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» 2017年09月26日 10時00分 公開

ユーザーの選択肢を広げ、さらなるデータ利活用を加速:国内2100社を支えるEDI製品「ACMSシリーズ」がLinux版SQL Serverに対応――決断した理由はシステムのクラウド対応の必要性と、Azure+SQL Serverの親和性

Windowsの世界で圧倒的なシェアを誇るデータベース(DB)プラットフォーム「Microsoft SQL Server」。その活用シーンのさらなる拡大を目指し、次期製品「SQL Server 2017」ではLinux版とDockerコンテナ版も同時にリリースされる。この動きに素早く対応したのが、データ・アプリケーションの統合EDI製品「ACMS E2X」と「ACMS B2B」(以下、ACMSシリーズ)だ。

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Linux上で動作する“本物のSQL Server”がついに登場

 “あらゆるデバイス、あらゆるOSで、全ての開発言語、全てのデータを――”

 この基本理念の下、MicrosoftがSQL Server on Linuxを開発するという意向を表明したのは、2016年3月7日。それから約16カ月後の2017年7月17日(米国時間)に発表されたMicrosoft SQL Server 2017のRelease Candidate 1(RC1)で、公約通りにLinux(とDockerコンテナ)にもネイティブで対応した。ついに、Linux上でも“本物のSQL Server”を動かすことが可能になったのだ。

 Microsoftのこの大英断を受け、多くの独立系ソフトウェアベンダー(ISV)が「SQL Server 2017 on Linux」への対応を開始。日本国内では、EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)製品で知られるデータ・アプリケーション(DAL)が、統合EDI製品「ACMSシリーズ」の最新版でSQL Server 2016 SP1/SQL Server 2017/SQL Server 2017 on Linuxに対応したことを2017年8月に発表した。

ALT データ・アプリケーション マーケティング本部 本部長
大澤健夫氏

 EDIとは、インターネットなどのネットワークを通じて、企業間でデータを交換する仕組みのこと。Windowsを含む多くのOSに標準搭載されている「ファイル転送プロトコル(FTP)」機能との違いを、DALの大澤健夫氏は「企業がデータ形式などを自由に決定できるのがファイル転送。各業界で合意された通信プロトコルとフォーマットに基づいて、企業間でのデータ交換を自動化したのがEDIです」と説明する。

 EDIを使って企業間で交換されるのは、受発注を中心に納期回答や出荷、支払などのデータだ。相互接続性を重視するために、1980年代に開発された固定電話網を利用した低速の通信プロトコルもまだ使われている。例えば、流通業でのJCA手順のデータ転送速度は2400bpsだ。

 しかし、ここにきてNTTが固定電話網のIP網への切り替えを発表、2024年にはINSネット(ISDN)デジタル通信モードサービスの終了が予定されている。

 「これはEDIにとって、“青天のへきれき”ともいえる内容でした。なぜなら、現在のEDI環境のほとんどが固定電話網を利用しており、それが使えなくなるからです。そして、代替案や補完策が示されていますが、これもまた“帯に短しタスキに長し”という内容です」(大澤氏)

 具体的には、JISA(一般社団法人 情報サービス産業協会)の検証では、伝送遅延が発生することが判明している。

 「もともと低速であるところへ伝送遅延が発生するとなれば大問題です。伝送時間が延びてしまうと、その企業と取引している数百社、数千社、またその先の数百社、数千社の伝送処理に大きな影響を与えることになってしまいます」(大澤氏)

 こうしたことを考え合わせると、今後EDIを利用している企業は、一斉にインターネットEDIへ移行していくものと思われる。「これなら高速・高品質かつ安価にEDI環境を構築することができますし、世界的には既にこちらが潮流となっています」と大澤氏は説明する。

 また、「インターネットEDIへ移行すれば、モデム、TA(ターミナルアダプタ)といった専用の通信機器が不要になるため、EDI環境をクラウド上へ“引っ越し”させることも容易になります」(大澤氏)。他の業務システムでの先例を思えば、実際そうなっていくだろう。

DB開発に要する工数、期間、コストを削減

 DALのACMSシリーズは、以下の5種類のインターネットEDI規約に対応している。

  • EDIINT AS2(消費財流通業界、医薬品業界など)
  • OFTP2(欧州自動車業界)
  • ebXML MS(消費財流通業界、電子機器・電子部品業界、医療機器業界など)
  • JX手順(消費財流通業界、医療機器業界、電力業界など)
  • SFTP(汎用ファイル交換)

 そして、全銀BSC手順、全銀TCP/IP手順、JCA手順など、従来型の通信プロトコルもカバーしているので、国内/海外を問わず、広範な企業とのデータ交換が可能だ(図1)。

図1 図1 ACMSシリーズ利用概念図(https://www.dal.co.jp/acms/protocol/index.html
企業の基幹システムのデータを変換し、インターネット経由で他企業と交換する《クリックで拡大します》

 統合EDI製品として、ACMSシリーズは企業の基幹システムから受け取ったデータを各EDI規約のデータ形式に変換し、インターネットや固定電話網経由で転送するところまでを担当する。基幹システムは、通信プロトコルやデータ形式を意識する必要がなく、統一されたインタフェースで連携できるので、システム構築に要する工数、期間、コストを大幅に削減できるわけだ。

 多数の製品がラインアップされているACMSシリーズのうち、2017年8月の発表でSQL Server 2017/SQL Server 2017 on Linux対応の対象とされたのはB2B(Business to Business)インテグレーションサーバ「ACMS E2X」とB2Bサーバ「ACMS B2B」の2製品。ACMSシリーズの管理情報用リポジトリとしての対応と、DBインタフェースでの業務システム側のSQL Server 2017/SQL Server 2017 on Linuxとの直接連携が可能になった(図2)。

図2 図2 基幹システムのDBと連携するためのDBインタフェース(https://www.dal.co.jp/products/edi/e2x/feature.html
SQL Server 2017/SQL Server 2017 on Linuxにも対応《クリックで拡大します》

Linuxユーザーのクラウド化とSQL Serverに対する需要を見据え、SQL Server対応を決断

ALT データ・アプリケーション 技術本部 Web-EDIグループ
グループマネージャー 越川真治氏

 DALがSQL Server 2017/SQL Server 2017 on Linuxへの対応を急いだ背景の1つには、ACMSシリーズにおけるSQL Serverの“比重の大きさ”があった。

 「ACMSシリーズのお客さまは、企業数で約2100社、約1万サイトあります。使用されているDBは、SQL ServerとOracle Databaseがほぼ半々ですが、インストール数の約70%を占めるWindows版に関していえば、SQL Serverが大半を占めます。その理由は、商用DBとしてのサポート、ライセンスやサービスの経済性、セキュリティを含むパフォーマンスの良さにあると見ています」と大澤氏。「Linux版も、SQL Server 2017 on Linux の登場を受け、経済性や柔軟性などの観点でこちらを検討する企業が増えると判断、いち早くSQL Server on Linuxの対応を決断しました」と付け加える。

 加えて、DALのACMSシリーズは、2013年からMicrosoftのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」に対応しており、同社はここでの稼働実績を促進したい思いもあった。

 「そもそもの動機は、“Azure上でもっとACMSシリーズを動かしたい”というものでした」と大澤氏は述べる。2016年にSQL Server 2017 on Linuxの開発意向表明を受け、以下のようなロジックで移植計画がスタートしたという。

(1)ACMSのクラウド対応が求められる

(2)Azure IaaSに対応、将来のAzure PaaSの対応も視野に入れる

(3)SQL Server on Linuxに対応すれば、Windowsユーザー、Linuxユーザーの両ユーザーに対して、クラウド+データベースの両方を親和性の高いマイクロソフト製品でそろえることができ、質の高いシステムが構築できる


 もちろん、SQL Server 2017 on Linuxはオンプレミスでもクラウドでも動作する。

 プレビュー版SQL Server 2017 on Linuxの場合、オンプレミスのLinuxとして利用できるのは、Red Hat Enterprise Linux 7.3、Ubuntu Linux 16.04、SUSE Linux Enterprise Server v12 SP2。Azure上で利用する場合は、Azure Marketplaceから仮想マシンテンプレートを呼び出して、デプロイするだけですぐに利用可能な状態になる。

ALT 鹿児島データ・アプリケーション 技術部 冨永好希氏

 DALの社内でAzureへの対応プロジェクトがスタートしたのは、2017年夏。対応は、Javaで記述されているLinux版ACMSシリーズのコードに必要な改修を加え、Azure上の開発環境で動作を検証するという方法で行われた。改修の実作業に携わったのは、越川真治氏(DAL)と冨永好希氏(鹿児島データ・アプリケーション)の両氏だ。

 「動作検証用の環境をRed Hat Enterprise Linuxで作り、2017年8月から検証テストを始めました。コードの書き換えを要する箇所はそれほど多くなく、作業はスムーズに完了しました」と、冨永氏。ただ、Linux版のSQL Server 2017には「bcpユーティリティー」(ユーザー指定の形式に基づいて、SQL Serverインスタンスとデータファイル間でデータを一括コピーする機能)の一部が実装されていなかったため、必要なソフトウェアを手作業で追加することによって対処したと振り返る。

 それでも「インストール方法を解説するWebサイトは日本語化されていて、非常に分かりやすい」(越川氏)というのが移植プロジェクトチームの共通の評価。日本マイクロソフトから技術サポートを受けることができたため、疑問点も速やかに解決できたという。

今後はAzureのデータ分析やAIとの連携も

 SQL Server 2007 on Linuxへの対応を果たしたACMSシリーズ Ver.4.7は、オンプレミスユーザー向けのパッケージ製品としてだけでなく、アプリケーションサービスプロバイダー(ASP)やクラウド事業者向けの“基盤”としても提供中だ。こうしたサービス事業者は、ACMSシリーズに自社のアプリケーションを組み込み、独自のサービスとして販売している(図3)。

図3 図3 Microsoft Azure上でのACMSシリーズの活用イメージ《クリックで拡大します》

 「すでにAzureやAmazon Web Services(AWS)でACMSシリーズをお使いいただけますが、現在はIaaS対応です。サービス事業者の利便性や信頼性の向上、運用管理コスト低減、また当社の開発効率向上を考えて、PaaSの利用も視野に入れており、その意味で今後もAzureテクノロジーには期待しています」と、大澤氏は語る。

 その先に見据えているのは、EDIやさまざまな企業間での情報連携でクラウド上に蓄積されていくデータ、その有益な活用法の提案だ。

 「物流や生産に関わるデータがクラウド上に蓄積されていけば、それに対してビッグデータ分析やAI処理を適用することで、さらなる業務やサプライチェーンの効率化を実現できるはず。Azure上のさまざまなサービスを活用することで、お客さまのEDI取引にさらなる価値を提供していければと考えています」(大澤氏)

 Microsoft製品として、初めてLinuxとDockerコンテナに正式対応したSQL Server 2017――。プラットフォームにLinuxを選択する企業にとって、インメモリ列ストアによる高速なクエリ、保存/実行時のデータ暗号化による強力なセキュリティ、SQL Server 2017の新機能は魅力的なものに映ることだろう。

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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年10月25日

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