Linuxサーバーの基本を理解しよう基礎から理解するLinuxサーバー[Cent OS 7.0編](1)(1/2 ページ)

本連載は、Linuxサーバーに初めて触れる人、基本から学習したい人に向けて、「CentOS 7」をベースにLinuxサーバーの基礎を解説していきます。第1回となる今回は、Linuxサーバーとは何か、サーバーにはどのような種類があるのかを解説します。

» 2017年02月27日 05時00分 公開
[中島能和]

連載目次

たった2日でわかる Linuxサーバー Cent OS 7.0対応

書籍の中から有用な技術情報をピックアップして紹介する本シリーズ。今回は、秀和システム発行の書籍『たった2日でわかる Linuxサーバー Cent OS 7.0対応(2015年2月6日発行)』からの抜粋です。

ご注意:本稿は、著者及び出版社の許可を得て、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。


Linuxサーバーを学び始める前の準備と予習

 本格的に学習を始める前に、そもそもLinuxサーバーとは何なのかを確認しておくことにしましょう。また、サーバーにはどのような種類があるのか、代表的なサーバーをざっと見ておきましょう。

Linuxサーバーの基本

サーバーとは

 現在では、コンピューターの利用は、ネットワークへの接続を前提としている場合が大半です。

 ネットワークで繋がれたコンピューター同士は、対等の立場で処理をするものもあれば、一方が他方にサービスを提供するものもあります。

 代表的なものが、クライアント/サーバーと呼ばれるモデルです。サービスを提供する側を サーバー、サービスを利用する側をクライアントといいます。

用語解説

英語でserveは「仕える」「尽くす」という意味です。


用語解説

英語でclientは「顧客」「来訪者」という意味です。


クライアント/サーバー

 サーバーとなるコンピューターは、クライアントとなるコンピューターに何らかのサービスを提供します。この場合のサービスというのは、求めに応じて情報を提供したり、依頼された情報を検索したり、ファイルを預かったり、メールを受け取って送り届けたり、といった情報処理のことです。

 サーバーとなるコンピューターでは、サーバー処理を担うプログラムが動作していて、ネットワーク経由でクライアントからの求めがあると、サービス処理を実施し、結果をクライアントに送り返します。

 ここで、サーバーがコンピューターのハードウェアを表すのではないことに注意してください。パソコンであっても、サービスを提供するプログラムを起動し、ネットワークに接続してサービスを提供していれば、立派なサーバーとしての役割を果たしています。「サーバー」「クライアント」という言葉は、あくまで「役割」や「立場」を表すのです。

 実際には、サーバーとなるプログラムを動かす専用マシンを「サーバー」と呼ぶことも多いのですが、そのマシンで同時にクライアントプログラムを動かすことだってできます。役割や立場によって、1台のコンピューターがサーバーであるときもあれば、クライアントであるときもあります。サーバーコンピューターはサーバーにしか使えないわけではないのです。反対に、パソコンだってサーバーとして使うこともできるのです

参考情報

実際にはサーバーコンピューターはサーバーとして最適に作られているので、サーバーに使わないのはもったいない話です。


参考情報

ただしパソコンは24時間365日の運用を考えて作られていないので、サーバーとして業務で使うには心もとないです。


 また、1台のコンピューター上で複数種類のサーバーを同時に動かすこともあります。

複数種類のサーバー

 Linuxは、いろいろなサーバーとして利用できます。以下、代表的なサーバーを簡単に紹介します。

Webサーバー

 インターネットの利用と聞いて真っ先に思い浮かべるのがWebページ(ホームページ)の閲覧ではないでしょうか。

 「Webサーバー」は、Webページの集まり(Webサイト)を管理し、リクエストを受けたWebページのデータをクライアントに送るサービスを提供します。Webサーバーを利用するクライアントをWebブラウザーといいます。

Webサーバー

FTPサーバー

 ファイルをアップロードしたりダウンロードしたりできるよう、ネットワーク経由でファイルを転送するサービスを提供するのが「FTPサーバー」です。FTPはFile Transfer Protocol(ファイル転送プロトコル)の略で、ネットワーク経由でファイルを転送する際の細々とした決まりごとを定めた規約です。

FTPサーバー

データベースサーバー

 「ビッグデータ」という言葉がトレンドになっているように、データを蓄え、それを有効に利用することはビジネスでとても重要です。

 データを蓄積し、効率的に検索したり更新したりできるようにしたデータの集まりを「データベース」といいます。また、データベースを管理、運用するソフトウェアを「データベース管理システム(DBMS:Data Base Management System)」といいます。

 データベース管理ソフトウェアによってデータベースが管理されているサーバーが「データベースサーバー」です。

 データベースサーバーは利用者が直接扱うことはほとんどありません。Webサーバーなど、他のサーバーのプログラムがデータの検索や更新に利用するのです。

データベースサーバー
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