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» 2017年05月08日 05時00分 UPDATE

あなたが“正しい”と思う「議事録」は別の誰かにとって“正しくない”:正しい「議事録」の書き方 (1/2)

「要件定義書」や「提案依頼書」などのIT業界で作成するビジネス文書の書き方を、分かりやすく伝授する連載「エンジニアのためのビジネス文書作成術」。今回のテーマは「議事録」です。ミスなくモレなく誤解もされない記述方法を学びましょう。

[吉澤準特,@IT]

連載「エンジニアのためのビジネス文書作成術」は、書籍「外資系コンサルのビジネス文書作成術」(吉澤準特著 東洋経済新報社)を基に、出版社の許可を得て、筆者自身が@IT読者向けに再構成したものです。画像はWindows 7 + Word 2013上のものです。機能はWord2013、2016のいずれでも使用できます


 あなたは仕事でドキュメントを作る際、どのソフトウェアを使っているでしょうか。

 これは業界次第で傾向が大きく異なります。広告業界やコンサル業界は「PowerPoint」が大好きですし、官公庁や出版業界は「Word」文書で溢れています。

 IT業界は「Excel」が多いですね。進捗(しんちょく)管理に使う「WBS」や「課題一覧」、設計フェーズの成果物となる「設計書」に至っては、Excel以外のフォーマットで作られたものを見たことがほとんどありません。

 しかし、IT業界でも「これだけはWordで作る」という定番の文書があるのを知っていますか?

Wordで作るべきドキュメント

作成頻度の高いもの

1 議事録

2 要件定義書

完成度を高めたいもの

3 提案依頼書(RFP)

4 謝罪報告書

 ドキュメントのフォーマットには向き不向きがあります。プロジェクターを用いて「プレゼンテーション」するならスライド単位で作るPowerPoint、「項目整理や表集計」なら表作成と表計算ができるExcelが最適です。同様に、Wordに最適なドキュメントもあるのです。それは、「A4タテ型で作る複数ページの文書」と「文言の変更履歴を残す文書」です。

 この条件にピッタリ当てはまるドキュメントがIT業界にもあります。本連載はその中から「作成頻度の高いもの」と「完成度を高めたいもの」の代表格である4つのドキュメント作成方法を解説します。初回は「議事録」の書き方です。

議事録に記載する「項目」

 前提として、会議の参加者は、全員があなたと同じ認識を持っているわけではありません。認識違いのせいで物事が遅れたり、やり直しになったりすることを防ぐには、「話し合った結果」を文章にして確かめるのが1番確実です。そのために書くのが、「議事録」です。

 議事録には、「いつ」「どこで」「誰が」「どんな会議に参加」し、「どんな討議資料を使って」「何を議論した」かを記述します。

 「誰が」=参加者の項目は、所属組織(会社、部署)ごとに記述を分けます。発言者の組織が分かると、文字に表現されていない発言の「意図」を推測できる場面があります。中立的に述べているようで組織寄りの発言をしていた、という部分に気付きやすくなりますし、参加者の役職(肩書)を明記すると、「発言の力関係」も見えてきます。

 議事内容には「発言者名」を記述し、会議中の「決定事項」「TODO」(アクションアイテム)を、個別に明記します。アクションアイテムには必ず「担当者」と「期限」を定めます。「次回会議の予定」があれば、それも含めます。

 以下に、ポイントをまとめます。自分が書いた議事録の見直し観点、他の人が書いた議事録のレビュー観点としましょう。

1 「決定事項」と「ToDo」は全て明示する

期限のない意思決定は「決定事項」

期限のある意思決定は「ToDo」

2 ToDoには「担当者」と「期限」を設定する

不明な場合は、会議の最後に必ず確認する

3 短く完結に書く

敬語は不要

冗長な言い回しや、なくても通じる表現は削る

決定事項やToDoに直結しないやりとりも削る

4 足りない情報は書き加える

「暗黙の前提」は明示する

「文脈上の主語」も明示する

5 「呼称」を統一する

役職名で表示、役職名を持たない相手は三人称敬称(氏)など

6 「具体的」に書く

日付ならば、「来週」ではなく「5月15日」のように具体的な日付を記す

7 「言い回し」を調整する

「口語表現」は使わない

推測を断定的に書かない

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