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» 2017年04月19日 12時00分 UPDATE

コンテナで、運用管理ツールを迅速・シンプルに提供:「運用管理も、DevOpsのスピードで価値を提供できることが大切」、HPE

IoT、X-Techなどデジタルビジネスが加速する中、ITサービス開発には一層のスピードが求められている。これに伴い、開発だけではなくインフラ運用にも一層のスピード・柔軟性が求められているが、運用管理を担うツール類の導入・アップグレードのスタイルはいまだに従来型のまま――HPEがこれを抜本的に解決するアプローチを発表した。

[編集部,@IT]

 日本ヒューレットパッカードは2017年4月19日、運用管理製品群「HPE IT Operations Management」(ITOM)をコンテナ化したバージョンを発表した。「自動化」「ハイブリッド環境の統合管理」などを支援する4つの運用管理製品群をコンテナアプリケーションとすることで、物理、仮想、パブリック/プライベートクラウド環境を問わず、迅速な導入を可能とした。また、導入企業がシステムを止めることなく常に最新の運用管理機能を維持できるよう、四半期に一度のペースで機能強化版を提供予定だという。

デジタルビジネスを支える運用管理製品群をコンテナで迅速に提供

 IoT、X-Techなどデジタルトランスフォーメーションのトレンドが高まる中、ニーズの変化に応じてITサービスを開発・改善する「スピード」が、企業にとって差別化の一大要件となっている。これに伴い、迅速にアプリケーションを開発・改善するDevOpsのアプローチがあらためて見直されるとともに、運用管理にも「デプロイ先を迅速に配備する」「リリース後もトラフィックの増減などに耐えて安定運用する」など、DevOpsを支える動的な管理スタイルが強く求められている。

 一般に、そうした動的なスタイルにステップアップするためには、定型作業の「自動化」、アプリケーションの特性に応じて最適なインフラを使い分ける「オーケストレーション」、セルフサービスポータルなど、利便性が高く合理的なサービス提供形態を目指す「デリバリの変革」がポイントになるとされている。ITOMもこれに即した機能を提供する製品群となっている。

 具体的には、プロビジョニングやパッチ適用など各種定型作業を自動化、マルチベンダー環境における運用作業のスピード・確実性を向上させる「Data Center Automation」、「パスワードリセット」のような定型作業をセルフサービス化するなどし、サービスデスク管理、ITサービス管理を支援する「IT Service Management Automation」、システム運用状況を可視化・分析することで、障害原因個所の特定、障害予兆分析などが行える「Operations Bridge」、アプリケーションの特性に応じたインフラの使い分けや、セルフサービスポータル機能などを実現できる「Hybrid Cloud Management」という4つの製品群で構成。

ALT コンテナ提供する4つの製品群。四半期に一度のペースでアップグレードし、「最新の機能を常に維持できるよう配慮する」という。

 このHybrid Cloud Managementには、ハイブリッド環境において開発成果物のデプロイ先を自動的に配備できる「Cloud Service Automation」、継続的デリバリを支援する「HP CODAR」などDevOps支援製品群も含まれている。

関連リンク:IoT、FinTech時代、既存資産を生かしながらどうデジタルビジネスを実現するか?

 今回は、これらをコンテナアプリケーションとすることで、物理、仮想、プライベート/パブリッククラウドなどインフラを問わず、迅速にデプロイ、導入可能とした。

運用管理製品群も、もっと簡単・迅速にデプロイ、アップグレードできなければならない

 HPEのIT Operations Management担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのトム・ゴーギャン(Tom Goguen)氏は次のように話す。

ALT 米HPE IT Operations Management担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー トム・ゴーギャン(Tom Goguen)氏

 「弊社が目指したのはDevOpsと同じスピード感で、高品質な運用管理製品を迅速に提供すること。そこでアジャイル開発を取り入れ、テスト・検証し次第、コンテナで即座に提供することを目指した。従来、運用管理製品の開発から、顧客企業が導入・運用開始するまで年単位の時間がかかっていたが、コンテナでの提供なら、顧客企業は他の一般的なアプリケーションと同じように、新しい運用管理製品をステージング環境にデプロイし、品質や使い勝手を検証したら、既存の運用管理製品/管理対象システムのダウンタイムゼロでそのまま本番環境に展開できる。ITサービスは開発・改善のスピードがポイント。その運用管理を担う製品群も、もっと簡単・迅速にデプロイ、アップグレード、拡張できなければならないと考えた」

 既存の同製品群を導入済みの企業が最新版にアップグレードする作業もシンプルだという。例えば、アップグレードがあると管理画面上でアラートが点滅、それをクリックするとダウンロードできる、といった仕組みの提供を予定している。「従来製品をコンテナ提供による最新版にアップグレードする」「コンテナ提供の最新製品を新たなインフラ上で稼働させ、従来製品と併用する」「従来製品を使い続け、必要な製品だけアップグレードする」など、必要に応じて柔軟に導入できる点もポイントだという。

ALT コンテナ提供の概念図。導入、アップグレード、拡張に必要な時間を大幅に短縮する

 また一般に、ツールのアップグレードに伴い、操作方法や運用管理スタイルそのものが変わってしまうことを嫌う企業は多い。ゴーギャン氏はこの点を受けて、「従来製品とは操作性も使い勝手も異なるような全く新しい製品を開発したわけではない。あくまで従来製品の操作性、使い勝手はそのままに、最新機能の提供スピード・利便性を高めた」とも強調する。

 「必ずしも運用管理製品のスピーディなアップグレードを強要するものではない。あくまで自社の状況、要望に応じてアップグレードすることが望ましい。コンテナ提供によって、自社に最適なペース、合理的なコストでの導入・アップグレードが確実に行いやすくなったはずだ」

 BtoB、BtoC問わず、ITサービスが重要なビジネスの手段となっている今、開発者はビジネスに寄与するより良いアイデアを提案できる「クリエーター」としての役割へ、運用管理者は開発者や事業部門、エンドユーザーの要請にスピーディに答え、快適にサービスを届ける「サービサー」としての役割への変革が求められている。特に昨今は「速く作ること」が注目されがちだが、リリース後の運用の在り方が収益・ブランドを左右する以上、運用管理の役割はこれまで以上に重要になっているといえるだろう。

 ゴーギャン氏はそうした状況を指して、「開発者、運用者はそれぞれの立場からニーズに応え、“ビジネスの成果”をスピーディに提供するとともに、セキュリティやコンプライアンスも確実に担保していかなければならない。特にサービスを迅速・安定的に届ける運用管理の重要性は一層増している。今回発表したコンテナ化製品は、日々の運用を簡素化・確実化するとともに、“ビジネスへの寄与という価値”を提供するまでの期間を、これまで以上に短縮できる製品群。これを通じて金融、製造をはじめ、多くの業種のデジタル変革を支援していきたい」と話している。

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