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» 2017年07月26日 17時00分 UPDATE

ラックが7年ぶりにJSOCをリニューアル、それに込められた深い意図:これからのセキュリティ技術者は「ホワイトで明るい職場」で働こう

ラックが、同社のセキュリティ監視サービス拠点である「JSOC(Japan Security Operation Center)」を7年ぶりに一新。これまでのダーク基調の雰囲気から一転、「白を基調に、自然光も取り入れた明るい内装」にした理由とは──。

[高橋睦美,@IT]

 ラックが同社のセキュリティ監視センター「JSOC(Japan Security Operation Center)」を一新。2017年7月20日に開所式を行い、ラック社長の西本逸郎氏が新施設のコンセプトを以下のように語った。

 「これからのセキュリティは、“明るい”ところでやろう」(西本氏)

photo ラック社長の西本逸郎氏(写真=左)と同社会長の髙梨輝彦氏(写真=右)

 ラックがセキュリティ運用サービスの拠点となるJSOCを設置したのは2000年のこと。当時、ファイアウォールを運用できるスキルを持つITエンジニアを抱える企業はまだ少なかった。ラックのJSOCは、その運用や監視を24時間365日体制でその運用を肩代わりし、不審な兆候があればアラートを発するサービスからスタート。同年に開催された主要国首脳会議「九州・沖縄サミット」では、公式サイトへの不正アクセス監視と対応支援を行った。

 その後、サイバー攻撃が複雑化し、企業を守るセキュリティ機器や体制が多様化するにつれ、監視対象をIDS(Intrusion Detection System:侵入検知システム)やIPS(Intrusion Protection System:侵入防止ステム)など他のセキュリティ機器にも拡大したり、複数の機器から得られたログを相関分析するSIEM(Security Information Event Management:セキュリティ情報イベント管理)システムを独自に開発したりといった具合に、サービスを拡張してきた。

 2017年7月19日には、Akamai Technologies(以下、Akamai)とのパートナー契約に基づき、Akamaのコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を活用したDDoS(Distributed Denial of Service attack:分散サービス妨害)攻撃緩和/Webアプリケーションファイアウォールサービス「Kona Site Defender」の運用監視サービスを発表したばかりだ。サービス強化に伴って、JSOCは規模も売上も右肩上がりとなっている。2016年度の売上高は35億8000万円に達したという。

 今回のJSOCの刷新は、規模拡大によって手狭になったスペースを拡張する目的とともに、社会や企業を取り巻く環境変化への対応を考えてのことだという。刷新は、同社が東京・永田町の現オフィスに移転して以来、7年ぶりとなる。

 「サイバー攻撃はアマチュアの愉快犯から、明確に金銭奪取をもくろむプロの手によるものに変化し、ますます巧妙化、高度化している。併せて、守るべき顧客の環境も変化している。具体的には、クラウド利用が当たり前になった上、画一的なサービスから“自社の実情に合ったサービス”が求められるようになっている。新JSOCは顧客のこの需要へ的確に、かつそれ以上の需要を満たすサービスで対応できるように設計した」(ラック ITP統括本部CS事業部の中間氏)

 もう1つの狙いは、セキュリティという仕事に携わる技術者や、監視センターのイメージを変えることだ。これまでラックのJSOCの内装は黒を基調とした「秘密基地」的なスペースだった。若手エンジニアにも「クールでかっこいい」という印象を与え、「こんなオフィスで働きたい」と思わせる効果もあった。しかし、「そろそろこのイメージも変えていかなければならない」と中間氏は述べる。

photo 白を基調とした新JSOC

 サイバー攻撃への懸念が高まるにつれて、セキュリティ機器やソフトウェアの導入のみならず、その運用や監視を支援するマネージドセキュリティサービスの需要も高まっている。国内外の他事業者も相次いでセキュリティ拠点となる「Security Operation Center(SOC)」を開設しているが、その多くが、暗めの部屋にディスプレイの明かりが浮かぶようなダークな雰囲気を採用している。しかし中間氏は、「なぜどのSOCも暗いのか。技術者の意識を変えたい。だからSOCの雰囲気も変えていかなくてはならないと考えた」のだという。

 こうした背景を踏まえ、新JSOCでは、セキュリティという知的労働の場の雰囲気、そこで働く技術者の生産性を高める雰囲気作りを目指した。具体的には「ホワイトハッカー」というプロフェッショナル集団が「ブレーンワーク」を進める場というコンセプトを掲げ、白を基調に、自然光も取り入れた明るい内装となった。スタッフが着用するユニフォームも、これまでのジャンパーから、青を基調としたジャケットに変更した。

photo ユニフォームもジャンパーから青を基調としたジャケットに変更した

 JSOCでは約60人のスタッフが、2交代制で監視、分析、報告書の作成、インシデントを踏まえたカスタマサポートといった役割ごと業務を進める。新JSOCのスタッフには、1人当たり約7平方メートルとこれまでよりも約30%広いスペースが割り当てられる。ラックはまた、これまで個別に対応してきたJSOCの見学会を毎月第二水曜日の午後に定期開催することにし、企業にセキュリティの重要性を理解してもらうための活動も強化する。

 西本氏は最後に、2017年5月に世界中で影響を及ぼした「WannaCry」が依然として沈静化していないことに触れながら、新JSOCの意気込みを「われわれは常に進化しなければいけない。ラックでは2000年のJSOC設立以来、日本を守るという意識で取り組んできた。今後もその力を緩めることなく続けていきたい」と述べた。

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