Sambaの基本を知っておこう基礎から理解するLinuxサーバー[Cent OS 7.0編](7)

本連載は、Linuxサーバーに初めて触れる人、基本から学習したい人に向けて、「CentOS 7」をベースにLinuxサーバーの基礎を解説していきます。今回は、LinuxサーバーをWindowsから利用可能なファイルサーバーにできるSambaについて見ていきます。

» 2017年03月23日 05時00分 公開
[中島能和]

連載目次

たった2日でわかる Linuxサーバー Cent OS 7.0対応

書籍の中から有用な技術情報をピックアップして紹介する本シリーズ。今回は、秀和システム発行の書籍『たった2日でわかる Linuxサーバー Cent OS 7.0対応(2015年2月6日発行)』からの抜粋です。

ご注意:本稿は、著者及び出版社の許可を得て、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。


※編集部注:前回記事「FTPサーバーを使ってみよう」はこちら

Sambaの基本を知っておこう

なぜSambaが必要なのか?

 Windowsであれば、ネットワーク上でフォルダを共有するのは簡単です。フォルダを右クリックして出てくるメニューから「共有」を選べばいいのですから

参考情報

実際にはOSのバージョンやセキュリティの設定によって変わってきます。


 けれども、Linuxサーバーで同じことは(基本的には)できません。なぜなら、LinuxとWindowsは、ネットワークでフォルダ(ディレクトリ)を共有する仕組みがまったく異なるからです。

 Sambaは、Linux上でWindowsのネットワーク機能を実現するソフトウェアです。Sambaを導入すると、Windowsのファイルサーバーと同じ役割を果たせる他、実際のWindowsファイルサーバーをLinuxから利用することもできます。つまりWindowsファイルサーバーのクライアント機能も持っているわけです。その他、プリンターサーバーになる機能や、会社で使われるWindowsドメイン(Active Directory)のサーバーになる機能も持っています

参考情報

CentOS 7に搭載されているSamba 4では、Windowsのドメインコントローラーとなることができるので、既存のWindowsサーバーを丸ごと置き換えることも可能です。


Microsoftネットワークについて知っておこう

 Windowsのネットワーク(Microsoftネットワーク)では、Microsoftネットワークならではの用語や概念が出てきます。ここではいくつか基本的な概念を確認しておきましょう。

・ワークグループ

 ワークグループは、ネットワーク上でWindowsコンピューターをまとめて扱う単位です。Windowsコンピューターはいずれかのワークグループに所属しています。同じワークグループに所属するコンピューターは、Windowsの「ネットワーク」上にアイコンが表示され、アクセスしやすくなります

参考情報

実際には同じワークグループに属していても、タイミングによって「見えない」ことも少なくありません。


ワークグループ

 自分のWindowsコンピューターが何というワークグループに所属しているかは、コントロールパネルから「システムとセキュリティ」→「コンピューターの名前の参照」で表示される画面で確認できます。

Windows 8でワークグループを確認する

・共有

 フォルダやプリンターをネットワークで公開し、ネットワーク上で利用することができます。これを共有といいます。共有フォルダや共有プリンターを共有資源(共有リソース)、そういった共有リソースに付けられた名前を共有名といいます。

・Active Directory

 ユーザーやグループ、ネットワーク上の共有資源を一括して管理するための仕組みです。Active Directoryを管理するサーバーをドメインコントローラーといい、アカウント情報を集中的に管理します。ドメインという単位でグループ化し、ドメインにログオンすることで、ドメイン内の資源へ認証なしでアクセスできるようにします。個々のサーバーにユーザーを追加するのではなく、ドメインで一括して管理することで、管理コストを削減できます。本書では扱わないので、Windowsの専門書等を見てください。

 その他、Microsoftネットワークの用語を表にまとめておきます。

Microsoftネットワークの用語
用語 説明
NetBIOS名 いわゆるコンピューター名に1バイトのアプリケーション情報を追加したもの
WINS NetBIOS名とIPアドレスの名前解決をする仕組み
SMB Windowsのネットワークサービスを提供するプロトコル
CIFS SMBを拡張・標準化したプロトコル

参考情報

Sambaの名前はここから来ています。


Sambaをインストールしよう

 それでは以下のコマンドを実行して、Sambaをインストールしましょう。

Sambaをインストールする

 これでSambaサーバーがインストールされました。

 ところで、Sambaサーバーは2つのサーバー、プログラムから構成されています

参考情報

Active Directory環境では異なります。


  • ファイル共有機能などを提供するsmbサービス
  • Microsoftネットワーク関連の一部機能を提供するnmbサービス

 深くは考えず、とりあえずこの2つが必要なのだ、と思ってください。

まとめ

  • Windowsコンピューターはいずれかのワークグループに所属しています
  • ネットワーク上で共同で利用できるフォルダやプリンターを共有資源といいます
  • Sambaはsmbサービスとnmbサービスから構成されています

たった2日でわかる Linuxサーバー Cent OS 7.0対応

たった2日でわかる Linuxサーバー Cent OS 7.0対応

中島能和著
秀和システム 2500円(税別)
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