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» 2016年11月16日 05時00分 公開

仕事が「つまんない」ままでいいの?(23):「物事の捉え方」が肯定的に変わる、2つのシンプルな習慣 (3/3)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]
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「触れる情報を意識的に選ぶ」習慣

 2つ目は、「『触れる情報を意識的に選ぶ』習慣」です。

 以前、私はメンターから、「私たちの体が今まで食べたものと飲んだものからできているように、私たちの思考や物事の捉え方は、これまで触れてきた情報でできている。考え方や感じ方を変えたければ、触れる情報を選ぶといい」と言われたことがあります。

 物事を前向きに捉えられるようになりたいと思っていた私は、この言葉に「なるほど!」と思いました。

 また、この話は、プログラマーだった当時の私にとって、物事を捉える仕組みが、コンピュータでデータを検索する仕組みと同じように感じられました。

 人は、さまざまな情報を脳というデータベースに記憶しています。そして新しい出来事が起こると、データベースに格納されているデータを検索して、「この場合の捉え方は、これだな」と意味付けします。

 つまり、データベースに格納されているデータにネガティブなものが多ければネガティブな意味付けをするし、ポジティブなものが多ければポジティブな意味付けをするわけです。

 それ以来、私は、触れる情報を意識的に選ぶようにしました。テレビのニュースやワイドショーで流れている情報は、事件や事故など、ネガティブなものが中心です。それらの情報は必要最低限にとどめるように意識しました。逆に、お笑い番組や思考が刺激される番組、優れた経営者の本や自己啓発書、哲学書などは、とにかくたくさん触れました。

 触れる情報の判断基準は、「嫌な気分になるか、良い気分になるか」です。

 このように触れる情報を意識的に選んだら、物事の捉え方が自然と前向きに変わっていきました。

物事の捉え方は誰でも変えられる

 過去の自身を振り返ると、私は特別前向きではなかったと思います。けれども、人生の中でも最悪の部類に入る出来事に遭遇したとき、私は前向きに捉えようとしました。

 ネガティブな状況に陥りマイナス感情を抱いている真っ際中に、急に捉え方をポジティブに変えるのは難しいものです。けれども、周りの人に掛ける言葉を気に掛けたり、触れる情報を選んだりすることなら、ちょっと意識すれば平常時でも比較的簡単に実行できます。前向きな言葉を掛けると同僚や部下は喜んでくれるし、気分が良くなる情報に触れることに無理はありません。

 そして2つの習慣が身に付いたころ、物事の捉え方が自然に変わり、ネガティブな状況に陥ってもポジティブな面を見つけようとする自分に気付くでしょう。

 ちなみに、冒頭の子どもが生を受けられなかった話ですが、当時は、肯定的な意味を考えても、明確な意味を見いだすことはできませんでした。それでも、物事の捉え方があまりネガティブな方に向かわずに済んだことには、ずいぶん救われました。

 今現在は、「『物事の捉え方が何よりも大切である』ということを、子どもが教えてくれたのかな」と思っています。

 「物事の捉え方の大切さ」を伝える講演などで、実体験としてこのエピソードを話すことがあります。話をするたびに、大切なことを教えてくれた子どもに感謝し、想いをはせています。

 「できれば、ネガティブな体験はしたくない」――これは、誰もが願うところでしょう。けれども、未来に起きる出来事はコントロールできないことがたくさんあるし、起こった出来事をなかったことにもできません。けれども、出来事に対する捉え方や感じ方なら、変えられる可能性があります。

 もし物事の捉え方を変えたいと思うなら、「ネガティブな出来事に肯定的な意味を考え、伝える」と「触れる情報を意識的に選ぶ」の2つの習慣、あなたも実践してみてください。

今回のワーク

 大切なのは、「なるほどね」で終わらせないことです。静かな場所に行って、コーヒーでも飲みながら、紙とペンを取り出して考えてみてください。

  • 普段、物事にどんな捉え方をすることが多いか考え、書き出してみましょう。ネガティブなことが多いでしょうか。ポジティブなことが多いでしょうか
  • 普段、触れる情報にどのようなものが多いか考え、書き出してみましょう。ネガティブなことが多いでしょうか。ポジティブなことが多いでしょうか
  • 気分が良くなる情報を意識的に選んで、触れてみましょう

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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