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» 2018年02月06日 11時00分 公開

企業のクラウド、ソフトウェア、インフラ投資が伸びをけん引:2018年の世界ICT支出は4兆ドル近く、そして投資はさらに加速?:IDC

IDCによると、2018年の世界ICT支出は4兆ドルに迫り、このうち消費者支出が1.5兆ドル、銀行、組み立て製造、通信、専門サービスの4業界の合計支出が9000億ドル超となる見通しだ。

[@IT]

 IDCは2018年2月2日(米国時間)、世界のICT(情報通信技術)支出動向に関する最新の予測を発表した。それによると、2018年は4兆ドル近くに拡大する見通しだ。近年のスマートフォンの爆発的普及を背景に、ICT支出全体に占める割合が最も大きいのは「消費者支出」だが、支出の伸びをけん引するのは、“第3のプラットフォーム”(クラウド、モビリティー、データ分析、ソーシャル技術など)関連の「クラウド」「ソフトウェア」「インフラ」への企業支出だと、IDCは指摘している。

 2018年の消費者支出は1.5兆ドルを超えると予想されており、IDCのICT支出動向の予測期間である2016〜2021年を通じて全体の3分の1を上回るという。ただし、この間の年平均成長率は1.2%にとどまる見通しだ。またデバイスと携帯通信サービスへの支出が、消費者支出全体の80%程度を占めそうだ。

 IDCは2018年の企業のICT支出について、特に支出が多い業種として、「銀行」「組み立て製造」「通信」「専門サービス」を挙げている。この4業種の支出合計は9000億ドルを超える見通しだ。これらの業種はいずれも「アプリケーション」「インフラ」「アウトソーシング」「通信サービス」に多額の投資を行おうとしているが、業種によって力点が異なる。例えば、銀行業界は「ITアウトソーシング」と「プロジェクト型アウトソーシング(アプリケーション開発、システムおよびネットワーク実装など)」への支出が最も多く(合計1150億ドル)、通信業界では「インフラ支出」が首位を占める見込みだ(850億ドル)。2016〜2021年の予想年平均成長率が最も高い業種は「専門サービス」(5.9%)で、「銀行」(5.2%)がこれに続いている。

ICT支出の割合について(出典:IDC)

 地域別に見ると、2018年は米国のICT支出が1.3兆ドルとなる見通しだ。米国は2016〜2021年に世界最大のICT市場の座を維持し、年平均成長率は3.6%になると予想されている。2018年に中国は2位の市場(4990億ドル)となり、2016〜2021年の予想年平均成長率も5.2%と高い。2018年は「米国」と「中国」「日本」「英国」「ドイツ」がICT支出の上位5カ国となるという。またIDCは予想年平均成長率の上位3カ国は「フィリピン」(7.5%)、「インド」(7.0%)、「ペルー」(6.7%)と予測している。

 企業規模別に見ると、「小規模オフィス」(従業員1〜9人の企業)は2016〜2021年のICT支出全体の7%を占める見通しだ。このカテゴリーの企業の支出(年間1000億ドル程度)の大部分は「固定および携帯通信サービス」で、「デバイス」も大きな割合を占めそうだ。

 「小規模企業」(従業員10〜99人)の支出パターンは「小規模オフィス」と似た傾向を示し、「アプリケーション」と「アウトソーシング」の割合がやや多い。「中規模企業」(従業員100〜499人)、「大規模企業」(従業員500〜999人)は、全ての技術カテゴリーにバランス良く支出すると予想されている。

 これに対し、「非常に大規模な企業」(従業員1000人以上)は2016〜2021年を通じて、ICT支出全体に占める割合が50%を超えそうだ。このカテゴリーの企業は、デジタルトランスフォーメーションの取り組みを進めていることを背景に、「ITアウトソーシング」「プロジェクト型アウトソーシング」「アプリケーション」「インフラ」の支出が多い予想されている。

 技術カテゴリー別では、2018年はIT支出が2.16兆ドルに達する見通しで、「デバイス」「アプリケーション」「ITアウトソーシング」「プロジェクト型アウトソーシング」がけん引役だ。また、「ビジネスプロセスアウトソーシング」と「ビジネスコンサルティングサービス」への支出が3000億ドルを超えると予想されている。「通信支出」は1.5兆ドルとなり、その95%は「固定および携帯通信サービス」だ。「携帯電話」への支出は2018年に5000億ドル近くに達し、「技術支出」の中で最大のセグメントになる見込みだ。「モバイルデータ」と「モバイル音声」もそれぞれ4000億ドルを超えると予想されている。

 IDCのカスタマーインサイト&アナリシス担当プログラムディレクターを務めるジェシカ・ゲップファート氏は、次のように解説している。

 「米国の専門サービス業界における技術支出の伸びは、技術に精通したFacebook、Google、Microsoft、Uberといった企業が投資を進めているのが理由だ。こうした企業は、ビジネス戦略と販売サービスの基盤として技術を位置付けている。急速に進化する市場で勝ち抜くために、新しいイノベーションを先頭に立って試すことも多い。一方、銀行と金融はいずれも、特定のチャネルに依存せず、快適で魅力的なカスタマーエクスペリエンスを提供したいと考えている。彼らの取り組みは、技術投資によって実世界とオンラインの世界を融合させることで実を結ぶ」

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