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» 2017年01月26日 13時00分 UPDATE

「何をビジネスとして優先すべきか」、マイクロソフトの幹部が提言:IT企業にとって「2017年最大のビジネスチャンス」は何か

IT企業と技術者にとって、「2017年最大のビジネスチャンス」は何か。マイクロソフトの幹部が同社のパートナー企業に向け、何を考えるべきかの見解を公表した。

[@IT]

 米マイクロソフトは2017年1月24日(米国時間)、同社のパートナーにとって「2017年の最大のビジネスチャンスは何か」と題し、7人の幹部が見解を述べた。以下に概要を紹介する。

1:「デジタルエコノミー時代に向けた顧客対応」を推進すること(コーポレートバイスプレジデント クリス・ウェバー氏)

 デジタルエコノミー時代が到来し、デジタルトランスフォーメーションやデジタルイノベーションを推進する企業が増えている。コグニティブサービスやAI(Artificial Intelligence:人工知能)、機械学習、IoT(Internet of Things)といった分野が注目され、活況を呈している。

 調査会社 IDCによると、2019年にはデジタルトランスフォーメーションの取り組みへの投資が2.2兆ドル(約245兆円)に達し、2018年には開発者チームの75%が業務アプリケーションにコグニティブやAI機能を盛り込む見通しとなっている。

 パートナーは、この付加価値サービスの提供によって、こうした動きを有効に活用できる。また、従来の再販やシステムインテグレーションなどのビジネスから、マネージドサービスプロバイダーやISV(Independent Software Vendor:独立系ソフトウェアベンダー)への転換を進めるという道もある。

2:ビジネスを新鮮な目で捉えて「差別化」を進めること(コーポレートバイスプレジデント ロン・ハドルストン氏)

 技術の進歩によってデジタルトランスフォーメーションの動きが加速し、業界を問わず、既得権益の破壊と創造が進んでいる。

 競争が激しい昨今の市場では、ビジネスの差別化が成功の鍵を握る。パートナーは、ターゲットとする業務や業種、技術的な特化、知的財産サービスの開発によって、ビジネスを差別化していくための支援や提案に注力すべきだ。AIやbot、MR(Mixed Reality:混合現実)などの進化によって、新しい知的財産サービスも生まれている。そのためには、新しい差別化方法の学習、創造、発見を積み重ねていく必要があるだろう。

3:「競争と協調」を推進すること(コーポレートバイスプレジデント ガブリエラ・シュスター氏)

 調査会社 ガートナーのレポート「The 2017 CIO Agenda: Seize the Digital Ecosystem Opportunity」によると、2017年現在、優れた業績を挙げている企業は、デジタルエコシステムの平均パートナー数が、2年前の「27」から「78」にまで増えている。そしてその数は、今後2年間で約2倍となる「143」に増える見通しだ。

 デジタルトランスフォーメーションに取り組む企業が増える中、自社のビジネスの定義の仕方とともに、パートナーの選び方も進化、変化している。真に相互補完的なパートナーを見つけるには、自社の中核をどう定義するかが重要になる。的確に定義するには、自らを見つめ直す必要があるだろう。

4:「アプリの爆発的増加に対応」すること(コーポレートバイスプレジデント ミトラ・アジジラド氏)

 2017年現在の企業は、ビジネスにおいてどんな“エクスペリエンス(体験)”を顧客に提供するかが問われるようになっている。つまり、高品質なモバイル体験をユーザーへ大規模に提供する方法を見いだしていく必要がある。そのユーザーの期待に応えるには、企業はデータとクラウドを新しい方法で活用していく必要がある。

 また、ビジネスのモバイル化は多くの場合、膨大な数のアプリケーション作成が不可欠となる。急増するモバイルアプリの需要は、既に開発者の開発能力を上回ってしまっているとの調査報告もある。このため、「アプリファクトリー」の考え方を受け入れ、継続的なイノベーションを大規模に行っていけるパートナーが大きなチャンスを手に入れることになるだろう。

5:「マネージドサービス」によって顧客の生涯価値を提供すること(バイスプレジデント アジズ・ベンマレク氏)

 パートナーに向けた2017年のチャンスは、顧客がクラウドを最大限に活用できるようにする「マネージドサービス」を提供することだ。調査会社 451 researchによると、2018年にはマネージドサービスは430億ドル(約4.8兆円)規模の市場になるとされている。具体的にはクラウド移行のコンサルティングから移行代行、運用管理までを行うマネージドサービスは、新しい高マージンのビジネスの機会を提供できるだろう。しかも、そのビジネスは安定した経常収入源になる。

 マイクロソフトが2015年に発表したパートナー向けの「Cloud Solution Provider(CSP)プログラム」は、こうしたチャンスをつかもうとするパートナーを対象としている。

6:信頼を確立し、「知識とノウハウの発信によって差別化」すること(CTO エドアルド・カスナー氏)

 マイクロソフトの調査では、優れた業績を挙げているクラウドパートナーは、技術者の知識と経験を活用し、ビジネスを競合他社から差別化している。具体的にどうやっているのか。

 まず、こうしたクラウドパートナーは、チームの技術スキル構築に対して積極的な投資を行っている。トレーニングコースやカンファレンスへの派遣、オンライン学習のための時間の提供などにより、継続的な学習を促進しているのだ。

 また、こうしたクラウドパートナーは、クラウド専門家が公式ブログなどを通じて、企業のPRにつながる内容の各種の情報を発信している。さらに、コミュニティーにも積極的に参加している。そのため最近では、顧客企業が実力のある専門家を見つけるために、LinkedIn、Stack Overflow、GitHubといったオンラインフォーラムをチェックするようになっている。

7:クラウドに関連する「新技術によって革新」すること(コーポレートバイスプレジデント トニ・タウンズホイットリー氏)

 クラウドに関連する新技術によってイノベーションを行うことが、ビジネスチャンスを広げる新しい方法だ。World Economic Forumでは第4次産業革命に向け、クラウドをエンジン、データを燃料とする「重要なバックボーン」と位置付けている。

 つまり、パートナーにとって2017年の最大のチャンスの1つは、クラウドコンピューティングのメリットが広く共有されるようにし、前向きな変化を促進することにある。

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