年末恒例、ゆくWindows、くるWindows山市良のうぃんどうず日記(115:年末特別編)(2/3 ページ)

» 2017年12月25日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

次々にゆくWindows、次々にくるWindows

 2007年に登場したWindows Vistaは、標準のサポート期間の10年を経過して、当初の予定通り2017年4月の定例更新を最後にサポートが終了しました。その後、Windows Updateを通じて新しいセキュリティ更新が配布されることはありませんでした(画面4)。

画面4 画面4 当初の予定通り、2017年4月の定例更新を最後にサポートが終了したWindows Vista

 後述しますが、2017年6月には“特例”でセキュリティ更新が提供されましたが、Windows Updateによる自動配布は4月の定例更新が最後でした。次にサポート終了を控えているのは、2020年早々のWindows 7です。残念ながら、東京オリンピック・パラリンピックまでは使えません。


 次はWindows 7の番といいましたが、実はもっと新しいバージョンでも既にサポートが終了したものがあります。Windows 10の初期リリース(ビルド10240、現在のような「YYMM」のバージョン形式は採用していませんが、バージョン1507と表現されることもあります)と、その次のWindows 10 バージョン1511(November Updateとも呼ばれましたが、この呼び名はもう分かりにくくなりました)です。

 Windows 10 初期リリースについては以下の記事で「2017年5月終了」とお知らせしましたが、結局は6月の定例更新が最後になり、Windows Updateで更新できた最終的なビルドは6月の累積更新プログラムによる「10240.17443」でした。


 Windows 10 バージョン1511については記事にしていませんが、2017年10月の定例更新を最後にサポートが終了しました。なお、Windows 10 EnterpriseおよびWindows 10 Educationについては、サポートが半年延長されて、2018年4月まで品質更新プログラムが提供されることがアナウンスされています。Windows 10 バージョン1511のHomeおよびProエディションについては、Windows Updateで更新できた最終的なビルドは2017年10月の累積更新プログラムによる「10586.1176」でした。EnterpriseおよびEducationエディションは、2017年12月の累積更新プログラムで「10586.1295」に更新されます。

 去るものもあれば、来るものもあります。Windows 10は「Windows as a Service(サービスとしてのWindows)」に基づいて、”現在は”1年に2回、3月ごろと9月ごろに新機能を含む新バージョン(新ビルド)が「機能更新プログラム」としてWindows Updateを通じて配布されます。

 そして、各バージョンはリリース後18カ月間、品質更新プログラムが提供されます。Windows 10(の古いバージョン)がWindows 7よりも先にサポート終了となったのは、これがあるからです。“現在は”と断りを入れたのは、Windows 10 初期リリース当初とはMicrosoftのサポートポリシーが変更されているためで、今後も変更される可能性があるからです。

 2017年は4月にWindows 10 Creators Update バージョン1703、10月にWindows 10 Fall Creators Update バージョン1709がリリースされ、Windows Updateを通じて段階的に配布されました。もちろん、手動でアップグレードすることもできます。


 機能更新プログラムは、数GBにもなるWindowsのアップグレードインストール用イメージです。これが品質更新プログラムと同じルートでやってくるわけですから、ネットワーク帯域を占有したり(Windows 10 バージョン1709からは、前出の「配信の最適化」の「詳細オプション」で帯域幅の制限が可能になりました)、通常の更新のための再起動だと思っていたら新バージョンへのアップグレードだったりして、PCが数時間使用不能になったり、マルウェア対策ソフトとの互換性問題でブルースクリーンが表示されて正常起動しなくなったりと、いろいろと面倒を引き起こしてくれました。

 新しいバージョンをすぐ導入することは避け、より安定したころに導入したいという場合、Home以外のエディションであれば、Windows Updateの詳細オプションで既定の「Current Branch(CB)」を「Current Branch for Business(CBB)」に切り替えることで(Windows 10 Fall Creators Updateからはそれぞれ「半期チャネル(ターゲット指定)」「半期チャネル」に名称変更)、更新を4カ月遅らせることができます。さらに最大365日、延期するように構成することも可能です(画面5)。

画面5 画面5 Windows 10 Fall Creators Update(Pro)のWindows Updateの「詳細オプション」。Homeには延期オプションは存在しない

 ただし、これも正しく機能することを信じるしかありません。というのは、第112回でお伝えしたように、Windows 10 バージョン1703のProエディションで、CBBに構成しているにもかかわらず、Windows 10 バージョン1709の機能更新プログラムがWindows Updateで配布され、アップグレードされてしまうという問題があったからです。


 この問題は、2017年12月の累積更新プログラムで修正されたようですが、勝手にアップグレードされて、その後、以前のビルドにロールバックしていない(時間がもったいないから)筆者にはもう関係のない話。

 さらに、未確認(実機で再現できていない)情報ですが、Windows 10 バージョン1709で機能更新プログラムを日数指定で延期している場合、品質更新プログラムの配布も影響を受けて延期されてしまうという問題が発生することがあるとのことです。

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