LinuxコンテナはWindows Server上でネイティブ動作が可能 マイクロソフトがDockerCon 2017で紹介Hyper-Vの隔離技術で実現

マイクロソフトは「Hyper-V」の隔離技術を拡張し、LinuxコンテナがWindows Server上でネイティブに動作するようにした。

» 2017年04月20日 12時00分 公開
[@IT]

 米マイクロソフトは2017年4月18日(米国時間)、米オースチンで開催されたイベント「DockerCon 2017」で、仮想化ソフトウェア「Hyper-V」の隔離技術により、LinuxコンテナがWindows Server上でネイティブに動作するようにしたと発表した。

 これまで、LinuxコンテナはLinuxホストで、WindowsコンテナはWindowsホストで実行する必要があった。そのため、両方のコンテナを使用する場合は異なるインフラや複雑な開発ツールが必要だった。

 マイクロソフトはWindows Server 2016で、「Windows Serverコンテナ」と「Hyper-Vコンテナ」を利用できるようにしている。このうち仮想マシン上でコンテナを動作させ、高い隔離性を提供するHyper-Vコンテナでは、マルチテナントワークロードに対応したハードウェアベースでの隔離や、コンテナホストが使用しているものとは異なるカーネル(コンテナホストとは異なるバージョンのOSなど)をコンテナで使用することなどが可能となっている。

 マイクロソフトは、こうしたHyper-Vの隔離技術を拡張してLinuxコンテナをWindows Server上で実行できるようにした。これにより、同一ホスト上でWindows ServerコンテナとLinuxコンテナを並列して実行し、同じ操作性での隔離と管理が可能になるという。

 マイクロソフトは今回の発表について、革新的なオープンソースソリューションの実現に向けて長期にわたって進めてきたDockerコミュニティーとの協力の成果だとしている。また、WindowsおよびLinuxコンテナのサポートをさらに強化するため、オープンソースの「LinuxKit」やDockerプロジェクトでの協力を今後も継続する。LinuxKitは、安全、軽量でポータブルなLinuxサブシステムを構築するためのツールキットで、DockerがDockerCon 2017で発表した。

 さらにマイクロソフトは、顧客がLinuxコンテナをホストするためのLinuxディストリビューションを選択できるように、必要な統合コードをオープンソース化すると告知している。また、これまで協力してきた大手LinuxベンダーからもコンテナOSイメージが提供されるという。

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