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» 2017年09月05日 05時00分 公開

「データベーススペシャリスト試験」戦略的学習のススメ(20):「カーソル」を理解する (1/2)

あの“津崎さん”も保有する難関資格「データベーススペシャリスト」。本企画では、データベーススペシャリスト試験 午前/午後試験対策のための「基礎知識」を抜粋してお届けします。今回は、「SQLにおけるカーソルの基礎」を解説します。

[具志堅融, 河科湊,著]

連載目次

ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版]

書籍の中から有用な技術情報をピックアップして紹介する本シリーズ。今回は、秀和システム発行の書籍ポケットスタディ データベーススペシャリスト [第2版](2015年12月22日発行)』からの抜粋です。

ご注意:本稿は、著者及び出版社の許可を得て、そのまま転載したものです。このため用字用語の統一ルールなどは@ITのそれとは一致しません。あらかじめご了承ください。


※編集部注:前回記事「SQLで「ロール作成と付与」を行う」はこちら

カーソル

出題頻度 午前II:●●- 午後I:●-- 午後II:●--


 ●--:過去14年間での過去問出題数が1〜9回
 ●●-:過去14年間での過去問出題数が10〜19回
 ●●●:過去14年間での過去問出題数が20回以上


Key Word

カーソルを利用した処理の流れ、DECLARE、OPEN、FETCH、WHERE CURRENT OF 〜、CLOSE


カーソルを利用した処理の流れ

 これまで説明したSQL文では、データを更新する際にUPDATE文を利用し、その中でWHERE句に条件を設定し、この条件に該当するデータを一括更新するというものでした。

 カーソルを利用した処理では、まずカーソル(最初に取り出すSELECT文)を定義し、取り出した表についてループ処理で1行ずつ条件を判定し、条件に応じてデータを更新することができます。

カーソルを利用した処理と、利用しない処理のイメージ

カーソルを利用した処理の基本構文

 カーソルを利用した処理の全体像は以下の通りです。午前問題では「DECLARE カーソル名 CURSOR FOR」や「WHERE CURRENT OFカーソル名」の穴埋めをさせる問題が非常によく出題されます。

<1>カーソルの宣言 DECLARE カーソル名 CURSOR FOR (SELECT 文)
<2>カーソルを開く OPEN カーソル名
<3>データの取得 FETCH NEXT FROM カーソル名 INTO 変数リスト
<4>ループ処理の実行 WHILE 条件式
BEGIN
 〜処理内容〜 WHERE CURRENT OF カーソル名
END
<5>カーソルを閉じる CLOSE カーソル名

<1>カーソルの宣言

 最初に、処理対象のデータ抽出するSELECT文を指定します。ここではカーソル“csr”を定義すると同時にSELECT文を割り当てています。

 DECLARE csr CURSOR FOR SELECT 物品名, 在庫数, 基準在庫数, 緊急発注数 FROM 在庫

<2>カーソルを開く

 次にカーソルを開きます。割り当てたSELECT文が実行されます。

OPEN csr

<3>データの取得

 SELECT文が実行した結果の表からデータを1行取得し、変数リスト(ここでは物品名、在庫数、基準在庫数、緊急発注数という4つの変数)にデータを代入します。変数リストに代入することで、条件分岐の判定などに利用できるようになります。

FETCH NEXT FROM csr INTO :物品名, :在庫数, :基準在庫数, :緊急発注数

 データベース分野では、データを1行ずつ取得することを「FETCHする」といいます。「FETCH NEXT FROM カーソル名 INTO 変数リスト」は、英語の意味通り「次の行のデータを取得する」という意味ですが、最初の1回目に限り「1行目のデータを取得する」という意味になります。

<4>ループ処理の実行

 ここで出てくるFETCH_STATUSはグローバル変数(明示的に定義しなくても自動的に定義されている変数)であり、最後に実行したFETCH文の結果(行を取り出せた:0、失敗した:1、取り出すデータがなかった:2)が格納されます。よって、ループ条件の「:FETCH_STATUS = 0」は「データが取り出せた場合」という意味になります(これは決まり文句です)。

 UPDATE文には、「WHERE CURRENT OF カーソル名」という条件がありますが、これは「FETCHした行について(実行する)」という意味になります。

 最後に、次の行のデータをFETCHし、ループ内の処理が終わります。

WHILE :FETCH_STATUS = 0
BEGIN
	UPDATE 納品物一覧 SET :緊急発注数=:基準在庫数-:在庫数
	    WHERE CURRENT OF csr
	FETCH NEXT FROM csr INTO :物品名, :在庫数, :基準在庫数, :緊急発注数
END

<5>カーソルを閉じる

 ループ処理が終了した後、カーソルを閉じて処理は終了します。

CLOSE csr

FOR UPDATE OF による表のロック

 前述した「<1>カーソルの宣言」を行うSELECT文の最後に「FOR UPDATE OF テーブル名」を付与すると、カーソルが指定するSELECT文を実行した状態で、該当のテーブルが他のSQL文によって更新されないようにロックをかけることができます。

 例えば、SELECT文の実行結果いかんによって、UPDATEするかどうか条件分岐したい場合があったとします。並行して同時に複数の処理を実行させることを想定したとき、SELECT文の実行結果により条件判定した直後、UPDATE処理を行う前に、別の処理によりデータが変わってしまうと、本来UPDATEしないはずの処理でUPDATEしてしまう可能性があります。これを防ぐにはロックをかけ、トランザクションの独立性を保つ必要があります。

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