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» 2017年06月02日 10時00分 UPDATE

サーバ導入/買い換えに伴うトータルコストは人的コスト含め試算できる――ITの経済性評価が行える無料サービスとは

企業がサーバ導入/買い換え時にシステム全体の運用管理や保守にかかるコストを算出しようとしても、結局「分からない」とあきらめがちだ。しかし、本当にそうなのだろうか。多種多様な構成のシステムを手掛けてきた日本IBMは、サーバ導入/買い換え時に「ITの経済性評価」を支援する「Eagle TCO Study」を基本的には無料で提供している。どのように人的コストまで含めたトータルコストを試算しているのか、担当者に聞いた。

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「サーバ導入/買い換えに伴うトータルコストは分からない」ままでいいのか

 企業がサーバを導入する、もしくは買い換えるときに一番気にするコストとして、ハードウェアの料金が挙げられることが多い。これは、ハードウェアと併せて導入するソフトウェアや人的コストまで含めて、システム全体の運用管理や保守にかかるコストを算出しようとしても、結局「分からない」とあきらめることになりがちだからだ。しかし、本当にそうなのだろうか。

日本IBM ソフトウェア事業 IBM Eagleチーム ITエコノミクスアナリスト 担当技術部長 芳尾俊英氏

 多種多様な構成のシステムを手掛けてきた日本IBMは、サーバ導入/買い換え時に「ITの経済性評価」を支援する「Eagle TCO Study」を基本的には無料で提供している。Eagle TCO Studyでは、どのように人的コストまで含めたトータルコストを算出しているのか――日本IBM ソフトウェア事業 IBM Eagleチーム ITエコノミクスアナリスト 担当技術部長の芳尾俊英氏に聞いた。

 サーバ導入/買い換え時に、多くの企業がハードウェア関連のコストを重視している背景について、芳尾氏は次のように指摘する。

 「現場のIT担当者は、ハードウェアの初期投資以上に、導入後の維持管理や運用にかかるコストが大きいことは認識している。しかし、アプリケーションや人的コストまで含めたトータルコストを算出するのは、そう簡単なことではないのが現実だ。特に人的コストについては、運用管理業務の実態を把握できていない企業も多く、定量化するのが非常に難しい。そのため、サーバの導入や買い換え時には、まず、目に見えて分かりやすいコストが中心の評価(ハードウェアのコストが主で、範囲を広げても主要なミドルウェアのコストまで)をすることが優先されてしまう」

ITシステム全体の経済性を、無料で評価する「Eagle TCO Study」とは

 こうした状況の中で、日本IBMでは、サーバの導入/買い換えに当たって、ハードウェアのコストだけではなく、アプリケーションや人的コストも含めたトータルコストを算出し、ITシステム全体の経済性を適正に評価する手法として「Eagle TCO Study」を基本的には無料で提供しているという。

 では、Eagle TCO Studyは、定量化が困難とされる人的コストも含めて、どのようにトータルコストを算出しているのだろうか。「Eagle TCO Studyの基本的な考え方として、『コストカテゴリ』『環境』『時間軸』『非機能要件』の4つの観点から、ITシステムのトータルコストを試算し、評価を行う」と、芳尾氏は説明する。

Eagle TCO Studyの考え方〜4つの観点〜

 「コストカテゴリ」は、ハードウェアやソフトウェア、人件費、ネットワーク、ストレージ、設備などに関わるコスト項目。「環境」は、本番環境、スタンバイ環境、開発環境、テスト環境、検証環境、災害対策環境などITシステムの環境要素。「時間軸」は、将来的な処理量(データ、トランザクション、ユーザーなど)の増加、ハードウェアの更改、M&Aやデータセンター移転/統合、災害対策の見直し、マイグレーションといった時間的要素。「非機能要件」は、システム障害コストや信頼性・可用性・保守性、セキュリティ、サービスレベルなどに関わる要件となる。

 「これらの4つの観点から、ITシステム全体のコスト要素を全て洗い出し、ライフサイクルトータルでのコストをできる限り数値化することで、お客さまのサーバ導入/買い換え時における適正なプラットフォーム選択を支援する」としている。

試算のプロセス――キックオフからレポートまで約6週間を想定

Eagle TCO Studyの実施プロセス

 Eagle TCO Studyの実施に当たっては、まず、同社がサービスの概要説明を行った上で、顧客企業からの要求やITシステム環境の状況などをヒアリングして適用の妥当性をアセスメントし、実施可否を判断する。ここで、サービスの適用が決定すると、実施に向けたファーストステップとして、同社と顧客企業による2〜3時間程度のキックオフミーティングが行われる。

 「キックオフミーティングでは、Eagle TCO Studyの実施目的やお客さまのIT要望、課題を当社チームと共有し、アプリケーションやプラットフォームなどの対象範囲を選定する。併せて、ITシステムに関わるコスト情報をどの程度まで収集できるかを確認するとともに、当社によるコストデータの収集/トラッキング方法について理解してもらう。その上で、サーバ統合、オフロード、新規ワークロード追加など、Eagle TCO Studyで検討するシナリオや各ケースの確認および意識合わせを行い、実施スケジュールを調整する」

 このキックオフミーティングを皮切りに、Eagle TCO Studyのプロジェクトが本格的に始動。顧客企業には、専用の問い合わせ窓口(担当者)をお願いし、コスト試算のために必要となるITシステム情報(システム設計図、アプリケーション配置、ハードウェア機器一覧、ソフトウェア製品一覧、ストレージ機器一覧、ネットワーク機器一覧、サポート要員情報、施設費用など)を可能な限り提供してもらう。キックオフミーティングから1〜2週間後、これらの情報がそろったタイミングで、2回目のセッションを行い、具体的な実施条件やコスト試算の方向性について最終確認してTCOモデルを確定する。この結果を受け、EagleチームによるTCO試算のフェーズに入る。

 TCO試算プロセスとしては、まず、比較検討するシナリオごとにTCO算出のテンプレートを用意し、これに顧客企業から提供された各種ITシステム情報を当てはめていく。サーバ構成のサイジングなども、このフェーズで実施する。試算したTCOについては、米国本社のEagleチームのエキスパートによる社内技術レビューを実施し、この結果を踏まえて各シナリオのTCOを仮試算する。ここで、顧客企業への中間報告を行い、要望や意見、追加情報などを吸い上げ、最終レポートに落とし込んでいくのが標準的な進め方になる。実際には「お客さまの状況やStudyの内容で、柔軟な対応もできる」という。

 このTCOモデル作成とコスト試算のプロセスで注目されるのが、定量化が難しい人的コストをどう数値化するかという点だ。芳尾氏は、人的コストを試算するポイントを次のように説明する。

 「Eagle TCO Studyでは、人的コストの試算に当たり、お客さまにITシステムの維持管理要員に関するフォームを提供し、どの業務にどのくらいの要員を割り当てているのかをチェックしていただく。サーバハードウェアの維持管理やソフトウェア製品関連の作業の割合、外注要員と自社要員の割合とおのおののコスト情報が提供可能な場合には、その情報も提供していただいている」

 しかし実際は、こうした情報を得るのが困難なケースも多い。「その場合は可能な範囲をご提供いただく。それに加えて、北米での人的コスト関連の調査結果や、過去の事例から同様のITシステムの人的コストなどを参考にし、概算で人的コストが全体に占める割合を可視化していく。参考値で代替する部分が多いほど精度は低くなるので、後でお客さまの実態を踏まえた補正や検証していただくことが望ましい。それをフォロー項目とすることもある」

 重要なのは、まずはラフな前提を設けてでもよいので、数値化して検討・議論の“遡上に乗せる”ということだ。

 最終報告で提供されるレポートには、「Eagle TCO Studyの実施目的」「検討シナリオと仮定事項(前提条件)」「TCO結果の比較」「考慮すべき他の要素の提示」「結論と推奨事項」などの内容が含まれる。この中でメインとなるのが「TCO結果の比較」で、各シナリオの5年間(標準的な評価期間ケース)のTCO試算結果をチャートで比較できる他、要件に応じてコスト項目の合計やワークロード増加率、災対レベル、要求される品質レベルなどの条件を変えた比較も可能となっている。

 キックオフミーティングから最終レポート提出までの期間は、対象範囲や比較シナリオの数と難易度により変わるが、標準的には約6週間を想定している。

試算を行う際の注意点

 Eagle TCO Studyを活用する際の注意点は、どんなものなのだろうか。

 Eagle TCO Studyの最終レポートで示されるTCO試算は、あくまで試算であり、実際のシステム提案書や見積書とは位置付けが異なるものだ。TCO試算には、他社製品とのコスト比較・評価や将来のコスト予測など、さまざまな仮定要素も加味されている。「仮定する条件についてはお客さまに確認をお願いして確定するので、その意味では、お客さまと共同で作業していると考えている。Eagle TCO StudyのTCO試算は、サーバ導入/買い換え時のプラットフォーム選択において、TCO評価の適正な知見を得るために活用してほしい」

 Eagle TCO Studyのサービスは、基本的に無料で提供しているというが、顧客企業のニーズやITシステム環境によっては有償になる可能性はないのだろうか? 芳尾氏は、この点に以下のように答えた。

 「例えば、アプリケーションの移植にかかるコストや詳細なシステムデザインなど詳細提案に近い精度のコスト算出を求める場合は、専門スタッフによる試算が必要になる場合もあるため、有償の可能性はある。ただし実際のケースでは、ほとんどのお客さまで、最初に対象範囲を検討するときに、まず無料の範囲で実施してみよう、ということになる。他の有償サービスと組み合わせる場合は別として、現在まで、日本では無料の範囲で実施してきている。この点はご相談の中で対応できると思っている」

分散システムのx86サーバをIBM LinuxONEに集約する際はTCOを50%も削減

 Eagle TCO Studyは、すでに国内外で数多くの企業や組織で活用されている。その中でも米国の政府関連機関の事例では、最終レポートで大幅なTCO削減効果が示されたという。この事例は、現在使用している分散システムのx86サーバを、エンタープライズ向けLinuxサーバ「IBM LinuxONE Emperor」に集約するシナリオ検討で、Eagle TCO Studyを活用したものだ。

 具体的には、既存のx86環境のOracle DBサーバ39台(396コア)を、「LinuxONE Emperor」1台(17IFL=17コア)に集約した場合のTCO比較を行った結果、「IBM LinuxONE Emperor」にシステム集約することで、TCOを50%も削減できることが試算された。

米国の政府関連機関の事例:LinuxONE統合ケースは、5年間で480〜500万ドルもTCOが低い

 この理由としては、コア数の集約によってソフトウェアライセンスおよび保守契約コストが低減されるとともに、サーバ設置面積の縮小によるスペース、エネルギーコスト低減や仮想化統合によるネットワーク機器(スイッチなど)コストの低減効果が大きいことを挙げている。

 また、高信頼性の統合基盤により保守負担が削減(パッチやソフトウェア更新頻度の削減、障害対応作業削減)されることで、維持管理要員の有効活用という副次効果も見込めるとしている。

デジタル変革時代に向けて、運用コストを削減し、攻めのIT投資へ

 今後の日本市場におけるEagle TCO Studyの展開について芳尾氏は、「現在日本では、サーバ導入/買い換え時での目的に合ったプラットフォーム選択を支援する『ワークロード最適プラットフォーム評価』をメインに提供しているが、今後はサービスメニューをさらに拡充していく予定だ」とさらなるサービスの拡充に意欲を見せた。

 「特に、『ビジネス・バリュー・アセスメント』は、お客さまの各ソリューションの特性・属性を踏まえ、ビジネス要求・要件とのマッピングを整理するサービスで、これから迎えるデジタル変革時代に必要不可欠になると考えている。この他、機械学習などを、経済性を含めてビジネス評価するサービスの提供も検討している」

 今、ITシステムのコスト問題に悩んでいる企業は、基本無料のEagle TCO Studyを活用してITシステムの適正なTCOを把握するとともに、運用管理にかかるコストを見直し、攻めのIT投資へと転じる第一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年6月30日

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