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» 2017年01月13日 05時00分 UPDATE

Gartner Insights Pickup(4):アナリティクスにおける10のメガトレンド

デジタル世界が複雑さを増す中、企業の経営陣は、アナリティクスに基づいて行動や意思決定を行う傾向が強まっている。

[Kasey Panetta,Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップ。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 「現実的に考えると、経営を改善したければ、アナリティクスチームを頼りにしなければならない。アナリティクスは、企業が自らの文化と戦略の下で、目標を達成するための武器になる」。Gartnerのリサーチディレクターを務めるガレス・ハーシェル氏は、2016年11月上旬にスペインのバルセロナで開催されたGartner Symposium/ITxpoでそう語った。

 アナリティクスは面倒な作業になりがちだが、以下の10のメガトレンドは、企業が取り組みを進める指針になる。

1. データ指向から意思決定指向へ

 企業は“データ指向”から“意思決定/変更指向”へと軸足を移す必要がある。これは、「われわれはなぜこの分析を行うのか。分析に基づいて何をしようとするのか」という視点を強く意識することだ。まず、「何かを変える必要があるビジネス領域」か、「変えている最中のビジネス領域」を探す。そして分析は必ず、特定の領域における問題を改善する、あるいは行われている変更に影響を与え、誘導するために利用するようにする。行動に結びつかない分析は禁物だ。分析の出発点は、物事を変えるという意思であり、分析は、どのような変更を行うかの意思決定を導き出す目的で行わなければならない。

2. 戦術的な意思決定者から戦略的な意思決定者へ

 社内の誰が情報を利用しているかに目を向けると、分析はCEOから平社員まで、社内の全員に有益だ。だが、分析は戦略的な意思決定に影響を与えなければならない。戦略的な意思決定者に影響を与え、より良い意思決定に導くには、彼らに3つの分析領域に注目してもらう。すなわち、「戦略目標と財務目標のバランス」「現実的な自社評価」「投資のビジネス効果の客観的レビュー」だ。

3. 中核業務から業務全般へ

 アナリティクスは企業全体をカバーしなければならない。「すべてのプロセス、すべての業務、すべての人が分析の対象であり、分析の恩恵を受ける」(ハーシェル氏)

4. データの集計から詳細レベルへ

 詳細なアナリティクスは、より自社に合った戦略の策定を可能にする。分析の粒度を細かくすると、顧客や課題に関する仮定をより良く理解できる。それによって戦略が直接導き出されるわけではないが、意思決定者はより確かな見通しを持って戦略を立てられる。

5. データサイロから多次元へ

 データサイロを解消すれば、チームが新たな展望の下でさまざまな視点を組み合わせた分析に基づいて、「何が起こっているか」「なぜあることが起こる可能性があるか」「どのような行動を取るべきか」をより良く理解できる。

6. レポーティングから発見へ

 企業は考え方を根本的に変えてデータとの関わり方を改善し、将来についてと同様に、過去に起こったことについても好奇心を持たなければならない。そうすることで、既存の環境とその可能性を理解できるようになる。新たな洞察を得られるような形でデータと関わるようにする。

7. 人間からAIへ

 分析の力と、それがビジネスにどう役立つかについて、エレベーターで偶然会った相手にも話せる程度の手短な説明を用意する。これまでどのような技術が使われてきたかは重要ではない。洗練度こそさまざまに異なるものの、どの技術も同じことを行うからだ。人工知能(AI)は興味深い強力な技術だが、従来と根本的に異なることを行うわけではなく、これまでと同じことを極めてうまく行うにすぎない。データサイエンティストを起用するにしても、AIを使うにしても、何ができるのかを理解し、自社が必要とする洗練度を判断するようにする。

8. 分析プラットフォームの選択から分析ポートフォリオへ

 分析プラットフォームの選択は、自社の差別化につなげることができる。コモディティ化した製品では不可能な、自社に固有の技術的な強みを作り出せるプラットフォームを選択することで、差別化が可能になる。だが、「データサイエンティストとそうしたプラットフォームを併せて採用する必要があるか」、あるいは、「ビジネスアナリストとパッケージアプリケーションを確保すれば十分か。その場合、外部のサービスプロバイダーをどのように利用するか」を判断する必要がある。

9. スタンドアロンから組み込み分析へ

 スピードアップが進むビジネスプロセスにアナリティクスを組み込む必要がある。ビジネスにおいて、以前は数週間かかっていたことが数日で完了するようになり、1秒でできていたことはミリ秒レベルといったように、処理時間が短縮されている。このようなスピードアップに対応したアナリティクスを行い、適切なタイミングで行動できるようにする。

10. 機密データからオープンデータへ

 あるストリーミングサービス事業者が、自社が持っていたISP各社に関するデータの公開に踏み切った。その社内データは、公開されたことで大きな反響を呼び、同社の評判は上がった。その一方で、このデータのせいでISPは面目を失った。この事業者とISPは相互に依存していたが、このデータ公開が市場における力関係を根本的に変えた。ISPは、それまで及び腰だった問題の改善にデータ共有を通じて取り組まざるを得なくなった。

出典:10 Megatrends in Analytics(Smarter with Gartner)

筆者 Kasey Panetta

Brand Content Manager at Gartner


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