NTT Com、AIを活用した危険運転の自動検出に成功ディープラーニング活用で「ヒヤリ・ハットシーン」を高精度に検出

NTTコミュニケーションズが、人工知能(AI)を活用した危険運転の自動検出に成功したと発表。移動状況推定技術1を用いたAIにより、約85%の精度で危険運転を自動検知できたという。

» 2016年09月27日 15時00分 公開
[@IT]

 NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)と日本カーソリューションズ(以下、NCS)は2016年9月26日、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用した危険運転の高精度な自動検出に成功したと発表した。交通事故の原因となり得る危険運転を、ディープラーニング技術を用いることで約85%の精度で検出できたという。

photo ヒヤリ・ハット判別に使用する時系列マルチモーダルデータ例(出典:NTT Comのプレスリリース)

 データ分析には、NTTサービスエボリューション研究所(NTT研究所)が開発した、対象物の動きと周囲の状況を理解するAI技術を活用。対象物が、どんな環境/状況ならば、どのように移動するかという「その後の動き」を推定し、危険の兆候を検出する。サンプルデータは、NCSがカーリース契約の企業ユーザーに提供している車載IoTシステム「NCSドライブドクター」で得られた、「交通違反」や「ヒヤリ・ハット」などの危険運転シーン約9000サンプルを用意した。

 共同実験の流れは以下の通り。

  1. NCSドライブドクターより、映像データ、各種センサーデータ(3軸加速度センサー情報、速度情報など)といった時系列なマルチモーダルデータを抽出
  2. 抽出したデータから時系列なマルチモーダルデータをディープラーニングに基づき分析する移動状況推定技術を用いて、ヒヤリ・ハット判定モデルを生成
  3. 生成モデルを用いて、ヒヤリ・ハットシーンが含まれるドライブレコーダーデータを自動検出

 今後両社は、今回の「出会い頭の事故」の事前検出だけでなく、路面や交通状況など、AIによる自動認識対象を拡大していくことで、さらなる危険運転の検知/解析の高度化を目指すという。

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