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» 2017年07月21日 05時00分 UPDATE

Gartner Insights Pickup(25):AIは顧客に「時間」という貴重なリソースを提供できる

AIの活用により、顧客の満足度を大幅に高められる可能性がある。企業が消費者向け製品・サービスでAIを推進する際の重要なポイントの1つは、「ユーザーの時間をどれだけ節約できるか」ということにある。

[Amy Forni, Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップ。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 医者の診察を受けるのにかかる時間を考えてみたい。医者を見つけて診療を予約し、医療機関へ行き、長々と待合室で待ってようやく医師と話すことができる。人工知能(AI)による健康管理ツールは、診断を受けるのに必要な手続きを短縮できる。例えば、画像認識とDeep Learningを活用したウェルネスツールは、皮膚の不調を自己診断できる。

 最先端のテクノロジー&サービスプロバイダー(TSP)は、AI対応の将来を前提として戦略を立てている。 Apple、Dell、Facebook、Google、Microsoft、Samsungなどは、AIのスタートアップ企業を買収し、AIの進化に向けた新しいプラットフォームを開発している。必要な選択肢や意思決定を減らすことで、AIはユーザーの時間を節約できる。

AIで優れた顧客経験を実現せよ

 TSPが顧客の期待を満たすだけでなく、これを上回り競争で優位を獲得するには、優れた顧客体験の提供が非常に重要だ。TSPは、顧客サービスやサポートにおけるやりとりの迅速化およびパーソナライズ、顧客体験の向上のために、チャットボットなど、AIを活用するツールを今後ますます利用するようになるだろう。

 ガートナーのリサーチバイスプレジデント、ジェシカ・エックホルム氏は次のように述べている。「顧客満足度が高まるにつれて、クロスセルおよびアップセルの可能性も高まる。そのため、TSPは遅くとも2019年までにAIベースのサービスチャットボットを実装すべきだ。TSPはチャットボットの実装に加えて、仮想パーソナルアシスタント(Virtual Personal Assistant:VPA)、インテリジェントなアプリ、ボットの利用の広がりなど、革新的なユーザートレンドに向けて計画や準備を進める必要がある」。

時間を短縮して顧客満足度を向上せよ

 ガートナーは「AIツールを使用した結果として、2018年には5億人のユーザーが1日2時間を節約する」と予測している。TSPは、AIを活用したツールによって、「顧客の好みを反映した製品やサービス」を設定すべきだ。これによって、ユーザーは考えたり選択したり、設定したりすることが少なくなる。「AIは行動と選択の必要性を減らすことで、ユーザーの時間を節約する。迷惑メールフィルタリング、自動運転車、自動的なオークションの入札、室内温度制御、ホームセキュリティのための視覚認識システム、その他多くのユースケースにおいて、ユーザー側の労力を時にはゼロにし、ユーザーの時間を節約できる」と、ガートナーのリサーチディレクター、アンソニー・ミューレン氏は語っている。

 消費者によるAIの利用は、特にInternet of Things(IoT)センサーやコネクテッドデバイスから収集されるデータを通じ、将来の技術開発に影響を与える。ガートナーは、2018年までに60億件の接続された「モノ」がAIプラットフォームによるサポートを積極的に要求するようになると見込んでいる。スマートデバイスは自らのパフォーマンスを監視し、改善するようになるだろう。「AIが推進する多くの製品やカテゴリにわたる大小の改善が、全体としてユーザーの時間を節約するとともに経験の質と喜びを向上させるだろう」とミューレン氏は述べている。

改善を続けよ

 顧客の経験を向上させ破壊的な技術に備えるため、エックホルム氏はTSPに「ユーザーから学び、信頼を築いて作業を肩代わりし、ユーザーが製品とのやりとりに費やす時間を大幅に短縮する」ことをアドバイスしている。TSPはまた、顧客が豊富な行動データをAI対応のツールに提供するよう促し、これを通じて自社の推論を調整し、最終的には顧客に代わって行動できるようになることを目指すべきだ。

 AI、データサイエンス、ディープニューラルネットワーク(DNN)、スマートアシスタントへのTSPの投資は、自社の製品やサービスをよりスマートにする方法を考えるにつれて急速に成長している。 TSPは、顧客が自社の製品やサービスをどう使用し、どう感じているかを知り、自社製品を理解しやすくできるか、顧客が利用する他の製品やサービスとどのように統合できるかを検討する必要がある。

出典:AI Gives Customers a Valuable Resource: Time(Smarter with Gartner)

筆者  Amy Forni

Public Relations Manager


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