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» 2016年11月30日 12時00分 UPDATE

コンピューティングの在り方を大きく変える概念:HPE、「The Machine」プロトタイプのデモに成功

米ヒューレット・パッカード・エンタープライズが、2020年のリリースを予定する「The Machine」の概念実証プロトタイプを開発し、デモに成功した。

[@IT]

 米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(以下、HPE)は2016年11月28日(米国時間)、2020年のリリースを予定する「The Machine」の概念実証プロトタイプを開発し、デモに成功したと発表した。

 The Machineは、過去60年にわたって展開されてきたプロセッサ中心のコンピューティングから、「メモリ主導型」のコンピューティングに一新する概念を取り入れた次世代のコンピュータアーキテクチャ。「従来のアーキテクチャでは、近い将来、ビッグデータやクラウドネイティブ時代の本格的な活用に対応できなくなる」という考えの下、「ユニバーサルメモリ」「フォトニクス」「SoC(System on Chip)」などの技術を用いて、2020年の製品リリースを目標に開発が進められている。

photo The Machineは、これまでのプロセッサ中心のコンピューティングから、「メモリ主導型のコンピューティング」へ変革したアーキテクチャを実現しようとしている

 HPEは、今回の概念実証プロトタイプの成功を受け、「メモリ主導型コンピューティングによる従来の基本的なアーキテクチャの変革を目指して進めてきた“The Machine”プロジェクトの大きなマイルストーンだ」と述べている。

 「このプロトタイプのデモにより、私たちはメモリ主導型コンピューティングの可能性を実証でき、イノベーションの扉が開いた。この技術を追求し続けることで、顧客や業界全体がこうした進化の恩恵を受けられるようになる」(HPE エグゼクティブバイスプレジデント兼エンタープライズグループ担当ゼネラルマネジャーのアントニオ・ネリ氏)

 The Machineのプロトタイプは2016年10月から稼働しており、新アーキテクチャの基本的なビルディングブロックを示している。HPEは以下のようなビルディングブロックを実証したとしている。

  • ファブリック接続型メモリ(ユニバーサルメモリ)の共有プールにアクセスするコンピュートノード
  • カスタマイズされたSoCで動作するよう最適化されたLinux OS
  • ネットワーク上で稼働するフォトニクス通信(新しいフォトニクスモジュール「X1」を含む)
  • 豊富な永続メモリを利用するように設計された新しいソフトウェアプログラミングツール

 HPEによると、プロトタイプ設計段階のシミュレーションから、この新アーキテクチャは既に現在の数十倍のパフォーマンスを発揮。また、新しいソフトウェアプログラミングツールを既存製品上で実行した結果、さまざまなワークロードで最大8000倍の実行速度が得られたという。ノードやメモリを増やしてプロトタイプのキャパシティーを拡大することで、同様の結果が達成されると見込んでいる。

 この他HPEは、The Machineプロジェクトで、既存システムより数十倍強力な“エグザスケール”のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)用マシンの開発も並列進める。HPEのメモリ主導型コンピューティングアーキテクチャは、小さなIoTデバイスからエグザスケールまでのスケーラビリティを持ち、幅広いHPCおよびデータ集約型ワークロード(ビッグデータ分析など)に最適な基盤になると同社は期待している。

 HPEは今後、The Machineプロジェクトで開発された技術を新旧製品で迅速に商用化することにも力を入れる。その商用化をついて次のように説明している

不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory:NVM)

 NVMは、DRAMに迫るパフォーマンスと、従来のストレージと同等の容量とデータ永続性を両立した持つ新世代の記録媒体。2018〜2019年に発表する予定。

photo The Machineは、メモリとストレージの特徴を一体化したNVMを記録媒体に用いる

フォトニクスなどのファブリック

 フォトニクスを統合したストレージ製品を2018〜2019年に投入する。併せて、ファブリック接続型メモリの投入も予定する。

The Machineエコシステムの支援

 メモリ主導コンピューティングアーキテクチャ向けのソフトウェア開発を積極的に推進する。2018〜2019年に、新システム用に次世代分析アプリケーションなどを開発する。

次世代のセキュリティ

 HPEでは、今回のプロトタイプで、新しい安全なメモリ相互接続技術も実証されたとしている。2017年、この取り組みを新しいハードウェアセキュリティ機能としてリリースし、以後3年間で新しいソフトウェアセキュリティ機能も提供していく考えだ。

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