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» 2018年03月29日 10時00分 公開

検索技術を進化させているのはGoogleだけじゃない:自社開発検索エンジンで14年間チャレンジを続ける「ビジネスサーチテクノロジ」ってどんな企業?

「検索エンジン」といえば、ネット検索の「Google」を真っ先に思い浮かべる人も多いだろうが、そのGoogleにとって「手薄」であった「企業内検索」「サイト内検索」といった分野に特化し、ビジネスを展開している日本企業がある。

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 「検索エンジン」といえば、ネット検索の「Google」を真っ先に思い浮かべる人も多いだろうが、そのGoogleにとって「手薄」であった「企業内検索」「サイト内検索」といった分野に特化し、ビジネスを展開している日本企業がある。「ビジネスサーチテクノロジ」は、日本DEC(現在の日本ヒューレット・パッカード)で「MitakeSearch」などの検索エンジンの開発に関わったエンジニアらによって、2004年に設立された。

 デジタルデータが増え続ける中で、ユーザーが求める情報にたどり着くために不可欠な「検索」にまつわる一連のシステムを全て手掛ける同社では、どのような形で製品やサービスの開発に取り組んでいるのか。アイティメディアでUI/UXに関わるエンジニアである後藤健太郎(メディア・テクノロジー本部 データソリューション統括部 副統括部長 兼 UI/UXソリューション部長)が、ビジネスサーチテクノロジの土井仁志氏(開発部 部長)、日向野悟史氏(開発部 係長)、大津靖氏(プロフェッショナルサービス本部 本部長)に話を聞いた。

個々のニーズに合った検索を提供できたのが「生き残り」の要因

後藤 本日はよろしくお願いします。私は、アイティメディアのエンジニアなのですが、主にUIやUXの向上という観点から、御社の検索に関する技術や「WiSEシリーズ」「probo/probo EC」「ポップリンク」といったプロダクトにはとても関心を持っています。

ビジネスサーチテクノロジ 開発部 部長 土井仁志氏

土井氏 ありがとうございます。

後藤 「検索エンジン」の技術というと、現在ではネット検索における「Google」の存在感が非常に強いのですが、御社の場合は「企業内検索」や「サイト内検索」に特化し、エンジン部分からフロントエンドまでの全体を自社で開発、提供をされている点が特徴的ですね。

土井氏 当社の背景からご紹介すると、もともとは日本ディジタル イクイップメント(日本DEC、現在の日本HP)で、「MitakeSearch」という国産検索エンジンの開発に関わっていたメンバーが中心となってスピンアウトし、2004年に設立されました。

 現在、Googleはネット検索の分野で圧倒的なシェアがありますが、われわれは「企業内検索」「サイト内検索」のカテゴリーに特化し、当初は検索ソフトウェアのパッケージ販売を主軸とした事業展開を行っていました。

 10年ほど前からは、パッケージだけではなく、ASP形式でのサービス提供にも本格的に取り組んでいます。特にお客さまが自社で運営しているECサイト向けの検索機能を強化することで、ユーザーの満足度や売上の向上をお手伝いするといった事業に力を入れています。核となる検索エンジンに加えて、「レコメンド」「サジェスト」といった機能を提供するサービスも自社で開発し、提供しています。

アイティメディア メディア・テクノロジー本部 データソリューション統括部 副統括部長 兼 UI/UXソリューション部長 後藤健太郎

後藤 1990年代後半から2000年代前半にかけては、情報のデジタルデータ化が一気に加速し、「検索」があらゆる意味で重要な技術になるといわれていました。国内外を問わず、多くの企業が検索エンジンの開発力を競ったのもその時期です。現在、実際に「検索」は「あって当たり前」の重要な技術になっていますが、そのエンジン部分までを自社で手掛ける企業はほとんどなくなってしまっています。それを現在も続けておられるのには、特別な理由があるのでしょうか。

土井氏 一般的なネット検索とは違い、企業内検索やサイト内検索では、お客さまごとに最適な検索結果の出し方、使い方があります。汎用的なネット検索の仕組みでは、どうしてもそうした部分のカスタマイズが難しく、「検索」の導入が、十分な「成果」につながらないことが多くなってしまいます。単語の表記に区切りがない日本語の検索であればなおさらです。

 われわれの場合は、データベースを含む検索エンジン、中間の処理、フロントエンドでの入出力全体を自社で開発しています。そのため、お客さまのビジネスニーズに応える検索システムを提供できる点が大きいのではないかと思います。

C/Perl/PHPからRuby/Rails/ES2015まで扱う技術は新旧多彩

後藤 以前は、パッケージを中心に提供されていたということでしたが、近年、スマートフォン向けに検索UIが最適化された「ポップリンク」などは、非常にモダンなデザインになっていますね。

「ポップリンク」の導入イメージ

日向野氏 「ポップリンク」は、企業サイトやECサイトなどで、検索キーワードから該当ページへのダイレクトな誘導が行えるツールです。最初のバージョンは2014年にリリースし、その後も機能強化を続けています。導入や運用も、従来と比較して容易に行えるようになっており、お客さま側で簡単なJavaScriptをサイトに埋め込むだけで、すぐに動かせます。

後藤 検索エンジンのコアな部分と、「ポップリンク」のようなモダンなフロントエンドを構築する技術には、かなりのギャップがあると思いますが、開発部隊ではそれぞれのスキルを持った方が、役割分担をしているのでしょうか。

土井氏 「少数精鋭」の開発部隊なので、完全に分担しているというよりは、時流に合わせて必要な技術を開発部員が取り入れているといった感じですね。検索エンジン部分の開発に関しては、OSに関する知識も必要ですし、使っている言語もCやPerl、PHPといった昔からあるものが主流です。ただ、ASPサービスとしての展開には、これらの技術だけでは不十分なので、RubyやRails、JavaScript(ES2015)なども必要に応じて導入しています。

後藤 エンジニアにとって「どの技術を使うか」は、非常に強くこだわりが出る部分だと思いますが、新しい技術を取り入れていく上で、社内に抵抗やあつれきのようなものはないのですか。

日向野氏 うーん、少し前まではあった気がしますけれど、今ではないですね(笑)。一番象徴的だったのは、ソースコード管理を「CVS」から「Git」に移行したときでしょうか。土井は熱烈なCVSユーザーだったのですが、私と他の開発部のメンバーで猛烈にGitをプッシュして、今では全面的に移行しています。

後藤 土井さんが宗旨替えされたのには、何か理由があったのでしょうか。

土井氏 宗旨替えというと大げさですが(笑)、私もエンジニアとして、良いものであれば新しい技術に常にキャッチアップしていたい気持ちがあります。個人で運営しているサイトで新しいものを試してみて、良いと判断できれば仕事にも導入しています。

後藤 日向野さんは、以前、他社でエンジニアとしてお仕事をされていたのでしょうか。

ビジネスサーチテクノロジ 開発部 係長 日向野悟史氏

日向野氏 いいえ。実は、学生のころに当社でテストやバグレポートのアルバイトをしていて、そのまま入社しています。

後藤 そうだったのですか。一般的に、新卒で入社すると、その会社の流儀や使っている技術に染まり、それを変えようという考えにはならないことも多い気もしますが。

日向野氏 新しい技術や手法に関しては、新しく当社に加わったメンバーから刺激を受けたり、勉強会に出たりしながら、良いものがあれば取り入れていきたいと考えています。気になるものがあれば、自分で簡単なプロトタイプを作って、業務で使えそうかを社内に相談しています。

 こういう習慣は、当社に限らず、エンジニアがエンジニアとして長く働いていくために必要だと思っています。当社の開発部には、個々のエンジニアが熱意を持って取り組める新しいものは、採用してもらえる雰囲気がありますね。逆に言えば、個人で勉強して、新しいものを取り入れていかなければ、変わらないし、進まない環境だといえます。

土井氏 当社の場合は、渡された仕様書の通りにものを作るのではなく、エンジニアが思い付いた「こんなものはどうだろう」「こうしたらできるのではないか」といったアイデアをプロトタイプから形にしていくような開発スタイルが主流です。いわゆる大企業的なスキルパスはないため、自律的にいろいろなことを学んでいく向上心がある人にとっては、動きやすい環境だと思います。

後藤 会社として、技術的な勉強会やコミュニティーへの参加は推奨されているのでしょうか。

日向野氏 そうですね。個人が興味を持ったことを深掘りするケースもありますし、逆に会社からの提案で、特定の技術動向を追ったり、学んだりといったこともあります。実際に、これまでPerlで作っていたミドルウェアをRubyに置き換えていく過程では、社内でRubyの勉強会を開催しました。

土井氏 エンジニアを集めて、それぞれが今興味を持っているテーマについて発表する会も行っています。個人的にGoogleやMicrosoftの画像認識APIの評価を行って、その結果を発表した人もいましたね。私も含め、創業からのメンバーには、外資系のエンジニアだった人も多く、当時からの技術に関する自由な雰囲気が残っています。

「検索」がビジネスに与えるインパクトが増す中で求められるエンジニア像

後藤 御社で開発されている個々の製品に関して、使う技術や実現する機能は、どのようなプロセスで決められているのでしょうか。

土井氏 当社では現状、いわゆる「プロダクトマネージャー」的な職責を持つ人を置いていません。そのため、開発と、お客さまへのサポートやデリバリーを行うスタッフが定期的に意見交換をしながら決め、開発側で技術的な課題を解決する体制をとっています。

ビジネスサーチテクノロジ プロフェッショナルサービス本部 本部長 大津靖氏

大津氏 私の所属する「プロフェッショナルサービス本部」では、サポートやデリバリーを通じてお客さまに製品を使っていただいています。加えて、実際に「検索」を自社サイトやECサイトに導入した結果「どれだけの効果が出たか」「もし効果が出ていなければ、どのようにサイトや検索システムの使い方を改善していけばいいのか」といったコンサルティングを、データを基に行っています。

 その中で、お客さまからのリクエストやビジネス的な面で強化したい機能があれば、開発に要望を出しています。

土井氏 自社で直接デリバリーしていることもあり、作った製品に対するお客さまからのフィードバックが早いという意味では開発のやりがいがあります。ただ、お客さまからの要求が、開発のキャパシティーを越えて多くなることもあり、それらを整理しながら、製品のクオリティーを高めていく方法論の導入と組織作りを、今後進めていければと思っています。

後藤 「サイト内検索」「ECサイト検索」に特化した検索サービスの企業として、技術面では今後、どういった面を強化したいと考えていますか。

土井氏 やりたいことは非常に多くありますが、まずはクラウドでのサービス提供を拡大するための、クラウドインフラの効果的な活用スタイルを確立したい。お話しした通り、検索エンジンのパッケージ開発からスタートした会社ですから、この部分はまだまだ強化の余地があると考えています。

大津氏 また、企業サイトやECサイトがビジネスに与えるインパクトが増す中で、ビジネス課題の解決にサイト訪問や検索のログデータを有効に利用できるデータアナリティクスの分野に関しても、強めていきたいと考えています。

後藤 お話を聞いている中で、御社は技術面でも、組織面でも、非常に「変化」を受け入れやすい環境があるように感じました。そうした環境で、さまざまな技術に触れられることに魅力を感じるエンジニアも多いのではないでしょうか。

日向野氏 創業時からいるエンジニアも含め、「正解は誰も知らない」というスタンスで、新しい技術を取り入れ、チャレンジしようという意識は強い会社ですね。良い意味で「日本のIT企業」っぽさがないといいますか(笑)。

後藤 組織全体が、そうした意識を持って動いていけるというのは素晴らしいことだと思います。本日はどうもありがとうございました。

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提供:ビジネスサーチテクノロジ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2018年4月28日

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