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» 2017年09月25日 05時00分 公開

SD-WANは、何をしてくれるのか(8):Riverbed、「SD-WANは昔のPBXからの解放と同じ」 (1/2)

Riverbed TechnologyのSD-WAN製品「SteelConnect」の特徴を2つ挙げると、WAN最適化およびパフォーマンス管理との統合、そしてWANとLANの統合的な運用だ。Riverbedのシニアバイスプレジデント兼SteelConnect、Steelhead、SteelFusion事業部門ゼネラルマネジャーであるポール・オファレル(Paul O’Farrell)氏に、同社のSD-WAN戦略を聞いた。

[三木泉,@IT]

 Riverbed TechnologyのSD-WAN製品「SteelConnect」の特徴を2つ挙げると、WAN最適化およびパフォーマンス管理との統合により、アプリケーション視点でのシンプルなWANインフラ管理を実現していること、そして製品ラインアップに有線スイッチおよびWi-Fiアクセスポイントを持ち、WANとLANを統合的に運用できるようにしていることだ。

 Riverbedのシニアバイスプレジデント兼SteelConnect、Steelhead、SteelFusion事業部門ゼネラルマネジャーであるポール・オファレル(Paul O’Farrell)氏に、同社のSD-WAN戦略を聞いた。

――Cisco Systemsが(SD-WANの有力ベンダーである)Viptelaを買収しました。リバーベッドのSD-WANに、どのような影響があると思いますか?

Riverbedシニアバイスプレジデント兼SteelConnect、Steelhead、SteelFusion事業部門ゼネラルマネジャー、ポール・オファレル氏

オファレル氏 ViptelaはハイブリッドWANとネットワークセグメンテーションを中核的な機能に掲げ、SD-WAN製品を展開していました。

 一方、私たちは、これよりはるかに大きなビジョンを掲げ、SD-WANに取り組んでいます。基本的には、WANをはじめとしたネットワーク製品市場で、Ciscoは強大な地位を維持してきましたが、この状況を変えるチャンスがようやく生まれたと考えています。

 Riverbedは、クラウドベースの管理システムを通じ、企業のLAN、WAN、クラウド、データセンターを、単一のコンソールでつなげ、管理できる世界を実現しようとしています。

 トラフィックに加えて、セキュリティについても、シンプルな、直感的に分かりやすい、アプリケーションベースのポリシーに基づき、統合管理できるようになります。

 Microsoft AzureやAmazon Web Services(AWS)などのパブリッククラウドに、1クリックあるいは2クリックで接続、クラウド上のアプリケーションについても、あなたのネットワーク上で動いているかのように見せることができます。

――そうした考え方には、ピンとこない人もいるでしょうね。

オファレル氏 Riverbedは世界中に少なくとも2万の顧客を有しています。これまで半年以上にわたり、こうした顧客に(同社のSD-WAN製品である)「SteelConnect」を説明してきました。

 私たちは、「あなたの会社の全世界のネットワークを、5人程度で管理できますよ。単一のコンソール上に、シンプルで分かりやすいトラフィックの管理ポリシーを作成し、これを全社レベルやきめ細かなレベルで、特定のユーザーグループあるいは個人に適用できますよ」と説明してきました。

 「ゼロタッチプロビジョニング」のコンセプトも、重要な部分を占めています。全ての管理を、機器に触ることなくできます。WANゲートウェイだけでなく、スイッチ、Wi-Fiアクセスポイントも、ゼロタッチプロビジョニングが適用できます。データセンターにも適用できます。

 こうした説明で、理解していただいている企業は多数存在しています。

昔のPBXベンダーは時代の流れについていけなかった

――そうはいっても、新しい世界に踏み込むことを尻込みする人はいるはずです。既存技術からの移行を支援できるようなことは何かありますか?

オファレル氏 私たちの顧客の多くは、(既存の)WAN最適化製品である「Steelhead」を使っています。そこで、「少額の追加出費だけで、この製品にSD-WAN機能を追加できます」とお話ししています。WAN最適化装置を買うついでに、SD-WAN技術を試すことができるのです。

 もう1つ、Riverbedが他の競合ベンダーと異なると思われるのは、アプリケーションパフォーマンス管理製品を持っており、これをSteelConnectと統合できることにあります。

 ゲートウェイ、スイッチ、Wi-Fiアクセスポイントは全て、統計情報を管理コンソールに提供でき、トラブルシューティングを容易にする他、設定したポリシーが確実に適用されているかどうかをチェックできます。つまり、あなたはポリシーを設定したあと、それがうまくいくことを祈っている必要はないのです。これは大きな助けになると考えています。

 2000年代初めにかけて、企業の音声通信市場は大きく変わりました。昔は会社に入っても、電話が設定されるまでに2週間かかりました。裏で、誰かがPBXを手作業で設定していたからです。ようやく自分用の電話機が届いたので使ってみると、ボイスメールの設定が間違っているといったこともありました。

 私はCiscoがPBXや電話機の企業を買収していた当時、同社に勤めていました。電話機を自宅に持って帰ってケーブルモデムにつなぐと、会社の電話番号でつながることに感動したのを覚えています。今は誰もこれを凄いことだとは思わないでしょうが。

 Lucent、Nortel、Alcatelといった大企業が、Ciscoによって駆逐されたか、統合を余儀なくされてしまいました。このような変化は非常に早く起こるものです。一方Ciscoは(音声通信市場では革新を生み出したものの)、WAN通信市場については以前のままに保ってきました。この状況が変わるのも時間の問題だと考えています。

 (状況を変えるための)要素技術は出そろっています。誰かがこれらを使って組み立てればいいのです。もう、ネットワークの管理で、IPアドレスやポート番号といったことを知らなくてはならない理由はなくなりつつあります。ネットワーク設定の複雑性自体がなくなるわけではありませんが、ネットワーク運用担当者は、こうしたことを考えなくてよくなるべきなのです。

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