【 route 】コマンド――ルーティングテーブルを管理するLinux基本コマンドTips(152)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ルーティングテーブルを管理する「route」コマンドです。

» 2017年10月13日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ルーティングテーブルを管理する「route」コマンドです。

routeコマンドとは?

 「route」コマンドは、ネットワークの経路情報(ルーティングテーブル)の表示や変更に使うコマンドです。

 古くから使われているコマンドですが、現在は「ip」コマンド(連載第146回第149回)への移行が進んでいます。



routeコマンドの書式

route [オプション]

route [オプション] コマンド ターゲット

※[ ]は省略可能な引数を示しています。




routeの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-A ファミリー アドレスファミリーを指定する(inet、inet6、ax25、netrom、ipx、ddp、x25から指定。「-A inet」は「--inet」でも指定可能)
-4 IPv4の情報を表示/操作する(「-A inet」相当、デフォルト)
-6 IPv6の情報を表示/操作する(「-A inet6」相当)
-n --numeric 名前解決を行わない
-e --extend テーブルの表示にnetstatのフォーマットを使用する
-ee 全ての情報を1行で表示する
-F --fib カーネルが管理しているテーブル(FIB)を表示、操作する(デフォルト)
-C --cache FIBの代わりにキャッシュを表示、操作する


ルーティングテーブルの内容を表示する

 「route」でルーティングテーブルの内容を表示します(画面1)。ipコマンドの「ip route」に相当します。IPv6のテーブルを表示したい場合は「-A inet6」や「--inet6」「-6」オプションを使用します。

コマンド実行例

route

(IPv4のルーティングテーブルを表示)(画面1

route -6

(IPv6のルーティングテーブルを表示)


画面1 画面1 ルーティングテーブルを表示したところ 列の意味は左から次の通り。宛先IPアドレス(Destination、default:デフォルトゲートウェイ)、ゲートウェイのIPアドレス(Gateway)、サブネットマスク(Genmask)、ルーティング動作時のフラグ(Flags)、メトリック(Metric)、経路の参照回数(Ref)、ルーティングされた回数(Use)、ネットワークインタフェース名(Iface)


経路を追加、削除する

 経路を追加するには、「route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス dev インタフェース」を実行します(画面2)。インタフェースの指定が最後の場合、「dev」は省略可能です。

 経路を削除するにはaddの代わりにdelを指定します。どちらもroot権限が必要です(連載第68回)。

コマンド実行例

route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス インタフェース

(インタフェースを指定して経路を追加する)(画面2

route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス

(経路を追加する)

route del 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス インタフェース

(インタフェースを指定して経路を削除する)

route del 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス

(経路を削除する)


画面2 画面2 経路を追加したところ


拒否経路を追加、削除する

 特定のネットワークへルーティングしないように設定するには、「reject」を指定します(画面3)。操作にはroot権限が必要です。

コマンド実行例

route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス dev インタフェース reject

(インタフェースを指定して拒否経路を追加する)

route add 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス reject

(拒否経路を追加する)(画面3

route del 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス dev インタフェース reject

(インタフェースを指定して拒否経路を削除する)

route del 宛先IPアドレス gw ゲートウェイのIPアドレス reject

(拒否経路を削除する)


画面3 画面3 指定したネットワークへのルーティングを拒否するよう設定したところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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