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» 2017年05月23日 05時00分 UPDATE

その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(83):信じてはいけない? Windows 7/8.1の更新ファイルのダウンロードサイズ (1/2)

Windows 7/8.1やWindows Serverに対する毎月の更新プログラムの提供方法は、2016年10月から大きく変わりました。その影響により、Windows Updateの実行中に示されるダウンロード合計サイズと実際のサイズにズレが生じ、今後もそのズレ幅は拡大していくことになります。

[山市良,テクニカルライター]
「Windowsにまつわる都市伝説」のインデックス

2016年10月からWindows 7/8.1のOSと.NETの更新は“累積的”に

 Windows 7/8.1を毎月Windows Updateで手動更新している方は、「最近、更新プログラムの数は少なくなったけど、サイズが大きくなってきているな」と感じている人は多いと思います(画面1)。そして、ダウンロードに時間がかかることに、「ダウンロードサイズが大きいからだろう」「今日はWindows Updateの日だから、ネットワークが混雑しているのだろう」と思っていませんか。Windows Server Update Services(WSUS)やその他の更新管理システムを導入していない、Windows Server 2008 R2/2012/2012 R2のサーバ管理者の方もそう感じているかもしれません。

画面1 画面1 2017年4月のWindows 8.1(x64)のWindows Update。ダウンロード中、表示されている合計サイズのファイルをダウンロードしているのかというと、実はそうではない

 もしかすると、ネットワークの混雑に関しては影響があるかもしれませんが、ダウンロードに時間がかかるのは、サイズの大きなファイルをダウンロードしているからではない可能性があります。実は、Windows Updateに表示される更新プログラムのサイズは、実際にダウンロードされるサイズを示していないことがあります。この表示サイズと実際のサイズの不一致は、2016年10月の定例更新から始まりました。

 2016年10月に以下の連載記事で取り上げましたが、Windows 7/8.1向けのOSの更新プログラムと.NET Frameworkの更新プログラムの提供方法が、Windows 10と同様の“累積的な更新プログラム”に切り替わりました。

 Windows Updateでは、OSの累積的な更新プログラムは「セキュリティマンスリー品質ロールアップ」、.NET Frameworkの累積的な更新プログラムは「セキュリティおよび品質ロールアップ」という名前で配布されます。なお、「Microsoft Updateカタログ」(https://catalog.update.microsoft.com/)から個別にダウンロードする場合や、WSUSを利用する場合は、セキュリティマンスリー品質更新ロールアップではなく、セキュリティ以外の更新を含まない、「セキュリティのみの品質更新プログラム」(これも累積的)を使って更新することが可能です。

 以下の画面2〜4は、前回までの重要な更新プログラムが全て適用済みのWindows 7(x86)、Windows 8.1(x64)、Windows Server 2012 R2を、2017年4月12日(4月の定例更新日)にWindows Updateで手動更新を実行して検出された更新プログラムを示しています。

画面2 画面2 Windows 7(x86)に対して、2017年4月に配布された重要な更新プログラム
画面3 画面3 Windows 8.1(x64)に対して、2017年4月に配布された重要な更新プログラム
画面4 画面4 Windows Server 2012 R2に対して、2017年4月に配布された重要な更新プログラム

 これらの全てでWindowsの「セキュリティマンスリー品質ロールアップ」と.NET Frameworkの「セキュリティおよび品質ロールアップ」が検出されました。そして、更新プログラムの合計サイズの大部分は、この2つの更新プログラムが占めています。

 Windows 10の新しいWindows Updateのユーザーインタフェース(UI)は、検出された更新プログラムのサイズを教えてくれません。本連載第71回では、実際のダウンロードサイズを計測し、Windows UpdateのUIがサイズを示さない理由を考察しました。

 Windows 10のWindows Updateは、累積的な更新プログラムについて、更新が必要なコンポーネントを調査しながら、ダウンロードするファイルを決定し、ダウンロードするという仕組みです。そのため、実際にダウンロードされるファイルのサイズは、前回の累積的な更新との差分より小さくなります(累積的な更新プログラムに追加された新しい更新の全てが必要なわけではないので)。このような仕組みであるため、事前に、あるいはダウンロード中にそのサイズを示すことができないのです。

 2016年10月以降、Windows 7、Windows 8.1、そしてWindows Server 2008 R2/2012/2012 R2についても、Windowsの「セキュリティマンスリー品質ロールアップ」と.NET Frameworkの「セキュリティおよび品質ロールアップ」の配布は、同様の仕組みで行われています。しかし、これらのWindows Updateは、累積的な更新プログラムを前提に設計されたものではありません。

 これらのOSのWindows Updateは、Microsoft Updateカタログで公開されている同じ更新プログラムのダウンロードサイズに相当するサイズ(おそらく、Windows Update Agent APIで取得した更新プログラムのMaxDownloadSize属性)を単純に示し、合計を計算しているにすぎないのです(画面5)。

画面5 画面5 Microsoft Updateカタログで公開されている「セキュリティマンスリー品質ロールアップ」。新しい品質ロールアップは、以前の品質ロールアップを置き換える

 以下のに、Microsoft Updateカタログで公開されている、Windows 7とWindows 8.1向けの「セキュリティマンスリー品質ロールアップ」のサイズをまとめてみました(2017年4月時点)。x64版はWindows Serverと同サイズです。以前のものを置き換える累積的な更新のため、サイズは増える一方です。ちなみに、最近問題になったランサムウェア「WannaCry」(WannaCrypt、Wanna Cryptor、Wcryなどとも呼ばれています)が使用する脆弱(ぜいじゃく)性は、2017年3月以降の更新で修正されています。累積的なので、3月の更新を適用していなくても、4月以降の更新を適用していれば修正済みということになります。

●Windows 7 SP1/Windows Server 2008 R2向け
 リリース月  KB番号  x86向け  x64向け
 2016年10月  KB3185330  72.0MB  119.4MB
 2016年11月  KB3197868  82.3MB  133.9MB
 2016年12月  KB3207752  87.6MB  142.7MB
 2017年1月  KB3212646  87.6MB  142.7MB
 2017年2月  なし  ―  ―
 2017年3月  KB4012215  89.0MB  145.5MB
 2017年4月  KB4015549  97.6MB  159.9MB

●Windows 8.1/Windows Server 2012 R2向け
 リリース月  KB番号  x86向け  x64向け
 2016年10月  KB3185331  69.9MB  116.6MB
 2016年11月  KB3197874  87.0MB  155.5MB
 2016年12月  KB3205401  101.1MB  179.4MB
 2017年1月  なし  ―  ―
 2017年2月  なし  ―  ―
 2017年3月  KB4012216  108.0MB  194.8MB
 2017年4月  KB4015550  122.4MB  220.9MB

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