マイクロソフト、Linux版も含めた「SQL Server v.Next CTP 1.3」を公開Linux版でも「Always On 可用性グループ」などの機能を利用可能に

マイクロソフトは、データプラットフォームの次期バージョン「SQL Server v.Next」のCommunity Technology Preview(CTP)1.3を公開。WindowsとLinux向けにリリースした。

» 2017年02月21日 10時00分 公開
[@IT]

 米マイクロソフトは2017年2月17日(米国時間)、リレーショナルデータベース管理システムの次期バージョン「SQL Server v.Next」のCommunity Technology Preview(CTP)1.3をWindowsとLinux向けに公開した。

 SQL Server v.NextのCTP 1.3では、高可用性と障害復旧(High Availability and Disaster Recovery:HADR)機能などが強化されており、Linux上で動作するSQL Serverでも、「Always On可用性グループ」機能を利用できるようになった。Always On可用性グループ機能は、データベースミラーリングに代わるHADRソリューションとしてSQL Server 2012で導入された機能だ。

photo Linux版でも「Always On 可用性グループ」などの機能を利用可能になる

 マイクロソフトはSQL Server v.Nextの開発において、可用性やアップタイムの向上に向けた機能強化を随時進めており、SQL Serverでサポートする全プラットフォームで、同じHAおよびDRソリューションを提供することを主要な設計方針として掲げている。

 Always On可用性グループは、Windows Server上ではWindows Serverフェイルオーバークラスタリング(WSFC)機能を利用して実現されている。一方のLinux上で新たに対応したAlways On可用性グループは、Linuxベースのクラスタリソース管理ツールと連携し、自動監視、障害検知、予期せぬ障害時の自動フェイルオーバーを実現する。広く普及しているLinuxのクラスタリングツール「Pacemaker」に対応する。

 さらにこのAlways On可用性グループは、WindowsとLinuxにまたがって、同じ分散可用性グループの一部として機能する。この構成により、異なるプラットフォーム間での移行をダウンタイムなしで実現できるようになる。SQL Server on Linuxを使ってミッションクリティカルなアプリケーションを構築する企業は、これらのHA/DR構成を利用して、アプリケーションレベルの保護(2つの同期セカンダリーレプリカ)、ビジネスコンティニュイティ規制の順守(リモートサイトのDRレプリカ)、パフォーマンスの向上(レポートおよびバックアップのワークロードをアクティブセカンダリーレプリカにオフロード)を図れるとしている。

 この他SQL Server v.Next CTP 1.3では以下の機能強化も行われた。

  • サポートされている全てのLinuxディストリビューション上で全文検索が可能になった
  • オンラインインデックスの再構築でのレジュームをサポート。中断したインデックス構築を再開したり、インデックス構築を複数のメンテナンス時間に分割して行ったりすることが容易になった
  • 一時テーブル保持のポリシーをサポート。一時テーブルで保持する履歴データ量をより簡単に管理できるようになった
  • 大規模データベースやSQL Server 2016の推奨構成である間接チェックポイント(Indirect Checkpoint)のパフォーマンスを向上させた
  • プライマリーデータベースでトランザクションをコミットする前に必要なレプリカの最小数を設定できるようになった
photo SQL Server v.Next CTPのダウンロードサイト

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