ネットワンが新会社で目指す、企業ネットワーキングの包括的なソフトウェア化とは「SD-HCI」という名称で提供

ネットワンシステムズは2017年4月5日、アリスタネットワークス、ヴイエムウェアのそれぞれ本社と提携して設立した新会社を通じ、独自開発のハイブリッドクラウドネットワークソフトウェアパッケージ「SD-HCI」を7月に提供開始すると発表した。

» 2017年04月06日 06時07分 公開
[三木泉@IT]

 ネットワンシステムズは2017年4月5日、アリスタネットワークス、ヴイエムウェアのそれぞれ本社と提携して設立した新会社を通じ、独自開発のハイブリッドクラウドネットワークソフトウェアパッケージ「SD-HCI」を7月に提供開始すると発表した。

 新製品は、2017年1月の、米ヴイエムウェアおよび米アリスタネットワークスと提携に関する発表に基づいている。ネットワンは「ネットワンコネクト」という新会社を設立。アリスタとヴイエムウェアの幹部を同社のアドバイザーに迎えた。新会社は2社の技術を活用したクラウドネットワーキングソフトウェアパッケージ「SD-HCI」を開発、これを商品としてネットワンシステムズ、ネットワンパートナーズに販売。両社はこれをそれぞれの販路で提供する。ネットワンコネクトは、自社でも販路を開拓する。

 「SD-HCI」は、プライベートクラウド、キャンパス、およびマルチクラウドを対象としたネットワーキングの柔軟性を高め、運用コストを下げることを目的としている。具体的にはアリスタのスイッチOS「EOS」および管理ツールの「Cloudvision」、ヴイエムウェアのネットワーク仮想化製品「VMware NSX」などで構成。さらに必要に応じて他のソフトウェアを組み合わせる。これを事前検証・事前構成済みのパッケージとして提供する。通常ではインテグレーションソリューションとして提供されるものが、ソフトウェアパッケージとして製品化されることにより、顧客は迅速かつコスト効率よく、最新のクラウド関連技術が活用できるという。

SD-HCIは最終的に5つの機能を提供する
SD-HCIの機能概要

 新製品に「SD-HCI(Software Defined Hyper Converged Infrastructure)」という名称を採用している理由について、ネットワンは企業における幅広いネットワーキングニーズへの対応を、ソフトウェア化によって機動的で効率の高いものにしていきたいからとしている。単に地点間を接続するものでなく、基盤になる製品として提供したいとする。ネットワンシステムズ ビジネス推進本部 執行役員の篠浦文彦氏は、もう1つの理由として、ユーザー企業側がいい意味でこの製品をブラックボックス的に扱い、技術の詳細を意識することなく活用することに専念して、管理性向上やTCO削減といったメリットが得られることを目指している点を挙げている。このため、できるだけ早く、運用コストを大幅に削減できた事例を紹介できるようにしたいという。

 ネットワンは、この製品を中核として採用し、適宜ハードウェアと組み合わせ、事前のコンサルティングをはじめとした導入・運用サービスを提供する。同社が提供しているマルチクラウド閉域網接続サービスやSD-WANサービスとの連携も図っていくという。

 SD-HCIは、最終的にはプライベートクラウドネットワーキング、ハイブリッドクラウドネットワーキング、SD-WAN、セキュリティ。トラフィック可視化の5つの機能を備えた製品になる。2017年7月に提供開始予定の第1弾では、プライベートクラウドネットワーキングに特化する。オーバーレイとアンダーレイのネットワークの自動展開および統合管理の実現を目指すという。

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