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» 2017年06月02日 05時00分 UPDATE

Gartner Insights Pickup(21):CIOに贈る、「戦略の伝え方」のフレームワーク

CIOには戦略について適切なコミュニケーションが必要だ。誰がステークホルダーなのかを明確に認識し、全ての主要なステークホルダーからの適切な理解と関与を得ることで、技術戦略を成功に導く必要がある。

[Kasey Panetta,Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップ。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 国際的な大企業のCIOの多くは、コミュニケーションの問題を抱えている。ビジネスに技術を活用する取り組みを進めていくにはビジネスサイドからの支持が必要だ。だが、ステークホルダーが多岐にわたり、数も多いことから、CIOには効果的なコミュニケーション計画が必要になる。それはどのようなものだろうか。

 「どの企業においても、IT戦略は非常に重要だ。だが、ほとんどのCIOは戦略について効果的なコミュニケーションを行うのに苦労している。ほとんどの企業は戦略展開についての明確なアプローチを持っていないので、戦略に関するコミュニケーションが困難になり一貫性のないものになっている」と、Gartnerのリサーチディレクターを務めるクリスティー・ストラックマン氏は語る。

 企業のCIOは、経営陣や役員からビジネスエコシステムの関係者まで、ステークホルダーの関与を確保する必要がある。CIOは自らの責任として戦略の伝達や説明を行い、戦略における情報および技術の価値をアピールし、なすべき仕事を理解してもらった上で計画への期待をかき立てなければならない。

 CIOは過不足のない情報提供を行い、全てのステークホルダーが必要なときに必要な情報を得られるようにする必要がある。

あなたにとって、誰が「ステークホルダー」なのか

 「さまざまなステークホルダーが、プロセスのさまざまな部分に関わる必要がある。適切なステークホルダーが適切な議論に加わるように取り計らうことが成功の鍵となる」と、Gartnerのリサーチバイスプレジデントを務めるヘザー・コレラ氏は語る。

 ステークホルダーは、次の4つのいずれかの理由で利害関係がある。

  • 施策の実行に責任を持っている
  • 施策の成果や結果について説明責任がある
  • 施策の立ち上げ時に相談を受ける必要がある
  • 施策の進捗状況について情報提供を受ける必要がある

 一般的に、ステークホルダーは4つのグループに分類される。すなわち、経営陣や役員、ビジネス部門、IT組織、デジタルエコシステム関係者だ。

経営陣/役員: 経営陣や役員の関与が必要なのは、彼らがビジネス戦略、財務管理、リスク管理に責任を持っているからだ。ビジネスに情報や技術を活用する取り組みを行うには多大な投資が必要になる。そのため、CIOは経営陣や役員の後押しを得る必要がある。CIO自身がこのグループに属さない場合でもそうだ。

ビジネス部門: マーケティング、オペレーション、サプライチェーン、人事、財務といった、ビジネス部門における戦略的パートナーへの働きかけも必要だ。こうした戦略的なステークホルダーのエンゲージメントを得ることで、IT戦略に関するビジネス部門の連携と支持を確保できる。

IT組織: 自社の社員および契約業者を含むITチームと力を合わせる必要がある。計画の段階で社員をできるだけ関与させることで、コミットメントを確保し抵抗を減らせる。

エコシステム: ビジネスエコシステム関係者には、顧客、パートナー、サプライヤー、大学、さらには競合他社が含まれる。こうしたステークホルダーの一部は、従来はステークホルダーではなかったが、CIOはこうした面々とも戦略的な対話を行うようにしなければならない。

ステークホルダーの関与を得る

 各ステークホルダーを特定しても、それぞれの関与をいつ得るかを判断するのは難しい。だが、3つの要素からなる枠組みによって、CIOがステークホルダーと何を話すべきかを時間軸に沿って整理できる。

長期計画: この計画ではビジネスコンテキスト、目標や目的、ビジネス機能、方針、成功の尺度をカバーする。各ステークホルダーが注目する部分や主要戦略への貢献の度合いは異なるが、どのステークホルダーもこれらの項目に関与し認識している必要がある。例えば、経営陣は全ての投資やガバナンス施策に関わらなければならない。IT組織は個々の技術機能について、ロードマップやスケジュールを持っている必要がある。

中期計画: この計画では、企業の情報や技術に関して必要になった変更(達成方法、ガバナンス、文化、人、指標など)を扱う。この段階では、ステークホルダーと効果的な対話を行うことが重要だ。例えば、ビジネス部門には成功の尺度や実行計画を認識してもらう必要がある。エコシステム関係者には、成功の定義や変更がエコシステムにどのような影響を与えるかを認識してもらう必要がある。

短期計画: 全体的な目標にさまざまなインプットや説明責任を盛り込んだ、短期の部門計画の詳細を詰める。例えば、IT組織にはどのようなトレーニングや開発が必要かを認識してもらう必要がある。エコシステム関係者との間では、サービス契約やパートナーシップ契約をまとめる必要がある。

出典:A CIO’s Framework for Communicating Strategy(Smarter with Gartner)

筆者 Kasey Panetta

Brand Content Manager at Gartner


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