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» 2017年11月30日 10時00分 公開

他との決定的な違いは何?:SAP on AWS、ますます充実する稼働環境と支援体制、広がるベストプラクティス

SAP on AWSの勢いが止まらない。主要なクラウドサービスは、どこも同じようにSAPアプリケーションを稼働できるようになったと思われがちだが、環境や支援体制に大きな違いがあるからだ。あらためて、SAPアプリケーションを稼働するプラットフォームとしてのAWSの魅力を探る。

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 Amazon Web Services(AWS)上での国内企業による大規模なSAP導入事例が、次々に生まれている。

 世界的な展開という観点では、以前から知られている国内企業の事例がある。世界に約100に上る連結子会社を持つ企業が、全てを対象とした財務会計のためのSAPシステムをAWSに移行、運用している。この事例では、東京リージョンで稼働するSAPを、災害時にシンガポールリージョンへ切り替えるディザスタリカバリ構成を先駆的に導入。また、SAPのAWSへの移行が、ディザスタリカバリの構築を合わせて、約2カ月という短期間で完了した点が特筆できる。初期投資コストは、プライベートクラウドと比較して、50〜60%削減できたという。

 その後も大規模な事例が相次いでいる。

 ある国内企業はSAP ERPの全モジュールをAWS上で稼働。性能値は約4万2000 SAPS(SAPSとは、SAPが定める性能値で、100SAPSは1時間あたりに2000の注文明細を処理できる性能に相当)に達している。同社の事例では、アベイラビリティゾーンをまたがったデータベースの二重化で、高い信頼性を確保している。また、別の国内企業がAWS上に構築したSAPは約20万SAPSで、オンプレミスを含めても最大級という。

 SAP製品の新製品、新バージョンの初稼働事例が、AWSをプラットフォームとして採用しているケースも増えている。

 国内初稼働の「SAP S/4HANA Enterprise Management 1511」はNRIセキュアテクノロジーズによるAWS上での導入だった。複数環境の構築やリソース拡張、耐障害性の確保にかかるコスト面の大きなメリットがAWSを選択した要因となった。さらに、簡単に複数環境を構築できたことで開発やテストの生産性が大幅に向上し、短期間でのリリースを実現することができた。

 また、世界で初めて「SAP BW/4HANA」を導入した企業は豪Fairfax Mediaだ。同社もAWSをプラットフォームとして選択。オンプレミスでの想定と比べて、開発期間を50%短縮し、3カ月という短期間でカットオーバーしたという。リポート作成は平均約10倍高速化した。

SAP on AWS、「大規模」「世界初」「国内初」が相次ぐ理由

 「大規模」「世界初」「国内初」のSAPアプリケーション導入がAWS上で行われているのには、次のような理由がある。

  • AWSはSAPの認定を豊富に受けており、稼働インスタンスの選択肢が広い
  • ユーザー企業の望む可用性を担保できるさまざまな選択肢がある
  • 開発・移行期間を短縮できる
  • システムインテグレーションパートナー、およびAWSによる支援が充実している

 具体的には、SAP on AWSにどのようなメリットがあるのだろうか。以下に説明する。

AWSはSAPの認定を豊富に受けており、稼働インスタンスの選択肢が広い

 SAPはさまざまなアプリケーションを提供している。AWSは、データベース、プラットフォームを含め、SAPの全ての製品について、本稼働認定を受けている唯一のクラウドベンダーだ。AWSは通常、SAPの新製品提供開始と同時に認定を受ける。2社の強固なパートナーシップがあるからこそ、これが実現している。

 さらに強調すべきは、SAP本稼働認定Amazon EC2インスタンスの豊富さだ。この認定を取得するのは容易ではない。厳しいベンチマークテストを通過したものだけが認定される。SAP NetWeaverおよびSAP HANAの認定プラットフォームリストを見ていただければ一目瞭然だが、リストされているプラットフォームの大部分はAWSのEC2インスタンスだ。

2017年10月末時点で、これだけのAmazon EC2インスタンスがSAPの本稼働認定を受けている。SAP本稼働認定プラットフォームの大部分を、EC2インスタンスが占めている

 2017年10月末時点では図の通り、2仮想CPU/3.75GiBメモリの「c4.large」から、128仮想CPU/3904GiBメモリの「x1e.32xlarge」まで、25種類の仮想インスタンスがSAPの本稼働のために認定されている。本稼働でなければ、これら以外のEC2インスタンスを使用することもできる。また、2018年には、メインメモリを8〜16TB搭載したEC2インスタンスを提供する予定であることを、AWSは明らかにしている。

 SAP HANAは、インメモリコンピューティングを採用しているため、認定はさらに厳しい。また、大規模構成ではメモリの量が重要になる。AWSでは最もメモリ搭載量の多い X1eインスタンスを含む、6種類のEC2インスタンスが、それぞれOLTP、OLAPシナリオのどちらについても本稼働認定を受けている(SAP Business One認定も含めると9種類)。さらにこれらのEC2インスタンスをスケールアウト構成で動かすことにより、最大50TBのメモリを構成できる。

 SAP HANAのために、特別な物理ハードウェアを用意しなければならないといったことは、AWSではあり得ない。

 これほど豊富な選択肢から、ユーザー企業が自社に適したスペックを選べるプラットフォームベンダーは、他に存在しない。しかも、いったんあるEC2インスタンスタイプを選んだからといって、そのインスタンスタイプに縛られることはない。インスタンスタイプの変更は、再起動だけで行えるからだ。

 このことは、開発・検証から本番稼働後に至るまで、プラットフォームに関する無駄を防ぐことにつながる。例えばカットオーバー後は開発機や検証機の稼働率が下がりハードウェア投資に無駄が発生するのが普通だが、AWSではそうしたことがない。また、本稼働後に、選択したインスタンスタイプがオーバースペックだと判明したら、より小さなインスタンスタイプに切り替えればいい。逆に、当初の想定より負荷が増えたら、より大きなインスタンスタイプに移行すれば良い。負荷の周期的な変動に応じて、インスタンスタイプを切り替えるようにしているユーザー企業もある。

 物理マシンの制約から解き放たれるだけでなく、逆に負荷に応じて稼働するインスタンスを切り替えていくという「逆転の発想」は、「硬直的」と言われてきた企業のIT運用を、大きく変える可能性がある。

可用性と安定的なパフォーマンスを担保できる仕組みを用意

 「AWSのようなパブリッククラウドでSAPやSAP HANAを稼働すると、十分な可用性を担保できないのではないか」という懸念を持つ方がまだいらっしゃるかもしれない。だが、心配はご無用だ。AWSにおけるSAPの可用性は、オンプレミスと変わるところがない。

 まず、「Amazon EC2 Auto Recovery」という機能を使えば、ハードウェアに障害が発生すると、自動的に他の物理マシン上で仮想マシンが再起動し、いわゆる「再起動型HA」が組める。

 また、例えば、同一リージョンの他のアベイラビリティゾーンにまたがって従来型のHAクラスタを組むことで、瞬時の切り替えが可能になる。

 ディザスタリカバリが、従来とは比べ物にならない低価格で行えることも、ユーザー企業には好評だ。上述の事例では、東京リージョンとシンガポールリージョンの間で 「Amazon S3クロスリージョンレプリケーション」によりディザスタリカバリを行っている。コストは月額数万円でしかない。これまで莫大なコストがかかるため諦めていたDRを、少額のコストで実現できるようになる。それなら、やらない手はない。

AWSの可用性が低いというのは都市伝説だ。オンプレミスと同等の可用性が得られ、さらにディザスタリカバリも低コストで実現できる

 パフォーマンス面では、「物理マシンを他のユーザーと共用していると、安定したパフォーマンスが得られないのではないか」という懸念が聞かれる。だが、AWSでは仮想CPU、メモリのリソースを、各インスタンスに対して固定的に割り当てているため、パフォーマンスが安定しないといったことはない。また、データベースのパフォーマンスを大きく左右するストレージアクセスでは、「プロビジョンド IOPS」というオプションがある。これを使うとIOPS値が保証されるため、オンプレミスよりもパフォーマンスを安定化させやすい。

開発・導入・移行期間を短縮できる

 物理サーバを使って開発や移行を始めようとすると、ハードウェアの調達に1〜2カ月を要する。一方AWSでは、EC2インスタンスを立ち上げるだけで、即座に作業に取り掛かることができる。この違いは大きい。

 また、上述の通り、再起動だけでインスタンスタイプを変更できるので、開発から検証、本番稼働に至るまで、サイジング作業から解放され、さらに物理マシンの買い替えで発生するタイムロスはない。

AWSでは、バージョンアップを含め、SAP開発。構築、運用のフルライフサイクルを根本から変革できる。また、AWSの各種サービスとの連携で、デジタル変革にも取り組める

 SAP HANAの新規導入では、「AWS Quick Start for SAP HANA」を使えば、究極の導入期間短縮が図れる。AWS Quick Start for SAP HANAでは、セキュリティも勘案したSAP HANAの認定構成を自動インストールする。デザインシートの記入や発注契約などのベンダーとのやり取りもない。1時間未満で利用を開始できる。

 また、既存のオンプレミスSAPのAWSへの移行では、データの移行に使う「Export/Importサーバ」をAWSで稼働することによって高い並列度で動かせるため、作業は低コストかつ短期間で行える。

 SAPの各種アプリケーションを評価したいなら、「SAP Cloud Appliance Library」がある。80を超えるSAPソリューションから選択し、1ボタンでAWSにデプロイして、試すことができる。

 SAP Cloud Appliance Libraryでは、データについてはサンプルを使うことしかできないが、現行環境の移行については AWSとSAPが共同で、「Fast AWS & SAP Transformation(FAST)」というプログラムを提供している。SAP HANA、あるいはSAP ASE化したテスト環境を、AWS上に48時間以内で自動作成できる。自社のデータを利用してテストが実施できる点が1つのポイントだ。

 FASTにおけるもう1つのポイントは、SAP S/4HANAについてはSAPよりテストライセンスが入手できるということ。AWSの利用コストは発生するが、例えば月額数万円で済む。PoCをこの費用感で行えるというのは、従来に比べて飛躍的な進歩だ。

 SAP S/4HANAの早期導入を支援するプログラムとして、AWSでは「SAP S/4HANA Tシャツモデル」も公開している。これはメモリサイズごとの決め打ち構成のサンプルであり、費用感を素早く確認するのに役立てることができる。これも、安心してSAPを利用できるようにする、AWSとしての取り組みの1つだ。

AWSジャパンとパートナーは、顧客をどう支援するか

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社(以下、AWSジャパン)とAPN(AWS Partner Network)パートナーは、顧客のSAP on AWSの設計から導入、運用・保守までを一貫して支援する体制を充実させてきた。

 国内では約20社のSAP認定パートナーが、SAP on AWSの専任部署を立ち上げ、顧客の支援に当たっている。主要なSAPパートナーは、全てSAP on AWSを扱っていると考えて良い。

 AWSジャパンでは、SAP on AWSを推進するパートナーと協業して、場合によっては 「AWSプロフェッショナルサービス」という有償コンサルティングサービスを通じ、顧客に対して直接、さまざまな支援サービスを提供している。AWSプロフェッショナルサービスが提供するサービスメニューの例をいくつか挙げると、次のようになる。

 「SAP on AWS Discovery Workshop」では、SAP on AWSの設計や構築、移行、運用といった観点でのベストプラクティスを提供し、さらにAWSへの移行ロードマップ策定を支援する。

 「SAP on AWS Accelerator」では、具体的な顧客の環境に基づいて、移行や運用設計の支援、PoC支援などを提供する。

 また、「SAP on AWS Going-Live Assessment」では、本番システムサービスインに向けて第三者的な視点で、実際の設計内容、構築内容などの評価を行う。

AWSは、APNパートナーとも連携しながら、顧客のSAP導入をフルに支援する体制を整えている

 こうして、AWSジャパンは、パートナーとの緊密な連携に基づき、ユーザー企業が安心してSAPをAWS上で構築し、運用できるように、さまざまな支援を行っている。クラウド化に当たってのリスク低減、スピードアップのため、顧客の成熟度・プロジェクトのフェーズに応じたAWS技術者による支援体制も整っている(役割分担の図を参照)。

 SAPジャパンのプレスリリースによると、なんと2015年6月時点で国内におけるSAP on AWS導入企業は既に100社を突破しており、その後も現在に至るまで、急速に増えてきている。国内導入企業の増加により、今後導入する企業の安心感は、ますます高まっている。また、APNパートナーおよびAWSジャパンにおける支援ノウハウおよび支援体制も、さらに充実してきている。SAPの次期インフラ選定の候補に、AWSは外せないだろう。

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「SAP on AWS」基礎解説――導入事例と構成例で重要ポイントを速習

企業の基幹システムのクラウド化が進んでいる。SAPのERPシステムをクラウドインフラで利用するSAP on AWSは、2015年6月時点で既に100社以上の国内企業で利用されている。なぜSAP on AWSが選ばれるのか?そこには8つの理由があるという。


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SAP環境のAWS移行 得られるメリットと注意すべき点は?

ビジネスにおけるデジタル化の中核を担うERPをクラウドへ移行するメリットは多い。一方でクラウドプロバイダーの選択に当たってはメリットだけでなく、クラウドに迅速・確実に移行できるサービスが充実しているかどうかも重要になる。


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提供:アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年12月29日

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