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» 2017年05月12日 05時00分 UPDATE

ヴイエムウェアが初の公開デモを実施:画面で見るVMware Cloud on AWS。AWSで手軽に専有vSphere環境を構築

米ヴイエムウェアとAmazon Web Services(AWS)が2017年中ごろに提供開始予定の「VMware Cloud on AWS」。2017年5月第2週に開催された「Dell EMC World 2017」で、初の公開デモが実施された。本記事ではデモの画面を収録し、このサービスがどのように使えるのかを紹介する。

[三木泉,@IT]

 米ヴイエムウェアとAmazon Web Services(AWS)が2017年中ごろに提供開始予定の「VMware Cloud on AWS」。2017年5月第2週に開催された「Dell EMC World 2017」で、米ヴイエムウェアCEOのPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏は、同サービスをデモで紹介した。同氏によると、「初の公開デモ」だという。本記事ではデモの画面を再収録し、このサービスがどのように使えるのかを紹介する。

専有型クラウドは機動的に使えない?

 VMware Cloud on AWSは、ヴイエムウェアがAWSからデータセンターの一部とサーバハードウェアを借りることで用意するインフラ上に、ユーザー組織がオンデマンドで専有のVMware vSphere環境を構築し、プライベートクラウドとして利用できるサービス。販売およびサポートはヴイエムウェアおよび販売パートナーが行う。

 ホステッドプライベートクラウドなので、ユーザー組織はハードウェア(サーバ)を他のユーザーと共有せず、専有できる。そう聞くと、「構築に時間がかかる」「スモールスタートができない」「使い勝手が悪い」といった印象を持ちがちだ。

 だが、今回のデモでは、ウィザード形式で簡単に使え、小規模な環境でも構築ができ、しかも構築は短時間で済むことを示した。「パブリッククラウドに似た使い勝手のプライベートクラウドサービス」だといえる。

オンデマンドで専有環境を構築

 では、デモの流れに従って、VMware Cloud on AWSの使い勝手を紹介する。

 まず、プライベートクラウド環境を構築するAWSのリージョンを選択。次の画面では、作りたい自社専用vSphere環境の規模を指定する。

画面1 構築する自社クラウドの規模は、メニューから選べる

 vCloud Airと同様、VMware Cloud on AWSには仮想インスタンスサイズのメニューはない。構築するvSphere環境の規模は、サーバ4台、32台、64台にそれぞれ決め打ちで設定された合計CPU、メモリ量、ストレージ容量の構成を備える3つの選択肢から選べる(画面1)他、カスタム構成も可能だ。確保したリソースからCPU、メモリ、ストレージのリソースを切り出す形で、後に自由な構成で仮想マシンを作成できる。仮想マシンの利用リソースは、後で変更できる。

 次に現れる画面で、課金形式と支払方法を選択する。VMware Cloud on AWSの料金体系は、3カ月、1年などを単位としたサブスクリプション、1時間単位の課金の2通りを選択できる。支払いは請求書ベースとクレジットカードを選択可能。

 確認画面を経て指定済みのリージョンに専有vSphere環境が構築される。構築は短時間で済み、環境構築終了までユーザーは何もする必要がない。これは、AWSデータセンター内でのサーバのブートストラップからESXiハイパーバイザー導入、ネットワーク構成、vCenterの導入まで、構築作業が完全に自動化されているために実現している。

画面2 AWSの北バージニアとオレゴンにvSphere環境が構築された

 環境構築終了後、画面2のような形で、自社の利用しているvSphere環境を確認できる。ここでは、AWSの米バージニア北部とオレゴンの2つのリージョンに、自社専用vSphere環境としてリソースが確保されていることが確認できる。

 仮想化環境の構築が済めば、あとは仮想マシンを作成していけば良い。デモでは、複数のクラウドサービスに対応したクラウド運用自動化ツールの「VMware vRealize Automation」をツールとして用い、アプリケーションを導入するプロセスを見せていた。

画面3 vRealize Automationで、事前作成済みのサービスカタログを利用
画面4 ここではWordPressを選択、導入リージョンなどを選ぶ

 画面3は、vRealize Automationのサービスカタログだ。デモではここからWordPressを選択し、導入するプロセスを見せている。WordPressを選択すると、次の画面(画面4)で導入先リージョンとデータ保護レベルが選択できる。導入先については、パフォーマンス要件などから自動的にvRealize Automationが決めるようにすることも可能という。

画面5 画面最下部で、新たな仮想マシンが作成されたことを確認できる。

 作成した仮想マシンは、vSphereの管理ツールであるvSphere Clientから管理できる(画面5)。

AWSからオンプレミスへのDRを透過的に設定・運用

 AWS on Cloudでは、Dell EMCのデータ保護ソフトウェア群「Dell EMC Data Protection Suite(DPS)」によるバックアップ/リカバリを透過的に利用できる(画面6)。

画面6 vSphere ClientからそのままDPSが使える
画面7 「Instant Access」で仮想マシン形式のバックアップができる

 DPSでは、仮想マシン(仮想ディスク)形式でバックアップを行えるため、バックアップコピーを仮想マシンとして起動するだけで即座にリカバリが行える「インスタントアクセス」という機能のメリットを、デモでは強調していた(画面7)。他に、仮想ディスク内のファイルをリカバリする機能なども、vSphere Clientから使える。

画面8 VMware Cloud on AWSからオンプレミスのVMwareにDR(画面右下部に構成が表示されている)

 災害対策(ディザスタリカバリ)についても、「Dell EMC ReccoverPoint for VM」というソフトウェアを利用し、例えばAWSのリージョンに作成した自社vSphere環境から自社データセンターへアプリケーション単位で遠隔複製することが可能だ(画面8)。この場合も、リカバリでは自社データセンターのレプリカを選択するだけで、即座にアプリケーションを復旧できるという。

AWS側からはVPCのように見える

 このように、VMware Cloud on AWSはvCloud Airで提供されていた専有型クラウドサービス(Dedicated Cloud)に似た感覚で利用できるサービスだ。筆者が2017年4月、米ヴイエムウェアのクラウド&ネットワーキング担当CTOであるGuido Appenzeller(グイド・アッペンツェラー)氏に確認したところによると、VMware Cloud on AWSにおける各ユーザー組織のプライベートネットワーク空間は、AWSサービス側からはVPCとして扱われる。VMware Cloud on AWSからAWSの各種サービスを利用できる他、VPC Gateway経由で同一ユーザー組織のVPCと接続できるという。

[取材協力:Dell EMC]

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