、WealthNaviのサービス拡大に合わせて、JIRA Softwareの活用領域もさらに広げていきたい」と、保科氏は、JIRA Softwareを基盤にしたWealthNaviのビジネス拡大に意欲を見せた。

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提供:アトラシアン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年8月12日

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