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» 2017年03月17日 05時00分 UPDATE

Gartner Insights Pickup(12):シャドーITを企業として最大限に活用するには

シャドーITは多くの企業ですっかり定着した。IT部門が社内ITの全権を握ろうとするのではなく、信頼されるコンサルタントになるための4つのコツをお届けする。

[Kasey Panetta,Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップ。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 ここ数年で1つはっきりしたことは、シャドーITはすっかり定着してきたということだ。デジタルビジネスの進化とともに、技術に関する意思決定の中でIT部門によるものは減少していき、個々のビジネス部門が部門内で使う技術を選び始めるからだ。実際、ガートナーは、2017年に技術製品およびサービスの購入額の38%が、ビジネスリーダーによって管理、定義、コントロールされるだろうと予測している。

 だが、IT部門は、ビジネス部門に、自ら選んだ技術とバックエンドシステムの統合のサポートを依頼されると困ってしまいがちだ。ビジネス部門にとっては、情報にアクセスしたいという小さな依頼でも、IT部門は数日や数週間、予定外の作業に手を取られてしまうかもしれないからだ。

 「新しいデジタルエコノミーでは、実際にほとんどの企業が、IT部門が所有しない、あるいはその管理下にないITデバイス、ソフトウェア、サービスを利用するようになるだろう」と、ガートナーのリサーチバイスプレジデントを務めるドナ・フィッツジェラルド氏は語る。「これに伴う問題の唯一の解決策は、IT部門とビジネス部門が日頃から協力やコミュニケーションを緊密にし、想定外の事態の発生を最小限に抑えることだ」

 IT部門にとって、ビジネス部門とのコミュニケーションは不断のプロセスだが、その緊密化を図るには、まず以下の4つのステップを踏む必要がある。

ビジネス部門の担当者と深い人脈を築く

 ITプロジェクトマネジャー(以下、IT PM)は、IT部門のスタッフを全員知っているかもしれないが、ビジネス部門の面々についてはあまり知らないかもしれない。勤務時間全体の少なくとも20〜50%を割いて、広範なステークホルダーコミュニティーと関わることが重要だ。さもないと、ビジネス部門で何が起こっているのか知らないうちに、関与するのが手遅れになってしまう、あるいは問題が発生してしまう恐れがある。ビジネス部門と関係を構築することで、ITプロジェクトマネジメントオフィス(以下、IT PMO)は、各部門のプロジェクトを広く理解できる。ビジネス部門との関係構築により、コミュニケーションが密になるだけでなく、プロジェクトの成果に対するステークホルダーの満足度も向上するだろう。

ビジネス主導のプロジェクトを適宜支援する

 各部門と関係を築いておけば、シャドーITプロジェクトについて知った場合は、すぐにフォローに回れる。ただし、プロジェクトを引き継ごうとしたり、管理下に置こうとしたりするのは禁物だ。IT PMがセカンドオピニオンを必要とした場合に、それを提供することを目指さなければならない。「IT部門は、技術的な判断について相談に乗ってもらえる、信頼できるアドバイザーだ」という認識を獲得し、高めることが重要だ。

シャドーITと既存ITのシステム統合問題を早期にクリアする

 問題をいち早く回避する上で重要なのは、IT PMがビジネス部門と信頼を築くことだ。信頼されるチームプレイヤーになることが目標だ。それが特に重要なのは、IT部門がプロジェクトの特定のコンポーネントをサポートする必要がある場合だ。多くのシャドーITプロジェクトはSaaSの利用に特化しているが、IT部門によるサポートが必要な要素は全て、ITポートフォリオに正式に追加するのが理想的だ。あるいは少なくとも、IT部門としてそれらに常に目を配り、サポートされていないデータフィードや技術的問題を回避するのが賢明だ。そして、ビジネス部門が適切なITリソースにアクセスできるようにする必要がある。

全PMのオープンコミュニティーを構築し、影響力を発揮する

 IT PMは、オープンでダイナミックなPMコミュニティーから大きな恩恵を受ける。PMがどのビジネス部門に属するかは必ずしも重要ではない。PMであることに変わりはないからだ。PMコミュニティーを構築することで、IT PMは社内の他のPMと関係を築ける。契約社員として雇用されているPMも、入社して間もないPMも、このコミュニティーでの交流を、会社になじむ良い方法と思うだろう。

 例えば、ある会社のIT PMは毎週ミーティングを開き、「力を借りたいときに誰に連絡すべきか」「どのようなリソースが利用できるか」といったことを契約社員に周知している。その上で、これらのPMの行動を望ましい方向に導くために、「このやり方に従わなければならない」と押し付ける目的ではなく、「われわれはこのやり方だとうまくいった」と伝える形で、自発的な行動を促すアプローチを取っている。これは、新しい会社に「スムーズに溶け込みたい」という人々の自然な欲求を促すことになる。

 IT部門はこうした4つのコツを実行することで、シャドーITから将来、微妙で厄介な状況が発生しても、対処できる態勢が整うだろう。

出典:Make the Best of Shadow IT(Smarter with Gartner)

筆者 Kasey Panetta

Brand Content Manager at Gartner


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