【 host 】コマンド――ドメイン名からIPアドレスを調べるLinux基本コマンドTips(157)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ドメイン名からIPアドレスを調べる「host」コマンドです。

» 2017年11月02日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ドメイン名からIPアドレスを調べる「host」コマンドです。

hostコマンドとは?

 「host」コマンドは、nslookupコマンド(第156回)同様、ドメイン名からIPアドレス、あるいはIPアドレスからドメイン名を調べるコマンドです。

 nslookupコマンドとは異なり、対話モードを備えていません。シンプルな表示が特徴です。



hostコマンドの書式

host [オプション] ドメイン名またはIPアドレス [DNSサーバ]

※[ ]は省略可能な引数を示しています。




hostの主なオプション

短いオプション 意味
-a DNSに登録された全てのレコード情報を表示(-v -t any相当)
-v 詳細な情報を表示
-d デバッグモード、詳しい情報が表示される(-v相当)
-t タイプ 検索対象となるタイプを指定する(a、ns、md、mf、cname、soa、mb、mg、mr、null、wks、ptr、hinfo、minfo、mx、uinfo、uid、gid、unspecなどを指定可能、全てを指定したい場合は「*」または「ANY」を指定)
-l 完全なドメインのリストを表示する(AXFRによるゾーン転送を使用する、「本当に必要なときのみ」に使用するよう推奨されている)※1
-4 問い合わせにIPv4のみを使用
-6 問い合わせにIPv6のみを使用
-T TCP/IPを有効にする
-w タイムアウトしない
-W 秒数 タイムアウトまでの秒数を指定する
-R 回数 DNSサーバの応答がなかった場合のリトライの回数
-s SERVFAILを受け取ったら問い合わせを終了する(SERVFAILはセカンダリDNSサーバから出力されるエラーで、転送元の設定に問題がある場合に発生する)
-r 再帰的な問い合わせを行わない。DNSサーバが他のDNSサーバに問い合わせず、自身の情報だけを使用する

※1 AXFR(Authoritative Transfer)は名前解決の情報(ゾーン情報)を別のサーバから取得するゾーン転送プロトコル。DNSサーバ同士の同期などに使われる。





ドメイン名からIPアドレスを調べる

 「host ドメイン名」で、対応するIPアドレスを調べます(画面1) ※2。詳細な情報を表示したいときは「host -a ドメイン名」と入力します。

※2 「host IPアドレス」と実行することで、対応するドメイン名を得ることもできる(「逆引き」と呼ぶ)。逆引きができるかどうかは、対象となるサーバ側の設定によって異なる。



コマンド実行例

host ドメイン名

host www.google.co.jp

(www.google.co.jpのIPアドレスを調べる)(画面1

host -a www.google.co.jp

(詳細な情報を表示する)(画面1


画面1 画面1 www.google.co.jpというドメイン名からIPアドレスなどを調べたところ


使用するDNSサーバを変更する

 「host ドメイン名 DNSサーバ」で、問い合わせるDNSサーバを指定します(画面2) ※3。

※3 インターネット上では多数のDNSサーバがドメイン名とIPアドレスのひも付けを分散管理している。ネットワーク構成上最も近いDNSサーバに、hostコマンドが最初の問い合わせを行い、そのDNSサーバ上に情報がなければ、他のDNSサーバの情報も参照する(-rを指定しなかった場合)。コマンド実行例にある「8.8.8.8」はGoogle Public DNSが運営するDNSサーバのIPアドレス。



コマンド実行例

host ドメイン名 DNSサーバ

host www.google.co.jp 8.8.8.8

(8.8.8.8に問い合わせてwww.google.co.jpのIPアドレスを調べる)画面2


画面2 画面2 問い合わせるDNSサーバのIPアドレスを指定したところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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