Cradlepoint、SD-WAN機能を備えた企業拠点向け3G/LTEルーターを2017年中に国内発売参考価格は約10万円

SD-WAN/小規模拠点向けルーターのベンダーであるCradlepoint Japanは、2017年9月27日にアイティメディア@IT編集部が主催したセミナー「ネットワークの最新トレンド、『SD-WAN』って何だ?」で、同社の3G/LTEルーター2機種を2017年中に国内発売すると発表した。

» 2017年10月04日 13時01分 公開
[三木泉@IT]

 SD-WAN/小規模拠点向けルーターのベンダーであるCradlepoint Japanは、2017年9月27日にアイティメディア@IT編集部が主催したセミナー「ネットワークの最新トレンド、『SD-WAN』って何だ?」で、同社の3G/LTEルーター2機種を2017年中に国内発売すると発表した。

 米Cradlepointは、企業の小規模拠点向け3G/LTEルーターで伸びてきた企業。1万7000社に200万台の導入実績があるという。Cradlepoint Japanの発表は、同社のルーター11機種のうち、2機種を2017年中に国内で提供開始するというもの。既に技適(技術基準適合証明)を取得済みという。

 発売されるのは、店舗・小規模支店向けの「AER1600」と、屋外/車載/IoT向けの「IBR900」。参考価格は、AER1600が10万4000円、IBR900は11万7000円。

左の、Cradlepoint Japanカントリーマネージャー、中島隆行氏が持つのは「AER1600」、右の、SEマネージャー/エバンジェリスト、石谷匡弘氏が持つのは「IBR900」

 いずれの製品も、SIMスロットを2つ内蔵する。SIMフリーであり、全モバイルキャリアに対応する。大きな特徴は、きめ細かな接続制御ができること。2製品は有線WANにも接続が可能なため、有線WANのバックアップとしてモバイル回線を活用できる他、有線WANの帯域幅をモバイル回線で補完することもできる。バックアップ回線の、ISDN/ADSLからの移行にも使える。

 また、2枚のSIM間で、アクティブ/スタンバイに加え、アクティブ/アクティブの構成が可能。アクティブ/アクティブの場合、回線状況の良い方にトラフィックを優先して流す、データプランの契約容量が余っている方の接続を使う、などの使い方ができる。

 Cradlepoint Japanカントリーマネージャーの中島隆行氏は、「企業拠点のLTE接続に関しては、帯域不足が懸念されてきたが、特に日本では、この問題は既に解消されている。5Gになれば、10Gbpsも利用できるようになる」と話した。

 2製品は無線LANアクセスポイント機能も搭載している。製品にSIMカードを設定して新拠点に送付し、電源をオンすれば、有線の接続作業も不要なため瞬時にその拠点のLANとWANの構築が終了する。SD-WAN製品として、本社などとのVPN接続や回線利用ポリシーの設定は、クラウド上の管理コンソールから複数拠点について一括して設定できる。また、2製品はGPSを搭載しているため、設置場所を自動的に特定できるようになっている。

 Cradlepointの3G/LTEルーターは、特に多店舗の小売業で導入が広がっている。来店客への無線LANサービスを提供しながら、業務通信のセキュリティと安定性を確保する目的で使われているケースが多いという。

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