リバーベッドがSD-WANを強化、WAN最適化製品との統合製品を国内販売開始AWSに続きAzureへの2クリック接続を実現

リバーベッドテクノロジーは2017年3月1日、SD-WAN製品「SteelConnect」について、新機能と新製品を国内発表した。同社は「SD-WANにWAN最適化との融合は不可欠」とし、既存のWAN最適化製品における実績をSD-WANに生かそうとしている。

» 2017年03月02日 08時00分 公開
[三木泉@IT]

 リバーベッドテクノロジーは2017年3月1日、SD-WAN製品「SteelConnect」について、新機能と新製品を国内発表した。同社は「SD-WANにWAN最適化との融合は不可欠」とし、既存のWAN最適化製品における実績をSD-WANに生かそうとしている。

 新機能で目を引くのは、Microsoft Azureへの容易なIPsec接続設定。SteelConnectでは既に、SteelConnectでIPsec接続された拠点と、Amazon Web Services(AWS)上のVPCをインターネット経由で直接IPsec接続する設定を簡単に行えるようになっている。今回、この機能がMicrosoft Azureに対応した。当然ながら、各拠点は2つのパブリッククラウドに対して同時に接続することができる。

 リバーベッドはデモで、実際にAWSとAzureへの接続がそれぞれ最低2クリックで行えることを示した。SteelConnectの管理コンソール上でAWSあるいはAzureの適切な運用アカウントとの連携が済んでいれば、ユーザー組織の論理ネットワーク空間とサブネットが自動的にリストされ、接続したいネットワークセグメントを選択して「インスタンスをデプロイ」というボタンをクリックすれば、SteelConnectの仮想インスタンスがパブリッククラウド上にインストールされ、ユーザー組織側の拠点が自動的に接続できる。あとは適切な接続ポリシーを適用すればいい。

パブリッククラウド上で仮想インスタンスの導入と起動が終わると、順次VPN接続が自動構成されていくのが管理コンソールで確認できる

 SD-WANでは、パブリッククラウドに仮想マシン形式の仮想ネットワーク終端機能をインストールしてIPsecメッシュが構築できる製品が多い。だが、これだけ簡単に実行できるのは、SteelConnectの大きな特徴と同社はいう。

 アプリケーション単位の動的な経路選択に関しては、4つのクラスを用意。これに基づいて自動制御ができるようになっているという。

SteelHeadにSteelConnectを搭載、データセンター用機種も

 加えてリバーベッドは、WAN最適化アプライアンス「SteelHead」にSteelConnectのソフトウェアを搭載した「SteelHead SD」の国内提供を、同日に開始した。既存の3機種を踏襲し、「570-SD」「770-SD」「3070-SD」で構成されている。「SteelHead CX 70」からはアップグレードが可能。また、「SteelHead CX 55」「SteelHead xx50」からはトレードアップができる。既存のSteelHeadも販売を継続するが、「SteelHead SDでは、少ない価格差でSD-WAN機能も使える」という。

 SteelHeadでは、新たに自らの認識したアプリケーションのID情報をSteelConnectに渡せるようになり、WAN最適化とSD-WANの本格的な統合が実現した。2製品を別筐体で使う場合にも、この統合機能を使うことができる。

 さらに、本社データセンター向けのSD-WAN専用アプライアンス「SteelConnect SDI-5030」も発表された。10Gbpsのインタフェースを備え、スループットは5Gbpsだが、クラスタリングにより最大25Gbpsのパフォーマンスを実現できる。これにより、数千拠点とのWAN接続に対応できるという。

 SDI-5030では、データセンター内の既存ネットワーク接続構成を変えることなく導入できるという。「Riverbed Interceptor」というトラフィックリダイレクターをインラインに挿入するだけで、SD-WAN機能が適用できるとしている。

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