「特殊な正規形」を理解する「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメ(10)(2/2 ページ)

» 2017年06月27日 05時00分 公開
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第5正規形

 ある表がその候補キー内で結合従属性が満足されている場合を第5正規形と呼びます。以下のように、例えば「PJメンバが所属するプロジェクト」、「PJメンバが持つスキル」、「プロジェクトで求められるスキル」の三つの要素を一つの表で管理すると、「冗長性」「修正時異状」等の問題がありますが、以下のようにデータの関連性を維持しながら分解(第5正規形に分解)することで解決できます。

第5正規形への分解の例

切実に捨てたい分野

あの正規形は本当に試験に出題されるか?

 本章では「ボイス・コッド正規形」、「第4正規形」、「第5正規形」の概念について説明をしてきました。非常に難しい概念ですので、「ほぼ出題されないのであれば、この分野は捨てたい!」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そこで、気になる出題頻度を分析してみると…。

午前分野 過去14年間で1回(平成15年度 問24)、ボイス・コッド正規形が出題
午後分野 過去14年間で1回(平成16年度 午後問1設問3)、第4 正規形と多値従属性がセットで出題。
※上記は平成14年〜平成27年の範囲の分析結果です。

 残念ながら出題されていました。

 このデータをどう捉え、どう判断するかは人それぞれですが、たった2問ですので、折角ですから目を通しておかれてはいかがでしょう?逆に、これ以外には出題例がほぼ無いため、上記問題を解く以外、特に有効な対策は無いかと思います。

 万が一出題されたときに、「あえてここで点を稼ぎ、試験で優位に立ちたい」と考えるのであれば、各正規形の定義を短文暗記しておくのが良いかと思います。記述式の問題で部分点を狙いにいきましょう。


本試験過去問題による類題演習
□H26 午前II問4 情報無損失分解でき、関数従属性保存が成り立つ変換
□H15 午前問24 関数従属性の存在するある表をボイスコッド正規形に分解した表群

書籍紹介

ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版]

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具志堅融、河科湊著
秀和システム 1,500円

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