雑然と置いた商品を一括で画像認識――NECが無人決済向け技術開発「ディープラーニング技術」と「特徴点マッチング技術」を活用

NECは、小売店で決済時に必要な商品読み取りを大幅に効率化する画像認識技術を開発した。生鮮品や日配品、パッケージ品などが雑然と置かれていても一括認識できるという。

» 2018年03月06日 11時00分 公開
[@IT]

 NECは2018年3月5日、生鮮品や日配品、パッケージ品など、あらゆる小売商品を一括で画像認識可能な多種物体認識技術を発表した。同社は、「スーパーやコンビニなどの小売店の決済時に必要な商品読み取りを効率化し、決済無人化に貢献する」としている。

 画像認識技術を応用して、小売店の決済を省力化・無人化する取り組みが進められている。ただし、各個体の外観が大きく違う生鮮品などの自然物と、酷似したパッケージデザインが大量に出回る工業製品では、画像として認識する際の特性が異なる。そのため、従来、全ての商品を一律で認識するには「商品を整然と並べる」などの条件が不可欠だったという。

 今回、NECが新たに開発した画像認識技術は、特性の異なる「ディープラーニング技術」と「特徴点マッチング技術」を組み合わせたもの。生鮮品の認識にディープラーニング技術を、工業製品の認識にはデザイン配置の違いを詳細に判別できる特徴点マッチング技術を適用。商品の特性によっては両方の技術を適用する。そうした商品が雑然と置いてあっても、一括して個々の商品を認識可能だという。

画像 多種物体認識技術による商品認識の様子(提供:NEC)

 NECは、各商品を認識する際、ディープラーニング技術と特徴マッチング技術をそれぞれ適用したときの認識精度を推定し、認識精度を最大化するように各技術を適用する配分を調整し、各技術での認識結果を統合する。商品の特性に応じて2つの技術を適応的に組み合わせることで、多種多様な小売商品に対する認識精度を向上させたという。

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