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» 2017年04月11日 05時00分 公開

「先進企業が語る、API活用最前線」レポート(前編):みずほFinTechは、API活用でIoT決済プラットフォームの研究開発を推進する (1/2)

2017年3月15日に開催された@IT API活用セミナー「先進企業が語る、API活用最前線」の中から、みずほフィナンシャルグループ、日本CA、エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジの講演模様をお届けする。

[唐沢正和,ヒューマン・データ・ラボラトリ]

 @IT API活用セミナー「先進企業が語る、API活用最前線」が2017年3月15日に開催された。このセミナーでは、先進企業のAPI公開・活用事例を基に、つかめるビジネスチャンス、そしてAPI公開における課題と解決策を探った。

 本稿では、セミナーで行われた基調講演、セッション1、セッション2の内容についてレポートする。

みずほFinTechは、API活用でIoT決済プラットフォームの研究開発を推進する

みずほフィナンシャルグループ インキュベーションPT シニアデジタルストラテジスト 大久保光伸氏

 基調講演に登壇したのは、みずほフィナンシャルグループ インキュベーションPT シニアデジタルストラテジストの大久保光伸氏。「テクノロジーの発展がもたらすビジネスの変化とみずほFinTechにおけるAPIエコシステム」と題し、みずほフィナンシャルグループが取り組むFinTechにおけるAPIエコシステムや、トランザクションが生み出す新たなビジネスモデルの可能性、IoTとの連携によるAPI活用の今後の展望などについて語った。

 金融APIの活用が進んでいる海外の動向として、スペインのBanco Bilbao Vizcaya Argentaria(BBVA)、米国のWells Fargo、Citiグループ、Silicon Valley Bank、Moven Bankなどの事例を紹介。

 「BBVAでは、API Marketを展開し、Open APIと外部企業のビルディングブロックを組み合わせることで金融のモジュラー化を実現した。Wells Fargoは、スタートアップ支援の一環としてAPIを提供。Citiグループでは、『Citi Mobile Challenge』でAPI情報を公開している。Silicon Valley Bankは、革新的なAPI Bankingプラットフォームを立ち上げたことで注目を集めた。Moven Bankは、パートナー銀行が提供するAPIを活用してホワイトラベルで顧客へのサービス提供を行っている。この他、金融マーケットデータのAPIを管理しているXigniteのサービスは、米国で1000社もの企業に利用されている」

「FinTechはIoTの1領域」

 みずほフィナンシャルグループでは、中期経営計画において、“総合金融コンサルティンググループ”を目指すべき姿として掲げ、基本方針の1つに「金融イノベーションへの積極的取り組み」、また戦略軸の1つに「FinTechへの対応」を明確に示すことで、グループ全体で「みずほFinTech」事業を推進している。「FinTechはIoTの1領域。それを支える要素技術の中で、当社が特に注目しているのが、AI、ビッグデータ、ブロックチェーンである。そして、これらの要素技術をうまく連携させる仕組みがAPIだと考えている」と、大久保氏は、みずほFinTechにおけるAPIの役割を説明する。

みずほフィナンシャルグループが考える「FinTech」(大久保氏の講演資料から引用)

 みずほFinTechにおけるAPIエコシステムについては、FinTech協会やFINOVATORS、金融庁、全銀協などをステークホルダーにエコシステムを形成し、新規ビジネス創出を支援するコワーキングスペースとして「FINOLAB」内にラボ施設「Mizuho Creation Studio」を開設。オープンイノベーション環境として、APIの評価環境を提供しているという。

 大久保氏は、「既に、このAPIエコシステムをベースにしたビジネスモデルとして、B2B、B2C、プラットフォーム連携、機能連携などでAPI活用が進んでいる。また、更新系のAPIについては、Liquidの指紋認証を用いた『手ぶらで決済』や、Moneytreeとの協業による『割り勘精算』などについてPoCを実施している」と、みずほFinTechのAPI活用事例を紹介。

今後はIoT決済プラットフォームの研究開発を推進

 さらに、トランザクションが生み出すAPI活用の新たなビジネスモデルについても触れ、「海外では、ドイツのコメルツ銀行がPoSデータを活用したサービスモデルを展開している。銀行のトランザクション情報とクレジットカード会社の購買情報、ネット上の購買情報を連携し、顧客に購買履歴と詳細情報を提供することで、顧客からの銀行への問い合わせの削減を図っている」と、海外の先進事例を挙げながら、その可能性について説明した。

 今後のAPI活用の展望としては、「IoT分野での取り組みに力を注いでいく。具体的には、IoTプラットフォーム『Soracom』のSIMとAPI連携することで、IoT決済プラットフォームの研究開発を推進していく」との考えを示した。現在、ビジネスマッチングイベントを通じ、IoT決済プラットフォームとの連携先として、決済端末やスマートホーム、コネクテッドカー、ウェアラブルデバイス、自動販売機などのIoT機器ベンダー、およびKYC(顧客確認情報)利用企業を募集し、既に10社ほどの企業とAPI連携の検討を開始しているという。

IoT決済 研究開発プラットフォーム(大久保氏の講演資料から引用)

 また、今後のAPI化へのアプローチについては、「各金融領域の将来予測から、今後求められるAPIを落とし込み、優先順位を付けて開発するトップダウンアプローチでのAPI提供戦略を展開していく。これにより、APIを活用した新規ビジネスの開発も進めていく」としている。

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