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» 2017年07月26日 05時00分 UPDATE

データベースサポート最前線の現場から(12):【Oracle Database 12c】Oracleライセンス「SE2」検証 CPUスレッド数制限はどんな仕組みで制御されるのか (1/2)

データベース管理システムの運用でトラブルが発生したらどうするか。データベースサポートスペシャリストが現場目線の解決Tipsをお届けします。今回は、Oracle Database 12c(12.1)で採用されたライセンス形態「Standard Edition 2(以下、SE2)」の機能制限がどのように行われるのかを検証します。

[大野高志,株式会社アシスト]
※本連載は、アシストのデータベースサポートスペシャリストによる「Database Support Blog」より、提供社の許可の下、一部修正して転載するものです。

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「SE2」のCPUスレッド数制限を確かめる

 2015年9月にリリースされた「Oracle Database 12c(12.1.0.2)」以降のStandard Editionは、これまでのライセンス体系だったStandard Edition One(SE1)およびStandard Edition(SE)ではなく、新たなライセンス体系である「Standard Edition 2(SE2)」として提供されます。

 SE2への変更は、これまでのSE1/SEにはなかった以下の「CPUスレッド数の制限」が特に大きな変更内容になります。

SE2で追加された制限

  1. 搭載可能CPUソケット数は「2つ」まで(全OSで共通)
  2. インスタンス当たり、最大で「16CPUスレッド」までしか同時に使えない

 特に2番目の「インスタンス当たり、最大で16CPUスレッドまでしか同時に使えない」制限について、アシストのサポートセンターへ以下のような問い合わせが多く寄せられました。

  • どうやって制御しているのか
  • 「16セッションまで」しか同時に接続できない、ということなのか
  • バックグラウンドプロセスも影響を受けるのか
  • 同一サーバ内で複数のデータベースを構築している場合はどのように制御されるのか
  • Oracle RAC(Oracle Real Application Clusters)ではどのように制御されるのか

 今回はこれらの疑問を解消すべく、SE2のCPUスレッド数に関わる部分を確かめてみましょう。

 検証環境は以下の通りです。

検証環境

  • サーバ:HPE ProLiant DL380e Gen8(8SFF SAS RDIMMモデル)
  • CPU:インテル Xeon プロセッサー E5-2470×2(2.30GHz・16コア/32スレッド)
  • メモリ:128GB
  • ストレージ:HPE SAS HDD(1万rpm/600GB/SC 6Gbps)×5
  • OS:Red Hat Enterprise Linux 6.6
  • データベース:Oracle Database 12.1.0.2 Standard Edition 2(シングルインスタンス)

検証:1スレッドで17セッション以上占有する処理を行ってみる

 下記のように「1スレッドを占有する処理」を実行します。このセッションを1つずつ増やして、制限内となる16セッション目と、制限を超えた17セッション目以降でどのように変わるのかを確認します。

declare
     foo number;
 begin
     while (1=1) LOOP
     foo := 1+1;
     end loop;
 end;
 /
「1スレッドを占有する処理」のサンプル

 まず「mpstat」を確認しましょう(画像1)。すると、16セッションまで(画像1の左)はCPUを100%使っています。対して17セッションを超えた場合(画像1の右)には、何かしらの制限が掛かり、CPUが100%で使われなくなりました。

photo 画像1 「mpstat」を確認 左が16セッション(範囲内)時、右が20セッション(超過)時

 このセッションがどのような状態になっているのかを「V$SESSION」で確認してみます。すると、「resmgr: cpu quantum」の待機イベントで「待機」が発生していることが分かりました(画像2)。

photo 画像2 「v$session」を確認 左が16セッション(範囲内)時、右が20セッション(超過)時

 resmgr: cpu quantumは、「Oracle Databaseリファレンス 12cリリース1(12.1)」によると、「セッションは、CPU数を割り当てるために待機しています。このイベントは、Resource Managerが使用可能で、CPU消費量を抑えている場合に発生します。この待機イベントの発生を減らすには、セッションのカレント・コンシューマ・グループに割り当てるCPUを増やします」とあります。セッションがCPUリソースを割り当てるために待機している、つまり割り当てられるCPUリソースがないときに発生します。

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