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» 2018年01月10日 10時00分 公開

全国886団体を支える公会計システム「PPP(トリプルピー)」がSQL Serverを採用:地方自治体が今後直面する公共施設の維持管理の問題――公会計システム「PPP(トリプルピー)」が課題解決に向けて“新たな価値”を提供

地方自治体を中心に全国886の団体に公会計システム「PPP(トリプルピー)」を提供するシステムディ。同社はさらなる経済性と将来的に高度な集計・分析機能を実現すべく、PPPの新バージョンで「Microsoft SQL Server」を標準DBとして採用。複式簿記導入や固定資産台帳の整備など、変革が迫られる地方公会計の現場では、いま何が求められ、新しいPPPはどのような価値を提供しようとしているのか。

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2018年度以降、地方公共団体は複式簿記による財務書類公表へ

ALT システムディ 取締役 公会計ソリューション事業部長
井口準氏

 「複式簿記」が原則の民間企業と異なり、国や地方自治体の会計(官庁会計)では、これまで「単式簿記」が採用されてきた。単式簿記は「現金がいくら入ってきて、いくら出て行ったか」を単純に記した家計簿のようなもの。シンプルだが「毎月、何にいくら使っているか」「1年間の利益はいくらで、預金はいくら増えたか」などはすぐには分からず、項目ごとに集計し直さなければならない。また、「利用によって価値が下がる建物」など、現金が動かない取引はそもそも把握することができない。

 対して、複式簿記は「どんなお金がどこから入ってきて、どんなお金としてどこに出ていったのか」をまとめて記録することができる。現金だけでなく、預金や借入金、売掛金、利用によって価格が変わる建物の価値なども扱うことが可能だ。項目ごとにお金の出入りが記録されるので、集計も容易だ。「財務4表」と呼ばれる「貸借対照表(BS)」「損益計算書(PL)」「キャッシュフロー計算書(CF)」「株主資本等変動計算書」を見れば、ある期間のお金の流れを簡単に把握することができる。

 公会計が単式簿記のままでは、こうした複式簿記のメリットを得ることは難しい。例えば、道路や建物の整備にいくらかかったかは分かるが、その道路や建物が何年後にどのくらいの価値になるのかを把握することは難しい。そうしたことを把握しないままで再整備計画を進めてしまい、結果としてうまくいかなければ、住民の安全や行政サービスの低下を招くことになる。

 そうした公会計の現状に対し、総務省は2015年1月23日、「統一的な基準による地方公会計マニュアル(新統一基準)」を公開。複式簿記の導入と固定資産台帳の整備など、新たな基準で地方公会計を推進することを要請した。地方自治体は、2018年度中に前年度の決算書を新統一基準に組み直して公表しなければならない。具体的には、財務4表として「貸借対照表(BS)」「行政コスト計算書(PL)」「資金収支計算書(CF)」「純資産変動計算書(NW)」を作成する必要がある。

 新統一基準によって、自治体の公会計に対する取り組みはどのように変わるのか。全国の地方公共団体に公会計システム「PPP(トリプルピー)」とコンサルティングサービスを提供するシステムディの井口準氏(取締役 公会計ソリューション事業部長)は、次のように話す。

 「複式簿記による財務書類を作成することで、財務データの活用をさらに進めることが期待されています。単式簿記は現金しか見ていませんので、将来的な予測などはできません。道路の補修や公共施設の維持管理など、施設や設備のライフサイクルコストを適切に管理することはとても重要です。また、少子高齢化に伴う、介護施設などの整備や、学校の統廃合などを計画的に実施していく上でも欠かせないものです」(井口氏)

17年以上も地方自治体を支えてきた公会計システム「PPP」

 システムディが提供する「PPP」は、官庁会計の単式簿記から複式簿記への自動変換や、財務4表を作成するためのパッケージソフトウェアだ。2000年に初期バージョンが開発され、2008年にリリースしたバージョン3で複式簿記を簡単に実施できる公会計システムとして定番化。以後、地方自治体を中心に多くの団体に採用されてきた。

 2015年に公開された新統一基準にもいち早く対応し、同年10月には新統一基準に対応するバージョン4の提供を開始。2017年1月には、各種分析機能や指標一覧出力機能を充実させたバージョン5を提供。2018年1月からは「Microsoft SQL Server対応版」の提供も開始した。

 長年の実績はもちろん、新統一基準を先行導入する団体の取り組みを支えることで、現在は地方自治体を中心に全国886団体に採用される公会計システムとなっている。井口氏によると、PPPの特徴は大きく4つあるという。

 1つ目の特徴は、新統一基準に対応した財務書類を簡単に作成できること。資産情報を固定資産データとして管理し、固定資産台帳を作成できる。固定資産台帳はマッチング機能を使って自動的に更新されるため、照合の手間を大幅に削減できる。

ALT ▲「固定資産台帳」の基本情報画面《クリックで拡大します》
ALT ▲「固定資産台帳」の地図情報画面《クリックで拡大します》

 また、執行情報を複式仕訳データとして自動で仕訳し、財務4表を素早く作成することができる。財務4表とともに重要になる附属明細書の作成や、公益財団法人や第三セクターの株式会社の財務書類から新統一基準への自動組み換え、連結処理も可能だ。

 2つ目の特徴は、データを活用するための「分析機能」が充実していること。例えば、公共施設の物理的状況や施設別の収支状況、資産構成、財源残高を把握するデータを出力して、「公共施設等総合管理計画」に活用できる。また、「行政コスト計算書(PL)」では、予算事業別、事務事業別、施策事業別、行政目的別、部門別にコストデータを出力して、「行政評価」に役立てられる。

 その他、財務4表の経年比較や歳入歳出資金移動の日計表、予算と実績の対比分析表を使った「資金マネジメント」のサポート、予測財務四表や予算実績対比分析表などを使った「予算編成」のサポートなどが可能。さらに「まちづくり」を支援するために、40年間の財政シミュレーションを行う機能も備える。

 3つ目の特徴は、住民への公表を支援する「公表機能」だ。さまざまな視点からデータを分析したり、指標の一覧を出力したりして、「分かりやすい住民説明」を支援する。

 4つ目の特徴は、導入の容易さだ。PPPだけでなく、ノートPCや基盤となるデータベース、Excelなどの分析ツールといった公会計システムを運用するために必要なソフトウェアをワンパッケージで提供する。さらに、会計システム構築や運用のためのコンサルティングサービスも提供する。

ALT ▲最新バージョンのPPPでは、自治体運営実務作業で活用できる機能が大幅に強化されている《クリックで拡大します》

SQL Server対応を機に、Power BIやAzureとの連携性を高める

ALT システムディ 公会計ソリューション事業部 開発部 開発課 課長 川原浩志氏

 井口氏は、PPPの狙いについて「単に固定資産管理や複式簿記に対応するだけでは意味がないと思っています。そのため、行政側が財務状況を素早く判断し、住民と一緒に財務データを活用していくための機能を充実させてきました」と話す。

 マイナンバーやLGWAN(総合行政ネットワーク)などを手掛ける地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は、新統一基準の普及のために無償で利用できる「標準ソフトウェア」を提供している。PPPが提供するさまざまなデータ活用機能は、その標準ソフトウェアとの差別化にもなっているという。

 こうしたデータ活用に向けて機能を強化する上で、1つのカギになっているのが「Microsoft SQL Server」だ。これまでPPPは他のデータベースを採用していたが、最新バージョンではSQL Serverを標準DBとして採用。その意図について、開発に携わった川原浩志氏(公会計ソリューション事業部 開発部 開発課 課長)は、次のように話す。

 「地方自治体の現場では、Excelによる集計や分析が広く行われています。PPPもExcelと連携しながら、データ活用を進めていくことが基本コンセプト。PPPの分析機能を強化する上ではExcelなど、現場で実際に使われているツールとの高度な連携が求められます。また、今後は、クラウド上にあるデータをいかに活用するかもポイントになるでしょう。データベースをはじめ、Excel、Power BI、Office 365、Microsoft Azureといったさまざまなツールやサービスをマイクロソフトの製品/テクノロジーでそろえることで、連携性はさらに高まり、新しい機能を開発しやすくなると考えています」(川原氏)

 例えば、一覧表からグラフなどを作成する際には「Power BI」を活用して、よりグラフィカルにして見やすく表示したり、地図データや人口動態データなどと組み合わせたりすることでこれまでにない施設管理の分析も可能になるという。Power BIは、SQL Serverのエンジンを採用していることもあり、開発はより容易になるとの期待もある。また、Microsoft Azureでは、オープンデータ向けのリソースも多数公開されていることから、それらと連携することで、より分かりやすい住民向け資料を作成することも可能になる。

 川原氏は「まずは、既存機能のSQL Serverへの実装を確実に進めました。最新バージョンで既存機能が問題なく動作したことで、今後は新機能の追加に取り組んでいく予定です。製品の中で独自に機能を作り込むことは非常に大変ですが、Power BIなどのマイクロソフトのツールをうまく使うことで、素早く機能を提供していくことができます」と話す。

 SQL Serverへの対応では、システムディ社内にSQL Serverの“エキスパート”が多かったことも助けとなった。システムディは自治体向けソリューション以外にも、学校法人向けの会計や校務システムを提供する文教ソリューション、フィットネスクラブ向けに会員管理や施設管理システムを提供するウェルネスソリューションなども手掛けている。これらパッケージソフトのデータベースにも、SQL Serverが採用されているという。

 「私もそうですが、社内にはWindows NTの時代から、SQL Serverに触れてきたデータベース開発者がたくさんいます。これまで積み上げてきた知見やノウハウをPPPの開発に生かすことで、開発の速度や製品の品質も上がると考えています」(川原氏)

マイクロソフトとともに地方自治体の課題を解決していきたい

 実際の対応作業では、日本マイクロソフトのサポートや技術情報が大きな助けになった。まず日本マイクロソフトによる移行アセスメント(OMA:Oracle Migration Assessment)のサービスを活用し、DB移行の問題点や工数がクリアになったことで、不安やリスクが大きく減少した。また日本語のQAサイトが充実しているので、さまざまな情報を素早く得ることができた。

 川原氏は「何か問題があっても日本語でスピーディーにサポートしてもらえることは、若手のエンジニアにとって大きな魅力です。外資系企業の中には、情報が豊富でも英語でしか提供されていなかったり、日本語サポートが不十分だったりするところもあります。エンジニアが技術を習熟しやすいという点では、マイクロソフトは業界でもトップクラスのサポートを提供していると思います」と高く評価する。

 また、今後の機能強化についても「社内にはSQL Serverがバージョンアップするたびに、新しい機能を積極的に試すようなエンジニアがたくさんいます。最新のSQL Server 2017に関しては新機能の確認と検証を進めて、今後、それらをうまく活用しながら、新しい価値を提供していきたいと思います」と豊富を述べる。

 井口氏は、同社のビジネス拡大という点でも、日本マイクロソフトとの協業に大きな期待を寄せている。

 「地方自治体への新統一基準はまだ始まったばかりです。何から手を付けてよいか分からないと悩んでいる団体はまだまだ多いと思います。そうした中、弊社はデータ活用やクラウド活用など、パッケージ提供やコンサルティングを含めてさまざまな選択肢を提供しながら、地方自治体が抱える課題を解決していきたいと思っています。その取り組みにおいて、日本マイクロソフトと協力していくケースは今後ますます増えるでしょう」(井口氏)

 SQL Serverに対応することでさらなる経済性と将来への拡張性の面でパワーアップし、新たな価値を提供できるようになったシステムディのPPP。複式簿記への移行だけでなく、自治体におけるデータ活用やクラウド活用の推進役として、今後重要な役割を果たしていきそうだ。

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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2018年2月9日

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