網膜に直接投射する「網膜走査型レーザアイウェア技術」、AR/スマートグラスなどへの適用に期待富士通とQDレーザが開発

富士通とQDレーザの開発した「網膜走査型レーザアイウェア技術」がCEATEC JAPAN 2016での経済産業大臣賞を受賞。目の網膜に直接映像を投射する技術で、AR/スマートグラスや医療機器などへの適用に期待されている。

» 2016年10月05日 12時00分 公開
[@IT]
photo 網膜走査型レーザアイウェア技術を用いた試作機

 富士通とQDレーザの開発する「網膜走査型レーザアイウェア技術」が、CEATEC JAPAN 2016で経済産業大臣賞を受賞した。

 網膜走査型レーザアイウェア技術は、目の網膜に直接映像を投射する技術。赤、緑、青の3原色のレーザー光を、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーなどによって反射させ、瞳孔を通して網膜に投射する。

 同技術は特に、VR(Virtual Reality:仮想現実)/AR(Augmented Reality:拡張現実)/MR(Mixed Reality:複合現実)分野を中心とするヘッドマウントディスプレイやスマートグラスなどへの適用が想定されている。利用者が目のピントを合わせなくても見えるように光学系を独自に工夫し、視力や目のピント調節の状態を影響を受けにくくしている。レーザーを照射するプロジェクターは、ヘッドマウントディスプレイのフレームに内蔵できるほど小型化されているという。

 ARやスマートグラス向けの透過型ヘッドマウントディスプレイ用途の他に、前眼部の異常に起因する、全盲ではない視覚障害者への視機能支援医療機器などとしての開発も進められている。

photo レーザー網膜照射の原理(出典:QDレーザの資料)

 CEATEC JAPAN 2016は2016年10月4日から7日まで、千葉県・幕張メッセで開催。同賞は、生活と社会の課題解決に貢献するIT/エレクトロニクス分野の製品やシステム、サービス、またはそれを支える要素技術や部品/デバイスを対象に、CEATEC JAPAN 2016に出展した企業や団体が応募した648の出展品の中から審査で選ばれる。

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