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» 2016年08月26日 10時00分 UPDATE

採用の決め手は“ネットワーク仮想化に関する知識とノウハウ”:クラウドデータセンター先駆者も驚いた! 次世代クラウドサービス基盤構築プロジェクトに見る「デルの真価」

今年の5月にデル創業者であるマイケル・デルが、EMCおよびそのグループ企業と共にDell Technologiesという企業グループを今後設立することを発表し、ハードウェアからソリューション、サービスまでをワンストップで提供できるデル。サーバやネットワーク機器といった物理レイヤーの強みに、仮想環境構築やクラウドサービス管理といった仮想レイヤーの強みが“統合”されることで何が生み出されるのか。2015年に「Software-Defined Data Center(SDDC)」アーキテクチャを全面採用した次世代クラウド基盤「Next Generation EASY Cloud」を開始したアイネットのプロジェクトから、“デルの真価”を探る。

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次世代クラウド基盤構築にデル製品を全面採用

 独立系ITサービスプロバイダーとして、クラウドサービスとデータセンターサービスを全国展開するアイネット。1971年にガソリンスタンドの勘定系処理やクレジット処理を代行する会社として設立され、現在、全国のガソリンスタンドの約33%が同社のデータセンターを利用するなど業界トップシェアを誇る。

 仮想化やクラウドサービスへの取り組みも早く、2009年に竣工した次世代型データセンターにクラウドサービスのインフラ基盤を構築し、2010年からはお客さまの仮想化環境の運用支援・代行サービス「仮想化運用代行センター(Virtualization Operation Center:VOC)」や企業向けクラウドサービス「Dream Cloud」の提供を開始している。Dream Cloudのユーザーは2015年8月時点で1000社を超えるなど、ユーザーからも高い支持を得ている。

 このDream Cloudの中核サービスである「EASY Cloud」(IaaS/PaaS)には、当初からヴイエムウェアの最新技術を採用してきたという。そんな同社が2015年から取り組んだのが、EASY Cloudのサービス基盤を刷新した次世代クラウドサービス基盤の構築だ。ヴイエムウェアが提唱する「Software-Defined Data Center(SDDC)」アーキテクチャを国内で初めてフルスタックで採用。2015年11月から、サーバ、ネットワーク、ストレージを全て仮想化した次世代クラウド基盤「Next Generation EASY Cloud(NGEC)」の提供を開始した。さらに、2016年7月からは、NGECを基盤としてクラウドサービスのラインアップを刷新。新たに「Dream Cloud 2」としてマルチクラウド、マルチデータセンターに対応し、基盤構築からアプリケーション運用までのトータルサービスの提供を開始している。

ALT ▲国内最高クラスの安全性とファシリティを備えたアイネットのクラウドデータセンター

 アイネットのクラウドサービス事業部プロダクトマーケティング部で部長を務める高橋信久氏は、NGECを中核としたDream Cloud 2について「SDDCのメリットを最大限に生かすことができるクラウド基盤を構築しました。コスト、運用効率、障害対応、生産性向上といった面で計り知れないメリットが生まれています。そのメリットは、例えば、提供価格を2分の1にするなど、エンドユーザーに直接還元できています」と説明する。

 アイネットの次世代クラウド基盤構築を、ハードウェア提供からサービス実装に至るまで全面的にサポートしたのがデルだ。デルは、エンタープライズ企業向けに多種多様なサーバ機器、ネットワーク機器、ストレージ機器だけでなく、サポートサービスまでをトータルで提供できることが大きな強みだ。

 加えて、「Dell Blueprint(検証済みソリューション設計書)」と呼ばれる、環境やワークロードに最適なレファレンスアーキテクチャとエンジニアドソリューション(アプライアンス)を提供することで、システムの導入から運用までのコスト効率を最大限に高めることを支援することができる。さらに、仮想化レイヤーと物理レイヤーで、スキルとノウハウを持つエンジニアとコンサルトが顧客をバックアップする体制を整えている。

 高橋氏は「今回の次世代クラウド基盤構築で、これまで抱いていたデルのイメージが180度変わりました。デルがいなければ、これだけのクラウド基盤をこれほど短期間に構築することはできなかったと実感しています。もちろん、今後の取り組みにも欠かせない存在となっています」と明かす。アイネットとデルの協業はどのように進められたのだろうか。

「デルのイメージが180度変わった」――その理由とは?

ALT アイネット クラウドサービス事業部 プロダクトマーケティング部 部長 高橋信久氏

 アイネットが次世代クラウド基盤NGECの構想を検討し始めたのは2014年。ヴイエムウェアのSDDCアーキテクチャに着目し、ネットワーク仮想化の「VMware NSX」と、ストレージ仮想化の「VMware Virtual SAN」を活用したデータセンターの仕様策定やアーキテクチャ設計を、ヴイエムウェアと協力しながら約1年かけて進めていた。サービスインまで残り半年を切った頃には、システム設計もほぼ完了し、実際に採用する具体的な機器や実装パートナーを選定する段階になっていた。デルとの“出会い”はこのタイミングだったという。高橋氏は次のように振り返る。

 「実は、他社にほぼ決まっていたのですが、最終判断の前に複数のベンダーに見積もりを依頼することになりました。その1社として、デルに依頼したのです。もともとデルが『Virtual SAN Ready Node』に対応した検証済み構成などをお持ちであることは知っていました。ただ、実際にネットワーク仮想化やストレージ仮想化で、ここまでの人材をそろえられているとは想像していませんでした。そのことにすごく驚き、それから数週間のうちに、デルに全てをお任せする方向に転換したのです」(高橋氏)

 高橋氏がいちばん驚いたのは、デルのネットワーク仮想化に関する知識とノウハウだったという。クラウドサービス事業者という特性上、物理ネットワーク機器に関するノウハウや、ヴイエムウェアとの協業からVMware NSXに関するノウハウも社内にはあった。対して、デルはシステム設計やSDDCアーキテクチャの特性、今後の拡張性を考慮した「より具体的なアドバイスを提案」してきたという。

 また、デルとディスカッションを重ねる中で、対応の迅速さにも好感が持てたという。夕方のミーティングで「明日の朝までにネットワークのスペシャリストは手配できますか」と、少々強引な依頼でも、翌日にはしっかりと優秀な人材を用意してくれたという。

 「大変失礼かもしれませんが、それまではデルには『ハード屋さん』といったイメージを抱いていました。そのイメージが、新しい出会いによって一気に覆されました。ソフトウェアデファインドを検討する中で、物理、仮想の垣根なく短い間にさまざまな提案をいただき、デル以外は考えられない状況になっていきましたね」(高橋氏)

デルを全面採用するに至った4つのポイントとは?

 最終的にデルを採用した理由として、高橋氏は4つのポイントを挙げる。

 最も重視したのは「問題解決力、サポート力」だ。クラウドサービス事業者として、可用性の高いサービスを提供することは必須条件。「サーバやネットワーク機器は機械であるため、壊れないということはありません。また、ITですから、トラブルが発生しないということも言いきれません。そうした故障やトラブル時に、どう問題を解決できるかが非常に重要になります。しっかりとしたサポート体制があり、さらにヴイエムウェアと私たちを含め、3社が密接に協働して問題解決に当たれることは大きな魅力でした」と高橋氏。

 2つ目のポイントは「スキルとノウハウ」だ。ネットワーク仮想化を使いこなし、さまざまなトラブルに対応していくためには、ネットワーク仮想化に関するスキルやノウハウだけでは不十分。仮想化とともに、ネットワーク機器やネットワーク設定といった物理レイヤーでのスキルとノウハウも必要になる。

 だが、仮想化エンジニアはネットワーク機器のノウハウに乏しく、逆にネットワークエンジニアは仮想化のノウハウに乏しいことが多い。「その点、デルは物理レイヤーと仮想レイヤーの両方で高度なスキルとノウハウを有していました。トラブル対応だけでなく、ネットワーク仮想化を活用した新しいサービスを開発する上でも重要なポイントでした」。

 3つ目のポイントは「コストと調達力」だ。ハードウェアは低価格とコモディティ化が進んだことで、中には「安かろう、悪かろう」といった製品もあるという。しかし、クラウドサービスに求められる水準を満たし、かつ低価格な製品を安定的に供給できるベンダーは限られる。特に、仮想化されたデータセンターでは、同一のハードウェアを入れ替えるようにして管理性と拡張性を高めていく。デルはその要求に応えられる1社だった。

 4つ目のポイントは「オープンさ」だ。クラウドサービス事業者として特定ベンダーにロックインされてしまうと、ユーザーに届けるサービスの内容や幅もベンダーの影響を受けやすくなる。また、オープンなアーキテクチャで構成された機器やソリューションは、オープンソースやオープンなAPIを通じた連携が容易になり、サービス展開の拡張性も高められる。その点、デルは、ネットワーク分野ではオープンな仕様でネットワークを構成する「オープンネットワーキング」のビジョナリーとして、ネットワークの新しい世界を切り開いている存在だ。

 「オープンな世界で、アーリーアダブターであろうとする姿勢は、デルも私たちも同じでした。両社のビジョンが合致したことが、今回のパートナーシップの背景にあったとも言えるでしょう」(高橋氏)

SDDCでインフラ管理コストはおおむね75%削減を実現

 システムの具体的な実装が始まったのは、サービスインの2カ月ほど前。短期間でのクラウドサービス構築だったが、デルのチームが持つノウハウを生かすことで、作業はスムーズに進んだという。

 「既存の設計に、Dell Blueprintの考え方や手法を取り入れながら、新たなハイパーコンバージドインフラストラクチャとして構築しました。システム構成は、SDDCの効果を最大限に高め、ユーザーのメリットを最大化すべく、極力シンプルに構成することを心掛けました」(高橋氏) システムは、コアスイッチ、NAT機器、L2スイッチ、L3スイッチといったネットワーク機器と、仮想化されたサーバ機器だけで構成されている。ネットワークはVMware NSXで仮想化され、ストレージは全てVMware Virtual SANを使ったサーバ内蔵ディスクで構築されている。機種は「Dell Networking Sシリーズ」のスイッチ、インテルのXeonプロセッサ搭載の「Dell PowerEdge R730」サーバなど、NAT機器(F5製)以外、全てデルの製品で統一され、NAT機器を含めた全てをデルがワンストップで提供、サポートする体制となった。

 ストレージを拡張する場合は、Dell PowerEdge R730をラックに追加していくだけで、ストレージ容量とともにCPU、メモリもリニアに拡張していく。ストレージの容量計画や再構成などは不要で、ヴイエムウェアの自動化製品などを組み合わせながら、管理性と柔軟性、可用性の高いシステムを構築している。

 デルのオープンなアーキテクチャに基づいたネットワーク機器でネットワーク仮想化を実現したことで、データセンター間の連携も容易になったという。Dream Cloud 2では、データセンター事業者やエンタープライズ企業のデータセンター向けにSDDC環境を提供する「オンプレミスクラウド」サービスを提供している。このサービスでは、アイネットが企業のオンプレミスに構築したクラウド環境をリモートから管理しているが、オンプレミスを構成する機器は、アイネットのNGECと同一(Dell Networking SシリーズやDell PowerEdge R730など)であり、NGECを運用管理する体制と全く同じ体制で企業側のオンプレミスクラウドを管理できる。

 「これまでのEASY Cloudと比較して、ネットワーク機器やストレージ装置の導入コストも下がりましたし、機器増設時の管理コストや日々のシステム運用コストが減ったことなどで、インフラ管理コストはおおむね75%を削減できました。オープンなアーキテクチャであるため、機器に付随する特定の知識も必要ありません。これまでトラブルに遭遇したことはありせんが、トラブルが発生したとしても、障害箇所の特定は容易です。今後、この次世代クラウド基盤を使ってサービスを展開していく上では、計り知れないコスト削減効果を生むことになるでしょう」(高橋氏)

「データ」を使ったアプリケーションの展開を加速

 今後のNGECやDream Cloud 2の展開として注目されるのは、「オンプレミスクラウド」の利用拡大が挙げられる。オンプレミスクラウドは、クラウドを自社で持ちたいが、プライベートクラウドのような環境を運用することに負担を感じる企業にとって、これまでにない選択肢となる。アイネットが持つITサービス代行や運用の強みを生かしたサービスでもあり、現在、問い合わせが殺到している状況だという。

 また、オンプレミスクラウドは、サービスプロバイダーやデータセンター事業者向けとしても大きな期待が寄せられている。特に地方では、クラウドサービスを“顔の見える地元企業”を経由して利用したいというニーズが強い。アイネットのクラウド基盤をOEM提供することで、豊富な運用経験に支えられた可用性の高いサービスが実現できる。こちらも地方でのOEMサービス提供が始まり、好評を博しているという。

 高橋氏はさらに、NGECを活用したアプリケーションの展開を加速していくと明かす。具体的には、NGEC上でOSS(Open Source Software)アプリケーションを提供するプロフェッシナルサービスの「コモンアプリケーション」や、商用アプリケーションをSaaS(Software as a Service)として提供する「パートナークラウドアプリケーション」を使って、企業がIoT(Internet of Things)やビッグデータなどを活用した取り組みの推進を支援する。

ALT ▲NGECを中核としたDream Cloud 2のポートフォリオ

 「例えば、DockerやMesosといったOSSプラットフォームの運用サービスを提供したり、商用グループウェアをNGECからSaaSとして提供したりといった取り組みを進めています。ユニークなところでは、IoT事業に関連してドローンを管理するためのOSSプロジェクト『Dronecode』などの提供にも取り組んでいます。IoTやビッグデータで“カギ”になるのはデータです。NGECをデータ蓄積のプラットフォームとして活用していただき、その上で動くアプリケーションの開発を支援するようなビジネスモデルを展開していこうとしています」(高橋氏)

 そこで重要になってくるのが、デルとの協業だという。既に、オンプレミスクラウドの提供で、デルとともに機器提供を進めているが、IoTやビッグデータなどの取り組みでも、今後タッグを組んでいく予定だ。

 デルは、Dell BlueprintでIoTやビッグデータに関するレファレンスアーキテクチャやエンジニアドソリューションを発表しており、NGEC構築のときと同様の支援が期待できる。また、EMCやヴイエムウェア、ピボタルなどを含めたグループとしての総合力にも大きな期待を寄せる。

 「ネットワークやストレージでオープンな世界が広がることで、アイデア次第でさまざまな新しい取り組みが実践できるようになります。基盤からアプリケーションまでアーリーアダプターとして、デルがグループとして提供してくれる知識やノウハウを吸収しながら、ともに歩みを進めていければと考えています」(高橋氏)

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提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年9月28日

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